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彼女 ―桜は光の粒のように― 〜同じ記憶を持つ彼女が、二人いる世界で〜  作者: 雷火
第1章 彼女は少しおかしい

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第16話 見ていた人

その日の放課後。


帰り道。


今日は二人だけだった。


「今日は静かだね」


「そうだね」


会話は少ない。


でも、


それで困らない。


コンビニの前。


彼女が少しだけ見る。


でも、


首を横に振る。


「今日はいいかな」


また歩き出す。


そのとき。


黒い車が横を通り過ぎる。


静かに。


音もほとんどない。


僕は気にしない。


でも――


彼女は、振り返った。


ほんの一瞬だけ。


「どうしたの?」


「ううん」


すぐに笑う。


少し歩いてから。


彼女が言う。


「ねえ」


「うん?」


前を見たまま。


「知らない人にさ」


一瞬、間。


「連れて行かれそうになったら」


空気が変わる。


「逃げられると思う?」


言葉が出なかった。


冗談じゃない。


でも、


真剣すぎるわけでもない。


その中間。


「……どうだろうな」


それしか言えなかった。


彼女は小さくうなずく。


「そっか」


それ以上は何も言わない。


駅の光が近づく。


僕はもう、


さっきの車のことを忘れていた。


――少し離れた場所。


黒い車が止まっている。


車内。


スーツの男。


前を見ている。


「確認できました」


低い声。


「間違いないな」


「はい」


視線の先。


歩いている二人。


「対象を確認」


短く。


「問題ありません」


車は静かに動き出した。


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