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ド底辺ホームレス中年男の俺が姪っ子に告られる!?  作者: やまけ〜


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## 運命の糸 ### 第十一章 偶然の縁


翌朝、ヨシオは駅前で立ち尽くしていた。


手には皺だらけの段ボール。


いつもの通行人に声掛けしてお金を借りる勇気も持てず、ただ時間が過ぎるのを待つだけだった。


「やばっ!財布がない!」


突然の叫び声に振り返ると、女子高生がバッグの中を探っていた。


濃紺のセーラー服—


柚希と同じ学校だ。


ヨシオは彼女の足元に落ちているブランド品の財布に気づいた。


「そこだよ」思わず声をかける。


少女は驚いたように足元を見た。


「あ!あった!ありがとう!」


彼女は深々と頭を下げると、


「私、紗月っていうの。あなたの名前は?」と尋ねた。


「ヨシオだ」


簡潔に答える。


「もう行けよ」


「待って!」


紗月は急いで財布から千円札を取り出した。


「お礼に何か奢るよ」


「要らない」


ヨシオは即座に断った。


「助けてもらったのに何もしないなんて恥ずかしいでしょ!」


紗月は頑固だった。


「この先のコンビニでいい?」


ヨシオは仕方なく頷いた。


紗月についていく途中、


「あのね」と彼女が切り出した。


「実は私、柚希と同じクラスなの」


「柚希……?」


ヨシオの心臓が跳ねた。


「そうそう!宇津木柚希!」


紗月は明るく笑った。


「いつも黙ってるけど頭いいんだよね。昨日も数学の問題教えてもらってさ」


ヨシオは黙って聞いていた。


柚希が学校で孤立していないことが唯一の救いだった。


コンビニに入ると紗月はおにぎりコーナーに直行した。


「具は何が好き?私は梅干し!」


「昆布でいいよ」ヨシオは適当に答えた。


「じゃ私も昆布!双子コーデ!」


紗月は笑いながら二個のおにぎりをカゴに入れた。


「飲み物は?」


「水で構わない」


紗月はペットボトルの水も選び、レジに向かった。


支払いを済ませると、「外で食べよう!」と言ってヨシオの手を引いた。


公園のベンチに腰掛けると、「ほら」と紗月はおにぎりを渡した。


「お外はばい菌だらけだから食べる前はちゃんと除菌しないとね」


と紗月は言って除菌スプレーを手にシュッとした。


さらに除菌シートで手を丁寧に拭き取っていた。


「ヨシオさんも除菌シートで手を拭いてね」


と一枚くれた。


「ありがとう」


ヨシオは小さな声で言った。


「どういたしまして!」


紗月は満面の笑みを浮かべ、


「ところでさ」と続けた。


「柚希と何かあった?昨日泣いてるの見たって友達が言ってたよ」


ヨシオはおにぎりを噛み締めながら考えた。言うべきか言わざるべきか。


「別に」


結局嘘をついた。


「ふぅん」


紗月は疑わしげにヨシオを見た。


「嘘つきさんだね」


心臓が締め付けられた。


昨日柚希にも同じことを言われたばかりだ。


「でもいいと思うよ」


紗月は唐突に言った。


「嘘も時には必要なことだって柚希言ってたもん」


「柚希が?」ヨシオは驚いた。


「うん」


紗月はペットボトルの蓋を開けながら、


「彼女ね、いつも自分に嘘ついてるって言ってた。完璧な自分を演じることが辛いんだって」と語った。


「そうか……」


「だから私思うんだけど」


紗月は真剣な顔で、


「ヨシオさんみたいな人が傍にいてくれるといいんじゃないかな」


「何故俺が?」


「だって」


紗月はニヤリと笑った。


「さっき私に声かけてくれたでしょ?誰も気に留めなかったのに。そういう優しいところがあるからじゃないかな?」


ヨシオは答えなかった。


柚希にとって本当に必要な存在かどうか、自信がなかった。


「またね!」食べ終わると紗月は立ち上がった。


「明日も同じ時間に会える?」


「どうして?」


ヨシオは眉をひそめた。


「柚希のこと聞きたいんだ」


紗月は意味深に言った。


「彼女、最近本当に変なの。まるで別人みたいで」


その言葉が胸に刺さった。昨晩の出来事が原因ならばヨシオに責任がある。


「分かった」彼は承諾した。


「同じ時間に」


紗月が去った後、ヨシオはベンチに残り、柚希のことを思った。


彼女の内面に迫る紗月という新たな少女が登場したことで、運命の歯車が動き出した気がしてならなかった……。


ここまでお読みいただきありがとうございました。


更新の活力になりますので、 面白い・続きが気になると思っていただけましたら★★★★★から評価やブックマーク等していただけますと大変助かります。よろしくお願い致します!

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