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## 廃棄の王国 ### 第十七章 橋下の王様②
振り返るとそこには花音が立っていた。
今日は制服ではなく白いブラウスに黒のスカート。
大人びた装いだが少女らしい清潔感があった。
「君か」
ヨシオは立ち上がろうとしたが重い缶の束がそれを許さない。
「その様子ではかなり順調なようですね」
花音はヨシオの缶の山を値踏みするように眺めた。
「君こそ何をしている?」
「散歩です」
花音は涼しい顔で答えた。
「週末はいつもこの辺りを歩きます」
嘘だとヨシオは直感した。
花音の靴は新品で汚れ一つない。
散歩ならもっと履き古した運動靴を選ぶはずだ。
「まさか監視しに来たのか?」
ヨシオは冗談めかして言ったが声には緊張が滲んでいた。
「いえ」
花音は首を振った。
「ただ気になることがあって」
二人の間に沈黙が流れる。
花音の目が缶の山からヨシオの手元へ移動した。
「怪我していますね」




