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最後に書かれた手紙

本作品はフィクションです。

作中の願いを叶えることによる影響に関して当方は一切関知せず、かつ責任を負うことはありません。

君へ。



親愛なる君へ。

この手紙は君に届いているだろう。

私は君に、私の言葉が届いていると信じる。

代筆している人物が、私の言葉を捻じ曲げ、君という信頼する友をいたずらに苛むようなことがないことを願う。


この手紙は、どのようになっているのだろうか。

手紙であるならば、前回までの字体と今回の字体が異なっていることが、君を不安にさせているだろう。

すまないが、既に私は筆を取ることが出来ないほどに衰えてしまった。

こうして語る言葉ですらも、残りの命を削っている。

言葉を、いわんや息を吐くことさえも、今は必死の思いで行わねばならない。


君よ。

これまで私に付き合ってくれてありがとう。

私は病床に臥し、死に瀕して初めて、他者のありがたみを知った。

名も知らず、顔も知らず、決して会うことが出来ない君よ。

出来うることならば、生前に君へと財産を譲りたかった。

名も知らず、顔も知らぬ私に付き合ってくれた君。

優しいという言葉がこの世界にもあるのだと信じさせてくれる君に、一目でいい。

会いたかった。


だが、それは叶わない。

最初の手紙を君が読んでいるとき、既に私は死んでいる。

君という希望が、きっとあるのだと願いながら死んで行くのだ。


君よ。

これが最後のお願いだ。

来月の末日、訪れて欲しい場所がある。

君一人で。

しがらみも金も家も、最早棄てて構わない。

自由で身軽な姿となって、旅立って欲しい。

日本にある笑内という駅を君は知っているだろうか。私にとっては非常に思い出深い土地なのだが、君には全く未知の土地だろう。

そこに来月の末日、22時に待っていて欲しい。使いの者が、君を迎えに行く。

そして、私の財産を受け取って欲しい。

もはや起き上がることの叶わぬ私が、親愛なる友人である君へと残すことが出来る、唯一のものだ。




君へ。

捧げよう。




本作品はフィクションです。

作中の願いを叶えることによる影響に関して当方は一切関知せず、かつ責任を負うことはありません。

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