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帝国の栄華  作者: ロンメル
第二次世界大戦
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1948年3月、戦況は連合側にとって最悪なものだった。二月末にパリから40キロほどしか離れていないドルーにて同盟海兵隊旅団がフランス陸軍と戦闘を行いフランス軍は辛勝したものの首都のすぐそこまで日英が迫っていることを突きつけられた。ドイツ軍もベルギーを経由してすでにランスまで前進してきた。イタリア戦線でもドイツ軍の反攻が始まっていた。アフリカ戦線ではエジプトに度重なる攻勢作戦を行うもエジプトを完全には制圧できずにいた。そればかりか水不足も深刻になり始めていた。中東でもイラン軍は最終防衛線の外側は遊撃軍とするなどなりふり構わない手段を取らざるを得ない時点にまで追い詰められていた。このまま行くと世界は日独英が取り仕切ることになる。それを危惧したアメリカが遂に三方面作戦であるビッグウェーブ作戦にゴーサインを出した。インド洋、大西洋、太平洋の三戦線同時攻撃だった。同盟もアメリカ大陸に多数の諜報員を送り込んでいたがこの事態を察することはできなかった。その陣容は

太平洋戦線

司令官

チェスター・ニミッツ

参謀長

フェリックス・スタンプ

マリアナ攻略隊

リッチモンド・ターナー

海兵隊六個師団

第六任務部隊

戦艦二隻

空母二隻

軽空母八隻

マーシャル攻略隊

ホーランド・スミス

海兵隊2個師団

陸軍1個師団

第三二任務部隊

戦艦二隻

空母二隻

軽空母六隻

ニューギニア攻略隊

マッカーサー

海兵隊2個師団

陸軍12個師団

第一六任務部隊

戦艦四隻

空母八隻

軽空母十二隻

台湾攻略隊

サイモン・バックナー

海兵隊6個師団

陸軍20個師団

第四二任務部隊

戦艦四隻

空母八隻

軽空母四隻

開戦直後に目標地点の制空権を奪取して素早く航空攻撃と艦砲射撃を行う。大体三日前後攻撃をしたら上陸する。といった流れが各部隊に通達されていた。台湾に迫る部隊は比軍と合流して台湾に迫った。幾度も領空侵犯をしてようやく日本空軍のローテーション時間を割り出した米比軍は三月七日朝のローテーション直前に領空に入った。二式大艇も交代時間であり、暫く発見されずに艦載機を送り出した。台湾に攻撃編隊が向かった時に二式大艇の電探に発見された。直ちに二式大艇は通報したが時既に遅く日本側戦闘機が飛び立ち始めた時に米比軍航空隊が来襲した。半地下式の対空砲火が偽装ネットを取り払う前に電探と飛行場に攻撃を集中して電探を破壊した。新式の五式一〇センチ高射砲も電探が無ければ意味はなく沈黙した。機関砲は盛んに撃ちあげていたがこちらも電探情報がない為精度に欠けていた。飛行場も滑走路と地上格納庫の機体は破壊された。栗林将軍は着任以来度々実施した避難訓練の要領で憲兵と警察が主導で台湾北部へと民間人を避難誘導した。同時に上陸に備えて陸軍と海兵隊には総員配置、空軍には滑走路の復旧を命じた。その日の午後からは艦砲射撃が始まり地上のものは吹き飛ばされた。輸送船からこれを見ていた上陸部隊は台湾南部はピクニック、北部から戦闘と楽観的だった。

「行きましょう。」

栗林将軍が車に飛び乗ると部下がエンジンを入れて地下道を南部指揮所目掛けて車を走らせる。台湾には台北の総司令部と南の前線指揮所があった。栗林将軍は南部指揮所にて防衛作戦の前半戦を指揮することに決めていた。

一方東京では緊急閣議が行われた。米国からの宣戦布告文章が外務大臣たる松岡洋右に手交されたのが一時間前、攻撃開始はその十五分後であった。

「皆も知っているとは思うが遂に対米戦が始まった。現在敵により台湾、マリアナ、マーシャル、そしてニューギニアが攻撃されている。」

俺の口調も重い。

「失礼ながらよろしいでしょうか。」

陸軍大臣の阿南だ。

「なんだ。」

「はっ!同盟陸軍はその主兵力をイラン戦線に派兵しており、太平洋に戻す迄には時間がかかります。しかしここでイランを攻めきらねば敵の逆襲も考えられます。とりあえずイランを屈服させ、スエズ運河の安全確保とアフリカの同盟軍への補給を行ったら陸軍を戻しましょう、対米反撃はそれからでしばらくは中東戦線に力を注ぐべきです。」

「待たれよ阿南陸軍大臣。」

米内海軍大臣が立ち上がった。

「我が国の主要な石油の輸入はインドネシアに頼っている。米軍は比島を制圧しているためこのままではシーレーンが断たれてしまい干上がります。その為にも太平洋の安全を確保するのが優先では。」

「ならばここまで追い詰めたイランをこのまま見逃せというのか!そもそも空軍の防空隊がなんとかしていれば不意打ちくらって稼働機が減少なんてことにはならないはずだったのに。」

「それはお門違いというもの、そもそも陸軍がイラン戦役のために空軍に多量の出兵を依頼していなければこのように防空網が穴だらけにならなくてすんだ!」

「いい加減しろ!」

俺は怒鳴った。

「ここで責任の話をしていても先に進まん、現状をどうやって打開するべきかだ。ここで提案だがいっそのことマリアナ、マーシャルは放棄して台湾、ニューギニアを守る方針でどうだ。」

「二正面作戦ですか。戦力の集中の原則に反します。」

「では、阿南陸軍大臣に聞くがたった一戦線でしか戦ってない国があるのか。ないだろう。アメリカとフランスとイランは三正面作戦、イタリアとスペインは二正面作戦、ドイツは三正面作戦、イギリスも二正面作戦を強いられているのだ。苦しいのは世界中どこも同じだ。中東戦線では陸主海従、太平洋戦線では海主陸従でよいな。」

「ははっ!」

「で、どうする。」

「はい、錦江湾に軽空母の隼、鳶が停泊していました。駆逐艦四隻と合わせてとりあえず台湾に殴りこませます。ニューギニアはオーストラリアに任せる方針でどうですか。」

「台湾には正規空母が六を超え、戦艦も確認されています。無駄な突入になるのでは。」

空軍側から批判が入る。

「いや、夜間に乗じて接近し薄明攻撃を仕掛け、台湾将兵にまだ孤立していないと思わせます。又マリアナには小笠原航空隊の海空軍が総力をあげた爆撃を仕掛けます。」

「なるほど、異論はあるか。」

「いえ、ありません。」

異論が出なかったので会議を閉じた。日本全体が重い空気となった一日であった。

三日間続いた艦砲射撃と爆撃によって南部の地上には生き物がいないのではないかとまで言われていた。そんなカナン平野に敵兵が上陸用舟艇で向かってくるのを南部指揮所から栗林は双眼鏡で見ていた。電探はなんとか復旧させた。上陸用舟艇から兵士が吐き出され浜辺を埋め尽くす。一番浜辺に近いのは機関銃陣地だった。今や米海兵の白目が見えるまで近かった。

「浜辺を埋め尽くしたら攻撃開始だ。」

栗林は近くで攻撃を進言する幕僚にそう語った。米軍は海岸をなんの反撃も無く確保すると南台湾には兵力が残っていないと見て内陸方向へと踏み出そうとした。やがて戦車の上陸も始まると静かに栗林は命令を下した。

「第一次隊、撃ち方始め!」

無線を通して伝えられたその声に反応してまず浜辺の機関銃陣地から毎分1200発の速度を誇る汎用機関銃が撃ち出された。至近距離からは機関銃、近距離からは81mm迫撃砲、中距離では多連装ロケット砲、遠距離では15cm加農砲が火を吹いた。事前に訓練されていた部隊の砲撃は浜辺に炸裂し、次々と米兵を肉塊へと変えていった。又ガランビにいた海軍砲台も対艦電探統制で沖合の輸送船をめがけて発砲した。戦艦の主砲を流用したこの砲台からの砲撃は弾薬輸送船や食料輸送船に命中し、次々と炎上させた。慌てた米比艦隊はガランビの砲台を突き止めると大砲撃を行った。しかし厚さ10mのコンクリート天蓋を貫通できる砲弾はなく、逆に巡洋艦に損害が出た。カナン平野上陸には必然的に砲撃支援を行う艦艇はガランビ砲兵隊の射程圏内に位置せざるを得なかった。軽巡ルソンは大破され、重巡フィリピンは撃沈された。戦艦陣とて無事ではなくアリゾナが中破に追い込まれた。艦砲射撃が弱まった沿岸陣地では第二次隊が攻撃を開始した。第二次隊は至近距離の歩兵は撤退したため至近距離攻撃は擲弾筒と重機関銃が中心だった。近距離からは128mm対戦車砲が火を吹き中距離では105mm中榴弾砲、そして遠距離では155mmの重榴弾砲が発砲した。大口径榴弾と対戦車砲の組み合わせは完全に需要にそって次々と歩兵、戦車を撃破した。しかし艦砲射撃が衰えたといっても艦載機やフィリピンから飛びたった航空機は発砲した陣地に爆撃を集中した。ガランビを諦めた米比軍の攻撃で結局上陸を許してしまった。しかしこの日の日没までの米比軍の損害は陸上で死傷者5000を出し沈没艦艇は輸送船5、重巡1、軽巡1が大破し、戦艦1をはじめとする各種艦艇も損害を受けていた。

「報告します。本日日没までの敵軍の死傷者は四千名を超えると推定、当方の被害は百ばかりと少数の特火点のみであります。」

伝令が嬉しそうに電信室から南部指揮所へと走ってくる。

「そうか、初戦にしては上出来だ。本日夜の例の部隊は用意してあるか。」

「はっ!万端であります。」

「よろしい。米兵を眠らせるなよ。」

「はっ!」

伝令が駆けていく。第一特別夜戦歩兵中隊、夜間の襲撃に特化した部隊だ。赤外線照射装置を持った兵士が各分隊に一人いてすべての兵が赤外線ゴーグルを装備していた。彼等は南側から無声で米軍の哨所の間をすり抜けて弾薬などの物質置き場に到達するとそこに爆薬を仕掛けて再びもとの突撃発起点に退却、爆発と共に目覚めた敵部隊を赤外線暗視装置を使って機関銃でなぎ倒した。夜間航空攻撃も同時に行われた。六式陸攻十二機が七式艦戦十六機と共に敵艦隊に雷撃を仕掛けた。超低空を飛行し電探に引っかからずに接近し、電探と夜間暗視装置で照準を定めると魚雷を放った。艦種不明だが電探反応と観測所によると撃沈七、撃破三だった。他にも迫撃砲が時折砲撃を加えたりと安眠妨害は徹底された。翌朝から米軍は更なる物質の上陸と予備部隊として待機していた陸軍第八軍団を揚陸、海兵隊第二軍団はガランビの日本海軍対艦砲台に向かった。先鋒の第九海兵師団は日本軍重戦車の前に前進を止められてしまった。第十八独立重戦車大隊の第二中隊所属第一小隊が有する四両の六式重戦車が茂みに隠れて米軍を待ち伏せしていた。

「目標、敵戦闘のM4中戦車。撃てッ!」

ガウン!128mmが放たれた。先頭のシャーマンは砲塔が吹き飛ばされその場に停止した。

「次!早く撃て!」

車体が低い六式は発見が用意ではなく道を進んでいた米軍機甲部隊は128mm砲の餌食となった。一方的に屠られ六式を発見できなかった米軍は一旦撤退、フィリピンより押し寄せた戦略爆撃機80にこの付近を絨毯爆撃させた。けれどその時には空襲警報を受けて重戦車は地下掩体壕に対比していた。地下式の観測所から再びの敵部隊前進が伝わると再び地上に姿を現した。茂みも焼き払われていたため米軍とは2km離れてお互いが発見した。

「撃てッ!」

砲塔内に薬莢が排出される。

「次!装填!撃てッ!」

M4シャーマンの76mm砲では正面を0距離でも撃ち抜けず側面、後面でも300m以内でないと貫通不可能だった。逆にこちらの128mm戦車砲は2km先からシャーマンの正面を打ち抜けた。道にはシャーマンの残骸がぶちまけられていた。海兵隊の支援要請を受けた艦載機が出撃したが復旧した電探からの情報を頼りに高射砲や機関砲が弾幕を張った。再び戦車は掩体壕に潜り砲塔だけ出して反撃した。空襲が止むと地上に出てきてシャーマンを撃ちまくった。その日米軍は約40のシャーマンと60のトラック、2000あまりの損害を南部で出したが日本側の損害は高射砲二門のみであった。北部でも大した前進もできずに終わった米軍に日本軍は夜間に突撃準備砲火と思わせる大規模な砲撃を行った。何ヶ所かでは近距離で擲弾筒攻撃も行われた。米軍が夜襲を警戒していても日本軍の突撃は無かった。燃料を補給した軽空母二隻が錦江湾を出たという情報は栗林にもたらされていた。上陸から三日目、今度は三方向から重戦車四両を囲む作戦に出た連合軍は更なる損害を出すことになった。物資を揚陸している輸送船に36cm砲が襲いかかり物資の補給は行き渡っていなかった。そんな中の攻撃は重戦車によって再び頓挫した。しかしここで重戦車も燃料が尽きかけていた。重戦車小隊は補給しようとしたが既に南部では砲弾も欠けている有様でとても補給どころではなかった。各車両に徹甲弾二十発、榴弾四発のみしか補給できずに夜間出撃した。翌朝に米軍キャンプを奇襲した。横田少尉は戦車隊がいるとは知らずに小さな村に入った。村の中には二十両ほどのH1モンスターがいた。

「クッ、撃て!」

あわてて米軍戦車隊が乗り込むが一両にも反撃を許さずにすべてを撃破した。しかし奮戦もここまで、更なる重戦車四十の襲来で弾薬の不足もあってたった四両で一個師団を二日も足止めした重戦車小隊も全滅した。重戦車が居なくなったガランビの砲兵隊陣地前では日本海兵隊一個連隊が地下壕に篭って米軍を寄せ付けなかった。米陸軍は台北を目指していたがこれも第一防衛戦で食い止められていた。上陸四日にして米軍はほとんど制圧部分を広げられなかった。

感想お待ちしています。どしどしお願いします。日本海軍新鋭戦艦、空母の艦名の候補をあげてください。待ってます。

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