意外な一面
その日の夜、食事をしに来たトーマスに、今日アンジェラと買い物に行った事を話した。
「まぁ、母も嬉しかったんだと思うので…受け取ってあげてください。本当は僕がユリアさんにプレゼントしなければならないのに。気がつかなくて申し訳ない。」
トーマスに謝られてしまったユリア。
「い、いえ!私こそ、きちんとしたお洋服を持っていないのがいけないんです。お母様に余計な気を使わせたのではないかと心配で。」
「まぁ、少し買った量が多いですが…。前にも言ったと思いますが母は過激なものですから。驚いたでしょう?」
「あ、は、はい。」
「でも、母も嬉しかったんでしょう。母に付き合ってくださってありがとう。」
「私もご一緒できて嬉しかったですよ!でも、あんなに沢山買っていただいていいんでしょうか?」
トーマスはニッコリ微笑んだ。
「ええ。母からのお祝いだと思って、沢山の場面で着てあげてください。母も喜びます。」
「分かりました。では、ありがたく着させていただきますね!」
「僕もそのドレスを着たユリアさんを早く見たいです。」
ユリアはいきなりそんな事を言われて、少し恥ずかしかった。
昔から、容姿にはあまり自信がないユリア。
正直、あのドレス達を着こなせていたのか疑問だった。
「そう言えば。今日、マグゴナル様の所に伺いましたよ。」
「そうなんですか?」
「ええ。ユリアさんのドレスは順調に進んでいるそうです。マグゴナル様からユリアさんに伝えておいてくれと。」
「そうですか!楽しみです。あっ、でもトーマス様は何故コートおばあちゃんの所に?」
「実は僕もマグゴナル様に作っていただきたい物があって。」
「結婚式は騎士団の礼服ですよね?」
「ええ。」
「じゃあ、何を作るんですか?」
「マントです。真っ白なマントを作ろうかと。」
「わぁ!マントですか!」
「マグゴナル様と相談して、カッコいいのを作って貰いますね。楽しみにしていてください。」
いつも忙しいトーマスも、結婚式を楽しみにしてくれていると思うとユリアは嬉しかった。
「私、トーマス様は結婚式とかには興味がないと思っていました。」
「何故ですか?」
「うーん…何となくです。イメージですけど。」
「正直前まではあまり興味なかってんですよ。でも、ユリアさんと結婚するとなったら…ははは。お恥ずかしい。」
「あ、全然いいんです!むしろ嬉しいです。」
トーマスは、赤くなって照れていた。
照れ隠しなのか、ポンと手を叩いて言った。
「明日、実家で結婚式の打ち合わせですね。昼前に迎えに来ますから。」
「ふふふ。はい。」
クスクス笑いながらユリアはトーマスの腕に抱きついた。




