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帝国の栄華  作者: ロンメル
第二次世界大戦
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そのころ俺は満州の平原に来ていた。理由は新戦車のテストの為である。日本は六式重戦車をもって重戦車開発を中止し、今後の戦車開発は偵察、空挺用の小型戦車とあらゆる戦場で使える主力戦車、対戦車戦闘に特化した駆逐戦車の三本に絞ることを決定した。今回はその全ての車両のテストを行うことになっていた。テストといっても既に生産に移されており、確認くらいの意味合いだった。俺は前もって各車両の設計図を手に入れていた。軽戦車は全ての面の装甲が10mmと薄く当然軽い。わずか9tである。そして火力が高く背が低い。車体前方にエンジンと操縦席があり車体後方が凹んでいてそこに砲塔が取り付けられた。主砲は三連発75mm榴弾砲で機関銃座などの陣地の他に成形炸薬弾を使って装甲目標にも打撃を与えられた。主砲弾はエンブロック式クリップで三発ごとに装填される。二発目と三発目の装填は機械がやってくれるのだ。

「閣下、第一車両が走り始めます!」

試験項目は最高速度、航続力、火力の三点だった。整地走行では時速61.9kmという速度を、不整地でも時速42.6kmを出した。火力はアメリカのH1モンスターには側面からでないと貫通は難しいが成形炸薬弾も榴弾も首脳陣を満足させるには十分で航続力も1000kmはエンジン交換なしで走れた。

続いては主力戦車である。武装は五式中戦車と変わらない105mm戦車砲だが防御力を上げるために車体前方には楔型装甲、車体横と後方は45°の傾斜装甲にし、砲塔は丸餅のような形とした。外見はis3の車体にT-54の砲塔が乗っているように見える。更に後付けで成形炸薬弾対策として車体側面と後方、砲塔の側面と後方にシュルツェンを備えることも出来た。シュルツェンを装備していない時の重量は44.2t、足回りはクリスティー式であった。この装甲の強化はセンチュリオンの劣化版コピーとしかいえない五式中戦車から防御力を格段に上げた。又車体底面を2重にして地雷への耐久性を高め、エンジンを車体前方に配置し、乗り込みハッチ以外にも車体後部に緊急用ハッチがあるなどメルカバを参考に乗員の安全を第一に考えた結果として従来の戦車とは違うものが生み出された。乗員配置は車体に操縦手、砲塔に車長、砲手、装填手の計四名で副武装として6.5mm汎用機関銃一丁を主砲同軸に備え、砲塔上部に車長用の旋回12.7mm重機関銃一丁を備えた。試験の結果、整地で時速46km、不整地で時速27kmというそれなりの速度と五式中戦車で確認された105mm砲のそれなりに高い攻撃力、そして特筆すべきは防御力だった。鹵獲したM4シャーマンの76.2mm砲では側面ないし後面から300m以内でないと貫通不可、パーシングやパットン、改良型シャーマンの90mm砲では正面から200m、側面及び後面は500mでないと寄せ付けなかった。しかしこれは車体の話であり砲塔はもっと厚く、90mm砲であっても零距離射撃で抜ける可能性があるといった具合である。だがモンスター重戦車の127mm砲では車体正面を700mから、側面と背面は900mから貫通されてしまうが砲塔は150m以上では貫通を拒んだ。走攻守のバランスの取れた戦車であり陸軍首脳陣はこの結果にいい意味で期待を裏切られた。

駆逐戦車はsタンクのような設計で砲は128mm戦車砲を車体に完全固定とし、乗員は車長、操縦手兼砲手、装填手の三人で特筆すべきは主力戦車と同じくエンジンを前方において後方の扉から出入りする設計になっていた。全高2mという低さは車体を隠すのに十分すぎた。

「閣下、駆逐戦車が現れました。」

俺は探したが見当たらない。

「え?どこにいるんだ?」

そういった瞬間に轟音が轟いて先程まで草むらだったものが動き始めた。完全に騙された。そして128mm砲弾を受けたトーチカは跡形も無く吹き飛んでいた。この駆逐戦車も採用された。

これらで新編成された第六二機甲師団を核とする第八一軍はアジア鉄道で中東まで送られて、そこからトルコ、ギリシャ経由でオーストリアへ送られた。砲弾と銃弾はドイツ軍と同じものを使っているため融通がきき、ドイツ軍が補給を担当することを約束したためヨーロッパに派遣された。

第八一軍は第六二機甲師団、第六三機甲師団、第八四機甲師団、第七一機械化歩兵師団、第七二機械化歩兵師団、第五砲兵師団、独立混成旅団から成り立っていた。全ての師団は新編成の2608年式師団でありその編成は

戦車連隊×1

機械化歩兵旅団×2

対戦車大隊×1

自走砲兵連隊×1

自走対空大隊×1

工兵大隊×1

偵察大隊×1

管理大隊×1

修理大隊×1

補給大隊×1

師団本部

となり一個戦車連隊には定数で計190両の主力戦車を備えていた。又これに対戦車大隊に駆逐戦車が45両と偵察大隊に軽戦車が15両と重装甲車と軽装甲車が合わせて15両あり、自走対空大隊に10cm高射砲搭載の自走高射砲が8両と連装式の20mm機関砲を備えた自走高射機関砲が18両装備された。

又機械化歩兵師団は

機械化歩兵旅団×2

師団砲兵連隊×1

偵察大隊×1

工兵大隊×1

対戦車大隊×1

通信大隊×1

自走対空大隊×1

補給大隊×1

で成り立った。


第八一軍の初陣はイタリア軍が制圧してギリシャとの前線になっていたザクレブの奪取を目的としたオリンポス作戦だった。まず攻撃地点にギリシャ空軍の約2割の作戦機を投入してヴェリカゴリカからザクレブ、サモボルを結んだ地域を集中爆撃し、続いて砲撃を行う。その後に第八一軍が複数箇所に突破口を開いてギリシャ第二軍、ギリシャ第三軍がその突破口を開きながら約40kmに渡る前線に波状攻撃を仕掛けてそこに敵の予備兵力を拘束する。その間に第八一軍がザクレブを解放するという典型的な縦深攻撃であった。11月8日未明、ギリシャ空軍の爆撃と同時に砲撃が始まった。戦略爆撃機と重砲が絨毯砲爆撃を行った後に戦闘爆撃機や急降下爆撃機が個別の小目標を破壊した。

「よし、前進!」

戦車隊が敵の防衛線に向けて前進した。イタリアはベネチア軍団をザクレブ防衛に割いていた。だが軍団主力はウィーン市街戦に転進しており数少ない兵力で迎え撃った。だがイタリアにも秘策があった。ザプレシチに配備されていたロマーナ独立重戦車大隊が出撃した。


装備されたP49重戦車は大きな箱型砲塔に軽巡の13cm砲を流用した主砲を搭載した。車高は高く、装甲もいまいちだが魚雷艇のエンジンを流用したため56tの車重ながら最高時速48kmを記録した。ロマーナ独立重戦車大隊はサバ川を挟んで第六二機甲師団と遭遇した。先頭を進んでいた小隊は四両全て同盟軍の八式主力戦車によって一方的に撃破された。だがこれで同盟軍も発見された。しかし遠距離から駆逐戦車の128mmによって最後尾もやられて進むことも退くこともできなくなったP49は大隊45両のうち一方的に27両を撃破された。しかしP49も意地を見せて八式主力戦車3両を仕留めた。だが結果として第六二機甲師団はサバ川を渡河してザクレブ市内に突入した。これによりイタリアのベネチア軍団は包囲された。結局ベネチア軍団は作戦開始から3日で瓦解して散り散りに退散した。更にギリシャ軍と第八一軍はトリエステからウディネへと進出してイタリア軍の補給路を寸断しようと試みたが流石に補給も続かなくなり、断念した。


そして初の本格的なイタリアへの空襲が開始された。マルセイユに行われていたルフトバッフェの空襲はフランス空軍の本土部隊が壊滅し、マルセイユも瓦礫の山と化したためルフトバッフェはマルセイユ空襲をやめてカンヌの基地からローマに大空襲を行った。ローマのイタリア政府もルフトバッフェの攻撃の矛先がイタリアに向くであろうこと、ひいては首都であるローマに空爆が行われることは理解していた。そのためローマには空軍近衛戦闘機隊、空軍近衛高射師団、陸軍二個高射砲連隊、陸軍三個軽高射砲連隊、空軍ローマ対空機関砲連隊、陸軍二個機関砲連隊が待ち受け、カンヌとローマの間にあるコルシカ島にはフランス第七戦闘機連隊が待ち構えた。60mm軽高射砲、90mm高射砲、そして特筆すべきはMk39をイタリアのオートメーラー社が改良した127mmの高角砲だった。それらの対空砲が中~高高度を警戒し、低高度はブレダ社のM35機関砲が守った。レーダーもコルシカ島に据え付けられていた。ルフトバッフェはRAFと協議し、1週間に及ぶ昼夜連続爆撃作戦、スルト作戦と名付けられた。北欧神話の炎を身にまとい全てを焼き尽くす巨人の名前をつけた作戦には昼間爆撃を担当するドイツ空軍戦略爆撃機800機、夜間爆撃を担当するイギリス空軍機1200機、護衛する戦闘機はジェット機レシプロ機合わせて500機、撹乱や偵察、先導を担当する双発軽爆撃機が24機任務についた。指揮するのはドイツ空軍のグライム元帥だった。

もうすぐ終盤です

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