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王宮図書館

しばらくしたある日。


ユリアは馬車で王宮に向かっていた。

隣にはミュゼットとプリアンヌ。


実はミュゼットとプリアンヌ、王都の滞在は既に予定を過ぎているのだが、ユリアの怪我の事もあり延期に延期を重ねていて、実際いつ帰るかは決まっていない。


プリアンヌに至っては、婚約者エディと上手く行っている様で帰りたくないのが本音のようだ。



ミュゼットは楽しそうに話し出す。


「ユリアさん、今回は魔法使いに関しての本を探すのですわね?」


「はい、そうです。でも、今回は本当に申し訳ありません。王宮図書館には貴族の方しか入れないそうでして……。」


「いいんですのよ!わたくし、一回入ってみたかったので!」


プリアンヌは目をキラキラさせながら言った。



王宮に到着すると、エディが迎えてくれた。


「これはこれはお嬢様方。ようこそ!」


エディはわざとらしく騎士の礼をした。


「エディさん。今日はよろしくお願いします。」


「ユリアちゃんの為だからね!ちなみに、悪いけど今日はユリアちゃんはミュゼットとプリアンヌの付き添いって事になってるから。」


「はい!もちろん!分かっています。」


王宮図書館には庶民は入れない。

貴族であっても、それ相応の立場の者からの許可がなければ容易に入れないのだ。

トーマスは公爵家の人間なので、今回は付き添いという形でユリアにも許可がおりた。


生まれてから、王宮に近づいたことも無かったユリア。

その豪華な作りに圧倒される。


「そうだ!エディさん。これ、今日のお礼に騎士団の皆さんに差し入れを作って来たんです。」


ユリアは抱えていた大きなカゴをエディに手渡す。


「差し入れ?うわ!本当に?ユリアちゃん、ありがとう!」


「いえ、そんな大したものじゃないんです。クッキーを沢山焼いたので……。」


ユリアは恥ずかしそうに照れ笑いした。


王宮に入ると、エディの案内ですんなり図書館に着いた。

王宮の図書館は、王宮の庭に建てられいる。


重そうな扉を開くと、そこには沢山の書物が棚に綺麗に並んでいた。

棚の1つ1つは、ユリアの身長の3倍くらいあり

この中からお目当ての書物を探すのは容易ではなさそうだった。


「凄いですね……。」


プリアンヌは口を開けた。


「さて、魔法関係は地下なんだ。行こう。」


螺旋階段を降りていくと、そこは不思議な空気に包まれた場所だった。

ユリアは魔法力が強いので、書物から発せられる不思議な雰囲気に敏感だった。


他の人を見てみると、誰も何も感じていなさそうだったのでユリアは黙っている事にした。


「お兄様。この部屋全部魔法の書物なのですか?」


「そうだよ。ここ全部だ。」


ユリアはゆっくり歩きながら、棚に書いてある書物の種類を見ていく。


すると部屋の奥に、頑丈な鍵が掛かっている戸棚を見つける。

ユリアが近づくと、先ほど感じた不思議な雰囲気はこの戸棚から出ているようだった。


「あの……。エディさん。この戸棚は?」


エディがユリアに近づいて言う。


「ああ、この戸棚は閲覧禁止の本が入ってる。」


「閲覧禁止ですか?」


エディは頷いた。


「なんでも、この戸棚は王宮魔法使いでも偉い人しか見れない伝説の魔法使いについて書いてあるそうだよ?」


「伝説の魔法使い……。」


「とにかく、これは触らないでね!」


「わ、わかりました。」


ユリアはしばらくその戸棚を見つめていた。


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