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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第三章 四天王編

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第46話 合宿が始まった夜白

 途中、休憩をはさみつつ海辺の町へ向かう。

 といっても、休憩のたびに宇賀神ハンターの大きな体が目立ち、サングラスしていてもまるで意味がなかったけど。

 

『我が王も似たり寄ったりでしたが』

 

 そうなんだ……。思ったより配信の勢いが……しかもマヒルと朝日といるせいでセットで身バレすることが多く、一度休憩で下りたら囲まれてしまった。

 

 以後、トイレ休憩以外は外に出ないようにしていて、楓や和成が買ってきてくれたご当地アイスクリームなどを堪能して過ごしている。

 勿論、お金は払った。

 

「景色きれー!」

 

「海の匂いがする……!」

 

 バスの窓があいて、磯の匂いが飛び込んでくる。

 はしゃぐ女子二人と和成。

 

 楓は半分寝ている状態だ。

 まあ、俺もさっきまで寝ていたので人のことはいえない。バスの振動ってどうして眠くなるのかな。

 

「もうすぐだぞー」

 

 宇賀神ハンターが声をあげて、楓が目を覚ました。

 

「……ね、ていうかいいのかな。国内最強のプロハンターに運転させてて」

 

「……そうだね……でも、ここには……もう一人国内最強がいるし」

 

 朝日と目があって、俺はあくびを止めた。

 国内最強?

 

『むしろ、我が王は地球最強なのでは』

 

 いやいや、それはさすがにないだろ。地球だって広いんだからな。

 海外にもっと強い人はいるだろ。

 

「次のダンジョンでは、ぼくの新しい盾が火を噴くよー」

 

 火炎ガードの盾だからな。文字通り、火を吐くはずだ。

 

「先にバーベキューだよ?」

 

「そうだった」

 

 朝日は楽しみそうだな。

 もうレベルも35を超えているし、アグニラの盾があればE級ダンジョンは余裕だろう。

 

「配信はしないのかい?」

 

 宇賀神ハンターがコーラ片手にハンドルを動かす。

 俺たちは顔を見合わせた。

 

「プロハンターならまだしも、私たちのオフ日を見せても……」

 

「ねえ? 見たい人いるのかなぁ」

 

「見たいのは戦闘シーンなんじゃないんですか?」

 

「マヒルちゃんと朝日ちゃんはともかく僕らは……」

 

 はっはと、宇賀神ハンターが笑う。

 楽しそうだな、この人。

 

 マヒルと朝日じゃないが、S級ダンジョンに潜ったりしなくていいんだろうか?

 しかもギルマスだし。

 

「ドラマや映画のNGシーンとか、インタビューなんかが人気があったりするだろう? 配信者のオフショットも一定数見たいって人間は多いぞ。普段とのギャップかもな」

 

 厳めしい俳優さんがバラエティー番組だと、ほっこりする人柄だったりする感じかな。

 俺には特にギャップなどはないと思うが……。

 

「夜白くんは表立って言えないだけで、魔王アグニラを討伐した栄誉もある。大人の事情で口止めをしてなければ、もっと人気はでるんだろうが」

 

 いや、特に言わないでいいです。

 今の人気で十分にやっていけるんで。

 親やきらりは何も知らないし。

 

『まあ、普通は魔王と聞けば驚きますからな』

 

 バスが緩やかに速度を下げ、有料駐車場でバックしていく。

 到着したのか。

 

「よし、着いたぞー! 荷物を忘れずに降りろよー」

 

 引率の先生のようだな。

 パラソルとテーブルを二セット借りると、一つはすぐ近くに設置してもう一つは宇賀神ハンターが目が届くギリギリに設置する。

 

 まだ五月とはいえ、人ごみはそこそこあったが宇賀神ハンターに流れていった。

 俺と楓で、バスからバーベキューセットを運ぶと宇賀神ハンターから遠いパラソルの側に組み立てた。

 

「配信始めるよー!」

 

 マヒルは清楚なワンピース、朝日はショートパンツに大き目のTシャツでの配信を開始した。

 確かに、ファンは学校の戦闘服しか見てないから嬉しいかもな。

 

 俺は、何の変哲もないウインドブレーカーとカーゴパンツ。多分、何のサービスにもならない。

 それでも一人だけ配信しないわけにいかないので、仕方なく配信ドローンをあげた。

 

「今、いつものパーティーで海にきています。場所は言えませんが、食後はE級ダンジョンの配信もやります」


〇夜白Pのオフショット!

〇めっちゃレア

〇みんなのビジュ、カロリー高い

〇マヒルちゃんと朝日ちゃんも見える~

〇仲良しだ~可愛いい!!

〇E級ダンジョンかー学校のより一段上に挑むわけね

〇いい最終回だった……


 なんか、思ったより反応がいい?

 投げ銭もどんどん飛んでくる中、俺たちはバーベキューを始めた。

 俺は当たり前の顔で、魔肉を焼いていく。先にタレで漬け込んだやつだ。


〇夜白P、ワイルドな肉焼いてるw

〇何肉だろ、分厚……!

〇いきなりの飯テロww

〇俺も海いきたくなったわ

〇同感だが、こんな素敵な仲間はいない

〇ぼっちオタクどうしで夜白くんを語らないか?


 宇賀神ハンターが言った通りだ……。

 

 なんでもない図だけど、結構配信伸びてる。これで午後にダンジョンに行けば、もっと盛り上がりそうだな。

 ……ほどほどでいいんだけど。

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