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小話★コミカライズ3巻 発売記念★

「お菓子食べたい!!お菓子食べたい!!」


 エルディアの森で、リベルが手をいっぱいに広げながら、シリルに訴える。

 普段なら、エルディアの森の神官達がお菓子をたくさんもってきてくれるのだが、今回エルディアの森とカルディアナを繋ぐ道に魔物が沸くようになってしまい、カルディアナとの物流が滞っているとのこと。


 シリルにしてみればどうせどこを見渡しても荒野なのだから別のルートを突っ切ればいいじゃないかと思うのだが、一応馬車が通れるように、補給ができるようにとルートが設定され、整備されているため、そこでないと輸送が難しいというのだ。


「わがままを言うんじゃないよ。そのうち人間がもってきてくれるだろうさ」


「もう10日も食べてない!リーゼからもらったお菓子終わっちゃった!リベルお菓子たべたい!あまいのたべたい!」


 手足をバタバタさせながら言う、リベルに、シリルはやれやれとため息をつく。

 人間のものを食べられるようになってからリベルは味にこだわるようになってしまった。神官達に供えさせているので別段困ることもないだろうと思っていたが考えが甘かったと後悔する。


(こんな事なら人間の菓子なんて食べさせるんじゃなかったよ)


 我慢はさせてはいるが、それでも一週間くらいが限界で、食べられないと騒ぎだす。


「人間の運路で魔物が現れるようになったらしいからね。護衛が人手不足になってるらしい。もう10日もたつしそろそろ届くんじゃないかね」


「ごえい? ごえいってなに?」


「荷馬車を魔物から守る人間だよ。それがいないと馬車が魔物に喰われてしまうんだ。どうも最近出没する魔物は強いらしくてね。かなりの手練れが護衛につかないといけないらしいのさ。一か月後には討伐隊が出るってはなしだから、それが終われば、もとに戻るだろう。それまでは我慢するんだね」


「その強い魔物倒せば、お菓子食べられる?」


「まぁ、そういうことになるさねって……まさか」


「リベル倒す!運ぶの邪魔する魔物倒す!!」


「ちょ、待ちな!!」


 シリルが止めるが、リベルは猛ダッシュで走り去っていく。

 一瞬で視界から消える速度で駆けていくリベルの背を見送って、シリルはため息をついた。


「……あの子、魔物の場所わかってるのかね」


 鼻が利くといっても、そもそも対象となる魔物の匂いわからないのだ。荒野にいる魔物を手当たり次第撲滅する気だろうか。


「まぁ、飽きたらもどってくるだろうさ」


 シリルは大きくため息をつくのだった。



***



「あ、あ……あ」


 貴族の女性は目の前で巨大なハサミを構えている魔物を前に恐怖でがくがくとふるえた。腕の中には同じく、固まって動けなくなった自らの娘が必死に女性にしがみついている。


 目の前にはサソリのような形をした巨大な魔物が立ちふさがっていた。


 女性はカルディアナに住んでいたのだが、女性の故郷にいる母親が危篤状態だと連絡がはいった。死ぬ前に一目会いたいと、大金をつんで手練れの護衛を雇い、女性の故郷にむかっていたのだ。護衛達があらかじめ魔物を引き付け、別の場所につれていき、安全を確認してから馬車で他の護衛が警護しながら進むという、大規模な警護で、数日前から準備にとりかかる。いままではそれで安全に、渡れたのだが。


「なんでこんなにいるんだよ……」


 女性の隣で血まみれになった護衛の一人がつぶやいた。


 今回はいままでより数が多かった。

 通常なら二、三匹のサソリがくるだけだったのに、なぜか今回は10匹を超えていた。

 馬車は魔物に取り囲まれ、護衛も倒れている状態だ。おそらく魔物を引き付けて遠くに誘導した護衛達もやられているだろう。


「ママっ」


 女性の子がすがるように女性に抱き着き、一匹のサソリがハサミを振り下ろす。

 誰もが絶望したその瞬間。


「お菓子―!!!!」


 リベルのパンチが、魔物を吹っ飛ばした。



***



「なぁ、ファルネ。これやっぱり、リベル様のことだよな」


 神殿で、リーゼが昼寝をしている間、自らの仕事をするため部屋に戻っていたファルネにカイルが話しかけた。カイルの手にはサソリの魔物をぶっとばしているクマのイラストが描かれ、正義のクマ、荒野魔物を倒す。とデカデカと記事になっている。


 記事によると、魔物を倒したあと、お菓子を要求してきたらしい。貴族がお菓子を渡すと嬉しそうに去っていったという。

女の子のインタビューでは「最初怖かったけど、お話してみると可愛かった」とのこと。


「……リベル様ですね」

「これ、やっぱりシリル様に伝えるべきだよな?」

「……そうですね」


 この後このような目立つ形になったことでシリルに怒られるリベルと、『人間がふがいないからこういうことになるんだ!』と、ファルネとカイルもシリルに怒られる図が想像できて、二人ははぁーっとため息をつくのだった。



★★宣伝です★★★


♪♪7月25日 コミカライズ3巻発売いたしました♪♪


これも皆々様の応援のおかげです本当にありがとうございます!!!

何卒何卒よろしくお願いいたします!!


★岸本先生の素敵美麗表紙♪★



挿絵(By みてみん)


■リーゼ&リベル&シリル聖女三人組!!

 リーゼとリベルが凄くかわいくてシリルさんが美人です!

 ホンワカした感じと血のついたアンバランスさが素敵です!!


★★★


挿絵(By みてみん)


■みんなにドン引きされる問題シーンも素敵に描いていただきました!!戦闘シーンの画力が凄いので是非是非読んでいただけると幸いです!


★★★


挿絵(By みてみん)


■ホンワカシーンも可愛く描いていただきました!リベルもトレント三人組もかわいいし、シリルの困り具合も漫画でめちゃくちゃかわいく描いていたいてます!!

 岸本先生の残酷シーンとホンワカシーンのかき分けがすごいので読んでいただけると本当に嬉しいです!


■小説版より500000倍面白くなっておりますので何卒何卒よろしくお願いいたします!!!!


♪3巻発売できたことに大感謝です(>人<)♪


★現在小説書いてます!いつもの主人公頭おかしい&ひたすらざまぁのテンプレお話です!現在6万字まで書けてますので、ちゃんと結末を綺麗にまとめられる目途がついたらアップする予定なので、もしそのときはお付き合いただけると幸いです!!★


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