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彼女 ―桜は光の粒のように― 〜同じ記憶を持つ彼女が、二人いる世界で〜  作者: 雷火
第1章 彼女は少しおかしい

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第15話 少し変わった毎日

それから数日が過ぎた。


学校に行って、授業を受けて、

昼休みに話して、

帰る。


普通の毎日。


でも、


前とは少し違う。


朝。


「おはよう」


隣から声がする。


それだけで、


一日が始まる感じがした。


昼休み。


他愛もない話。


帰り道。


並んで歩く。


夜。


LINEが来る。


ただそれだけなのに、


前より少しだけ楽しい。


彼女は、よく驚く。


コンビニ。

ゲームセンター。

何気ないことに。


そのたびに、


少しだけ世界が新しく見える。


ある日、


彼女が言った。


「普通って、いいね」


小さな声だった。


でも、


そのあと少しだけ考えて、


続ける。


「でもさ」


「うん?」


「どこまでが普通なんだろうね」


僕は答えられなかった。


彼女は窓の外を見る。


「みんな同じなら安心なのかな」


少しだけ間。


「違ってたら、ダメなのかな」


その言い方は、


軽い疑問みたいで、


でも、


どこか自分に向けているようだった。


僕は少し考えてから言う。


「別にいいんじゃない」


「違ってても」


彼女は僕を見る。


ほんの一瞬だけ、


真っ直ぐに。


「……そっか」


少しだけ笑う。


その笑顔はいつも通りなのに、


なぜか少しだけ、


違って見えた。


放課後。


帰り道。


「今日、寄り道する?」


田中が言う。


でも、


彼女は少しだけ止まる。


「……ごめん」


小さな声。


「今日は無理」


そのあと、


彼女は少し歩いてから立ち止まる。


「ここでいい」


道路の向こう。


黒い車。


彼女の視線が一瞬だけ向く。


すぐに戻る。


「また明日」


「……うん」


彼女が歩く。


車のドアが開く。


乗り込む。


閉まる。


走り出す。


僕は動けなかった。


日常は続いている。


でも、


その中に、


“触れてはいけない領域”がある。


そんな気がした。


本日分、ここまで読んでいただきありがとうございます。

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