第42話「余波」
ヘリに戻る。
機体の中。
静かだ。
さっきまでの戦闘が嘘みたいに。
「……終わったな」
座席に腰を下ろす。
ガルが足元に座る。
神崎が向かいに座る。
「……今回、やばかったな」
「……ああ」
短く返す。
「都市のより、明らかに上だった」
「……融合してたしな」
神崎が苦笑する。
「普通のダンジョンじゃない」
「……分かってる」
窓の外を見る。
山が遠ざかっていく。
「……増えてるな」
「……ああ」
神崎も同じ方向を見る。
「同時発生」
「侵食型」
「融合体」
「……進んでる」
何かが。
「……段階が変わったな」
その時。
通信が入る。
「こちら本部!」
「状況を確認!」
神崎が応答する。
「対象制圧、侵食停止」
「任務完了だ」
少しの沈黙。
「……了解」
だが——
声のトーンが違う。
「……どうした」
神崎が聞く。
「……新たな報告がある」
空気が変わる。
「……何だ」
一瞬の間。
「大規模ダンジョン発生」
「……場所は?」
「——首都圏」
「……は?」
神崎の表情が変わる。
「規模は?」
「……不明」
「ただし——」
言葉が続く。
「これまでの記録を大きく上回る可能性」
「……マジかよ」
ヘリの中が静まり返る。
「……在真」
神崎がこちらを見る。
「行くか?」
即答。
「……行く」
迷う理由はない。
「……だろうな」
神崎が笑う。
「すぐにルートを変更する」
通信が続く。
ヘリの進行方向が変わる。
「……首都か」
これまでとは違う。
人。
規模。
影響。
「……面白い」
ガルが低く唸る。
「……行くぞ」




