表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/140

薬草ジュース

目を開けると、ユリアは自分の部屋のベッドで寝ていた。


「あれ?」


ユリアは身体を起こす。

額にタオルが乗せられていた。


「あ、私…気を失って…」


ユリアは先程訓練の途中で気を失ってしまった事を思い出した。

ベッドから降りたユリアは、少し重い身体で下まで降りて来た。


「おお、ユリアちゃん!気がついたかい?」


コートが心配そうに話しかけた。


「はい。少し身体が重いですけど大丈夫みたいです。」


「そうかい。ちょっと無理させちゃったね。これをお飲み。」


コートはユリアに茶色い液体が入ったカップを渡す。

見ると中にはドロドロしたものが入っていた。

ユリアは思い切って飲んでみる。


「うわぁっ!苦い!」


「一気に飲みなさい。」


ユリアは苦くてまずい液体を最後まで飲み干した。


「これ、なんですか?」


「薬草を煮出したものだよ。」


「薬草?」


「そう。身体に溜まった悪い気を出してくれる薬だよ。」


しばらく、口に苦さが残っているが薬だと聞いて我慢した。


「私、気を失ってしまったんですね。」


「まぁ、最初だからね。仕方ないさ。」


「あの黒い塊は何なんですか?」


「あれはね、私が作り出した穢れだ。」


「穢れ!!」


コートは頷いた。


「まぁ、穢れと言っても本物は作り出せないからね。それに限りなく似たものを私が作り出したんだよ。」


「本物じゃないんだ…よかった。」


「そうだよ。本物じゃないんだよ。だから、本物だったら大変な事になってた。気を失うくらいじゃ済まないのさ。」


ユリアはあの黒い塊が身体を通っていく時に感じる不快感を思い出した。

それだけで鳥肌が立ってしまった。


「今日はユリアちゃんの力を見極める為に少々荒っぽくしたけど、明日からは少しずつやっていこう。いいね?」


「はい、頑張ります。」


2人で話していると、そこにトーマスが山盛りの野菜を持って現れた。


「ユリアさん!もう起きて大丈夫なんですか?」


「あ、トーマス様。大丈夫です。ご心配をおかけしました。」


ユリアは立ち上がって頭を下げる。


「いやぁ、マグゴナル様に呼ばれた時は驚きました。」


「え?」


「ああ、私の力じゃユリアちゃんを運べないからね。トーマスさんに運んでもらったよ。」


「ええ!そうなんですか!それは本当にすみません。」


「いえいえ。気にしないでください。」


トーマスは山盛りの野菜を置くと、後ろからエミネールが顔を出した。


「あら!ユリアちゃん!大丈夫だった?」


「はい。もう大丈夫です。」


「さっき、ユリアちゃんに特製の薬草ジュースを飲ませたから大丈夫だよ。」


「あ、あれ飲んだの?苦いでしょー?あれ、コート様のお得意の薬草ジュースなんだけど、まずいのよね…」


エミネールは飲んでもいないのに、苦そうな顔をした。


「こら!エミネール!まずいとはなんだ!まずいとは!あれほど効く薬草はないんだよ?」


「はいはい。わかりましたよ。」


コートはエミネールの態度にぷんぷん怒っている。


「あ、そうだ!ユリアちゃん。」


「はい。」


「ユリアちゃんが訓練している間、貴方の彼に色々お手伝い頼んじゃってるの。ごめんね。」


「え?そうなんですか?」


「そうなの。だって、トーマスさん力持ちなんですものー。収穫とか重い物とかお願いしちゃったわ。」


「いえ、それくらいは私に任せてください。こちらいる時は護衛は必要ありませんし。何より身体を動かさないと。」


「助かるわぁ!」


エミネールはトーマスを気に入ったようである。

男手がないこの農園でトーマスの仕事はたくさんあった。


「では、残りの野菜も運んで来ますので!」


「ありがとうねー!」


トーマスが出ていくとエミネールがユリアに言う。


「羨ましいわぁ!ユリアちゃん!あんな素敵な方と巡り合えてー!」


「ははは。ありがとうございます。」


すると、2階から降りてきたファッジが呆れた口調で言った。


「あんたね。もうおばあちゃんなんだから、乙女思考どうにかしなさいよ!」


「うるさいわね!私だって、もしかしたらまだ巡り合えるかもしれないじゃない!ふんっ!」


ユリアはどう反応していいか分からず、笑うしかなかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ