◆第77話:やりすぎの作戦と開戦の合図
「ちょっとやりすぎよ、ゼローっ!」
後ろに控えていたリアンが、呆れ果てた顔で俺の背中をペシッと叩いた。
「ゼロくん……いくら作戦でも、あれはちょっと……エリザベート先輩、完全に目が血走ってますよぉ……っ」
ウーも杖を両手で握りしめながら、冷や汗をだらだら流して身を縮こませている。
「はは! いいんだよ、あれくらいは! 本当のことだし、それにほら――」
俺はニヤリと不敵に口角を上げると、プッツンと頭の導火線が弾けたドリルツインテ先輩をチラッと横目で見やった。
「――やる気満々になってくれたぜ?」
「ぬあああああッ! 雑種がチラチラと煽るような目を寄せてきますわーーーッ! 絶対に許しませんわよーーーッ!!」
「エリザベート様、お許しを! どうかお鎮まりくださいっ!」「あんな男の挑発に乗っては相手の思うツボですっ!」
ゴードンたち3人が必死になってエリザベート先輩の服の裾を引っ張り、抑え込もうと大パニックになっている。
本来なら隙のない鉄壁を誇る『グランド・デューク』の陣形は、試合開始直前だというのにすでに崩壊寸前だった。
『――両者、構え! ……試合開始!!』
審判の絶叫とともに、重厚なベルの音がスタジアムに響き渡る!
「では――こちらは作戦通り行くぞ!」
俺の鋭い一声に、リアンとウーの表情が一瞬で勝負師のそれに切り替わった。
「了解っ! 一気に崩しにいくよ、ウーちゃん!」
「はいっ! いつでもいけます!」
「聞きなさいゴードン! 前衛の防陣など捨てて、あいつらを一息に叩き潰しますわよ! 私に続きなさいッ!」
指示役の総大将が自ら杖を振りかざして前に躍り出ようとし、残りの3人はそれをカバーしようと大慌てで足並みを乱す。
(よし……完璧に『指揮系統』がイカれたな!)
完全にこちらの誘導に乗った相手に対し、俺たち『ヴォイド・シフル』は完璧なタイミングで初手を繰り出すのだった!
【作者からのお願い】
いつもご愛読いただき、本当にありがとうございます!毎日朝と夜の2回更新を続けていこうと思います。
もし「この先も気になる」「毎日の更新を応援してやるか」と思ってくださったら、画面の一番下にある【☆☆☆☆☆】をタップして星を入れていただけたり、ブックマークを登録していただけると、執筆のモチベーションがめちゃくちゃ上がります!
評価は1項目(面白さ・設定)につき星1〜5個で、いつでも気軽に変更できます。「とりあえず星3つ」でも、作者にとっては飛び上がるほど嬉しいです。これからもよろしくお願いします!




