どこまで進んでる?
3人を乗せた馬車は、魔法カフェの前で止まる。
トーマスはユリアをエスコートした。
「ありがとうございました。」
すると、エディが馬車を降りた後に従者が荷台から荷物を下ろし始めた。
「これさ、ミュゼットからユリアちゃんに差し入れ。」
「ミュゼットさんから?」
「そう!ユリアちゃんが魔法使いの勉強の事話しただろ?そしたら、きっと大変だろうからって。必ず持っていけ!って言われたんだ。」
そう言って、沢山の箱や袋を指差す。
「こんなにいっぱい……ありがとうございます。」
「じゃあ、僕が2階まで運びます。エディちょっと待っててくれ。」
トーマスは箱と袋を両手で持ち、運びだした。
「エディさん!ありがとうございました!ミュゼットさんにもよろしくお伝えください!」
駆け足でトーマスの後を追うユリアに手を振って応えるエディだった。
沢山の荷物は家の2階部分に運ばれた。
「トーマス様、ありがとうございます!」
「いえ、とんでもない。ユリアさんともう少し一緒にいたいのですが、今日はこの後どうしても宿舎に戻らなくてはならないので。これで、失礼します。」
「そうなんですね……残念です。でも、お忙しいのにありがとうございました!」
「少しの時間でもユリアさんに会えてよかったです。今日の夜、戸締りと結界魔法を忘れずに。」
「はい!分かってます。」
2階から階段を降りながらトーマスは何度も戸締りの確認をした。
「ユリアさん、今日はゆっくり休んでくださいね。」
「はい。わかりました。」
トーマスはよしっ!と頷いてから
優しくユリアを抱きしめた。
ここの所、魔法の訓練が忙しくてトーマスと会えない日が続いていたのでユリアはトーマスの体温を感じホッとしていた。
ずっとこのままでいたいなぁ……。
とユリアは心の中で思う。
トーマスの身体が離れてしまうと少し寂しかった。
「では、行きますね。」
「はい、いってらっしゃいませ。」
トーマスはユリアの手を握って、その手にキスをする。
ユリアは両手を握りしめて、トーマスに微笑んだ。
魔法カフェから出てきたトーマスは馬車に向かう。
トーマスが乗ったと同時に場所は騎士団の宿舎に向かった。
前を見るとエディが何やらニヤニヤしている。
「なんだよ、その顔は。」
「いやぁ。別になんでもないよ?」
「またなんか変な事考えてるだろう。そんな顔だ。」
「いや、お前もずいぶんと大人になったと思って。」
エディはトーマスの肩をポンポンと叩く。
そして、しばらくトーマスを見る。
「なぁ……ユリアちゃんとはどこまで進んでるんだ?」
トーマスはいきなりの質問に思わず席からずり落ちた。
「お、おま、お前!なんて質問するんだ!」
「いや、俺はだな。決してふざけてる訳じゃないぞ?だって心配なんだよ……。お前はさ、ほんのちょっと前まで女性と話す事もしなかったのに。ちゃんとユリアさんに対して出来てるのかな?と思ったんだよ!」
エディが結構真剣に考えてくれていると感じたトーマス。
「いや、あ、まぁ、そうか。それはすまないな。まぁ、なんで言うか……ちゃんと出来てるとは思う。」
「そうなのか?まぁ、手ぐらいは繋いでるだろうけどさ。どうなのよ……それ以上は。」
「えっ?あ、いや……うーん。」
エディはトーマスの隣に座るとグイグイと肘で突いてくる。
「お前!やっぱり面白がってるだろ!」
エディは素知らぬ顔をして口笛を吹いていた。




