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## 心の檻 ### 第十三章 破裂する平静
「みんな集まってるのね」
三人が振り返ると、そこには制服姿の柚希が立っていた。
雨の日のような灰色の空の下、
彼女の姿だけが鮮明に浮かび上がっている。
「ゆ……柚希?」
紗月が驚いて立ち上がった。
花音はすぐに状況を把握した様子で
「偶然よ」
と作り笑顔で言った。
「私たちもたまたま」
柚希の視線はゆっくりとヨシオに移った。
彼女の顔から血の気が引いていくのが見て取れる。
「叔父さん……」
その声は氷のように冷たかった。
「ここで何をしているの?」
ヨシオは言葉に詰まった。
嘘をつくか真実を言うか—
どちらを選んでも柚希を傷つけることは明らかだった。
「紗月」柚希は友人の方を向いた。
「どうして叔父さんと仲良くしているの?」
「財布拾ってもらってね!」
紗月は屈託なく答えた。
「毎日会う約束したんだ」
「毎日??」柚希の声が震えた。
「うん!ヨシオさんって面白い人だし!」
紗月は明るく言った。
「ね?」
ヨシオは頷くことも首を振ることもできなかった。
柚希の殺気立つ目が全てを物語っていた。




