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大人の階段

今回短めです。


よろしくお願いします!

ユリアに走りながら手を振って

そのまま全速力で騎士の宿舎まで帰ってきた。


自室に入り、ドアをバタンと閉めた途端

急に足の力が抜けてガクッと膝から崩れた。


「あーー!緊張したーーー!」


トーマスは少し震える手を見つめる。

その手にはまだユリアの手の感触が残っていた。


「ついに、やったぞ!俺はやった!」


トーマスは立ち上がりそのままエディの部屋に向かった。


トーマスはノックもせずエディの部屋のドアを開ける。


「エディ!」


「おわっ!!びっくりした!!!」


エディは今まさにトーマスの部屋に行こうと

ドアのすぐ前まで来ていた所だった。

危うく激突する所だったと焦っているエディをトーマスが興奮気味に押して部屋に入る。


「エディ!俺はついにやったぞ!」

トーマスは顔を蒸気させ、ガッツポーズをした。


「やった?やったの?え?早くない?」

 

「ああ、やった!帰り際に!」


「え?帰り際に?際?え?」


トーマスは手を前に出して興奮気味に話す。


「お前に言われた通り、目を見て、手を握ったんだよ!」


トーマスは膝をついて天を仰ぐ。


「………あ、手を握ったのね。」

なんだよ、やったとか言うからびっくりしたぜ。

ま、トーマスにしちゃ上出来か。


「ああ!この喜びは言い表せない!俺、今夜は眠れそうにないからこのまま訓練場行って来る!」


そう言って、トーマスはまた全速力で消えて行った。


「あいつも遂に大人の階段登り始めたか。」


やれやれとソファに座るエディ。


「さーて、これからが見せ場だぞ……」






お城がある街から、馬車で1日ほど走った所に

エディの実家であるブレンダー家が治める領地がある。 

ブレンダー家は、その土地で取れる宝石の原石の採掘を主な収入にして潤っている子爵位の家柄だ。


その豊かな資金を象徴するような、豪華な屋敷の一室でお城から届いた一通の手紙を読む者がいた。


そこにはこう書いてある。



妹よ、お前に頼みたい事がある。

今度、ドラゴン征伐のパレードに来る時力を貸して欲しい。詳しい事はこちらに来てから話すが、お前の力が必要だ。

礼は弾むぞ!

こちらに来た時に好きなものを買ってやるから!

とにかく、パレードには父上と母上とは別行動を取れるようにしておいてくれ!頼むな!


愛しい妹へ  エディより〜



兄からの手紙を読み終わったエディの妹ミュゼットは

その手紙を引き出しに仕舞い、ニコっと微笑んだ。


「メリー!来て頂戴ー!」


すぐにメイドのメリーが部屋にやって来た。


「お呼びでしょうか?」


「ええ!今度のエディお兄様の恩賞式なんだけど、やはりドレスをあと2〜3枚持っていくわ!それから、普段着用にワンピースもお願い!」


「かしこまりました。では、ワンピースは先日新しく届いたものをご用意しますね。華美になり過ぎず、おしとやかに見えるものがよろしいでしょう。」


「さすが、メリーね!」


「ミュゼットお嬢様の事は何でもお見通しでございます。」


メリー、お辞儀をすると部屋を後にした。

これからは文章の長さ調整しながら

書いて行く練習をして行きたいと思います。

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