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プリアンヌがやって来た

街が白く染まる季節、冬がやってきた。


今日は領地から、ミュゼットとプリアンヌがやって来る。

両家の顔合わせの時に、ミュゼットが提案した王都行きが決行されたのだ。


エディは朝起きて宿舎の窓をあげて呟いた。


「はぁ……俺の独身貴族も終わりか。何もこんな冬に来る事ないだろうに……」


エディの妹と自分の婚約者が来るのだ

これからの数日間はおそらく大変なんだろう…とエディはため息をついている。


支度をして、宿舎を出る。

吐く息が白かった。


「寒っ!」


エディは身震いしながら自分の愛馬にまたがり、屋敷に向かう。


到着した屋敷では、使用人達が忙しくミュゼットとプリアンヌを迎える準備をしていた。

何か温かい飲み物でも貰おうと、辺りを見るが使用人のほとんどは出払っていた。

仕方なくエディは厨房に行き、あたたかい紅茶を頼む。


「エディ様!申し訳ありません!」


メイドが慌てて駆け寄ってきた。

エディはいいよ。と手で合図をするとそのまま紅茶を持ち、リビングへと向かった。


紅茶を飲みながら、これからの事を考えた。


まかさ自分が本当に婚約するとは思っていなかったエディ。

エディは昔から女性にモテた。

結婚についても、しばらくは独身貴族で過ごして、ある程度の年になったら少し若い女性をもらえばいいくらいにしか考えていなかった。


そんな自分が婚約だなんて。


「しかもその相手があのプリアンヌか……」


プリアンヌは昔から自分に懐いていた。

子供の頃は年に何回か会っていたが、いつも自分について歩いていたプリアンヌ。


「あいつ、よく転んだよな……」


プリアンヌは少し鈍臭い。

目を離すとすぐ転んで泣いていた。

活動的なミュゼットとは正反対のプリアンヌだったので、よく覚えているのだ。


「この雪だ。転ばないといいけど。」


エディは、クスっも笑い紅茶をひと口飲んだ。



のんびり2人の到着を待っていたエディ。

すると、屋敷が少し騒がしくなった。

気になって窓の外を見てみると、表に馬車が止まっていた。


そこから、ミュゼットとプリアンヌが降りて来る。

エディは少し早足で玄関に向かう。

その時、馬車を降りようとしたプリアンヌが雪で足を取られそうになった。


「おっと!危ない。」


エディは危機一髪のところでプリアンヌを抱きかかえる。


プリアンヌは目を丸くしている。


「大丈夫だったかな?プリアンヌ。」


「は、は、はい!エディ様ありがとうございます!」


プリアンヌが慌てて体を離した。


「気をつけないと。君は昔からよく転んだ。」


ミュゼットはその2人のやりとりを見てニヤニヤしている。


それに気づいたエディはひとつ咳払いをして


「足元が悪いから、2人とも僕に捕まって。」


そう言って、2人に腕を出した。



夜、3人で夕食を囲む。


ミュゼットが目を輝かせ話し出した。


「プリアンヌ様!明日はわたくしのお友達の所に行きませんか?」


「まぁ!お友達ですか?」


「ええ!ユリアさんとおっしゃって、街でカフェをされていますの。お兄様の同僚のトーマス様の恋人ですのよ!」


「トーマス様とはあの公爵家のトーマス・クリムト様ですか?」


「ええ!あのトーマス様ですわ!わたくし2人のキューピットなんですの!」


ミュゼットはそう言って、嬉しそうに笑った。


「まぁ!キューピットですか?それは凄いですわね!それがご縁でそのユリア様とはお友達に?」


「ええ、そうなんですの!とっても素敵な方ですわ!お料理がお得意なんですの。まだわたくしカフェには行った事がなくて。明日参りましょう?」


「楽しみですわ。」


「先に言っておくが、ユリアちゃんは貴族ではないよ?」


その言葉にプリアンヌは驚いた。


「えっ!貴族ではない?トーマス様は公爵家の方なのにですか?」


「ああ。それに貴族令嬢が街でカフェなんて出来ないだろう?」


「そ、それはそうですね。」


ミュゼットはエディの言葉に少し怒りながら言う。


「お兄様!ユリアさんは貴族令嬢ではありませんけれど、それはちゃんとした方よ!それにあのトーマス様が見染めた方なんですからね!」


「おい、俺はユリアさんが貴族じゃないって事を何とも思ってないぞ?しかも!ミュゼットより俺の方がユリアさんには先に会ってるんだからな!キューピットなら俺だ!」


「まぁ!お兄様!わたくしがいなかったらパレードの日の作戦は成功しなかったのよ?」


プリアンヌはそんな2人を驚いた顔で見ている。


プリアンヌには兄がいるが、少し歳が離れている為

兄妹喧嘩というものをした事がない。

プリアンヌはそんな2人が少し羨ましかった。


「あ!それからお兄様!滞在中にハンター様も我が家にお招きしてくださいね?絶対ですわよ!」


「何言ってんだ。それが目的だったクセに。」


「何か言いまして?」


「いや、なんにも。」


2人のやりとりにプリアンヌはただただ黙って目を丸くしていた。






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