表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人形になった人間  作者: 妹明
神上エリナ 室式聖華
20/28

本拠地・潜入

 崎守研究所はここから電車で約30分と言う近場にあり、駅からあまり離れていないのですぐに研究所に着いた。

「ここかぁ。デッカ」

なんか、おしゃれな全面ガラス張りの割と高層のビルがそれだった。驚きではある。

「桝井鷹也デスカ?」

人間のような肌をした10代前半の男の子のような姿をしたロボットが首をカク、カクっと一昔前のロボットのような動きで、読む気なんかない本の朗読をするよりも棒読みな声で話しかけてきた。

唾を一度ごくりと飲み、気持ちを落ち着かせようとする。

「ああ。そうだ」

「デハ、コチラヘ。ドウゾ」

カクカク、一つ一つの動きが細切れにされた動きをしながら、ドアへとゆっくりと前進していく。

「お前って、やっぱ創造されし者クリエイティッド・ヒューマンなのか?」

「ハイ、ソノ通リデス」

「シリアルナンバーは?」

「15号デス」

「15……。通りで」

香西朋華や神上エリナ、室式聖華のように、なめらかな動きや喋りが出来ないと思ったら、初期のロボットだからか。

ドアをノックするにもコン……コン。位の非常にゆっくりとしたスピードで、なめらかさとは無縁に生きている。

所有者(マスター)。桝井鷹也ヲ連レテ来マシタ」

「うむ。入れ」

分厚いドアの向こうでこちらの言葉に反応する声が聞こえた。

「失礼シマス」

「おお、待っていたよ。君が桝井鷹也君だね?」

入ると社長室と応接室を合体させた感じで、超気持ちよさそうな一人掛けソファにドーンと、中年くらいのおじさんが座っていた。

メタボリックな坊主頭の目が線の垂れ目で薄く生えた毛は白い、なぁんかラスボスぽっくないって言うか、サンタさんの話とかしてそうなおじさんだった。

その左右には神上エリナ、室式聖華がそれぞれ立っている。

「聞かなくても、分かるっしょ」

「その通りだね。君の話はよく彼女から聞いてるよ」

そう言ってある一点を眺めた。その方向をゆっくり見てみると。

「とっ……」

項垂れる様に俯いてひどく憔悴しきった様子の香西朋華が手首足首をそれぞれ鎖で繋がれていた。

手首の鎖がなかったら、きっと地面に床に倒れてると思うくらい。

「まぁまぁ座りたまえ」

そう言うと、手前にあった応接室にありそうなソファを指して本人も指した方とは反対側のソファに座った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ