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異世界召喚された勇者たちののんびり気味逃亡旅  作者: 邑雲
第三章:ダンジョン攻略
37/207

32.テントを守れ


そんなわけでステータスの確認をすることになった。

まずはアキ兄さんから。



名前:アキ(狭山 茜)

年齢:14

性別:女

LV:7(あと621)

職業:料理人

HP:134/175

MP:82/140


スキル:料理LV8(あと27) 剣術LV5(あと479) 体術LV5(あと497) 従魔術LV5(あと241) 生活魔法LV1(あと100) 状態異常耐性LV4(あと321)

テイム:エレメンタルスライムLV148

権能 :倍化



「レベル上がってるんだが???」

「言ってなかったっけ…?」

「言ってねえんですよ」

「これ絶対ボス戦の前ですよね。剣術と体術はボス戦でかもしれませんけど」

「まあ、アキ兄さんガンガン戦ってたからなあ」

「そうだね、主力レベルで戦ってたもんね…」



思えば、2階層のライビから始まり、3階層のスライム、4階層のアンデッド…活躍してない階層がほとんどない。

そりゃ経験値ガンガン溜まるわ、と思った。剣って使い勝手のいい武器でもあるもんな。



「ところでさ、生活魔法って何?」

「簡単な家事の魔法が使えるはずです。一部被ってそうですが、『灯火』『乾燥』『洗浄』などですね」

「料理の火種、洗濯もの乾燥、丸洗い…なるほどね」

「なるほどか?一応火属性とか水属性の魔法なのかそれ」

「そうですね、よわーい属性魔法です。属性に適正がなくても生活魔法くらいなら使えるそうですよ」

「どっかに適正あったら別の属性の魔法スキルが生えるかもなー」

「今使えそうなのって『灯火』ってやつだけっぽい。でもカーくんにいると小さい火とかいらんしなあ」

「外で食べることもあるでしょうし、その時使うのでは?」

「それもそっか」

「ところで、剣術と体術、何か覚えた?派生」

「どっちも『強撃・微』だった」

「ああ、力込めてちょっと強い攻撃にするやつか」

「一瞬の溜めがいるやつですね。乱戦時には使いづらいですが、かなり有用です。衝撃波にも乗りますし」

「はーん?アキ兄がますます頼りになるようになったってことでよろしい?」

「よろしいと思います」

「じゃあ次リオ兄さんで」

「ういー」



名前:リオ(村雨 涼)

年齢:14(24)

性別:女

LV:6(あと122)

職業:道具技師

HP:97/120

MP:511/600


スキル:無機物干渉LV8(あと97) 蹴術LV4(あと233) 護身術LV4(あと384) 投擲LV3(あと49) 状態異常無効 魔術無効

権能 :空間作用



「レベルアップ直前のがあるなー」

「てか護身術上がってない?」

「ボス戦中に上がった。派生は『回避補正・微』だった」

「回避か、いいじゃん!てか、ウベルフの攻撃避けてたけど、あれって」

「うん、多分効果出たかな」

「リオ兄さんのしぶとさが上がりましたね」

「しぶとさ…」

「てか無効が強すぎなんよ。レベル上げの必要がないスキル2つもあるってどういうこと?」

「どうと言われても…」

「判断力もそれなりですし、リオ兄さんって大抵のことから生き延びれそうですよね」

「そんなこと言ったらまた無茶しかねないからお兄ちゃん許しません」

「そうでした」

「………」

「次、ナズ見ようナズ」



名前:ナズ(波川 静)

年齢:14

性別:女

LV:6(あと157)

職業:服職人

HP:118/132

MP:74/120


スキル:被服LV8(あと41) 鞭術LV4(あと52) 風魔法LV1(あと100) 従魔術LV5(あと249) 状態異常耐性LV4(あと213)

テイム:ヴェノムタランチュラLV47

権能 :伝達



「あ、こっちもレベルアップ間近のがありますね」

「テント作成のこともあるし、明日あたり上がりそうじゃね?」

「鞭も結構経験値溜まってる。いっぱい牽制してたもんな。助かったよ」

「なあ、俺、鞭使うナズに風魔法って凶悪になる気配察知してるんだけど」

「言われてみればそうですね。振るった直後に軌道修正、みたいな…?」

「レベル上がったらヤバいことになりそう…」

「何想像してんの!?」



名前:ハル(林 千晴)

年齢:14

性別:女

LV:6(あと221)

職業:諜報員

HP:79/108

MP:64/132


スキル:隠密LV8(あと423) 短剣術LV3(あと19) 投擲LV3(あと34) 状態異常耐性LV2(あと185)

権能 :分身



「あー、こっちもレベルアップ直前のが!何だお前ら惜しいな!もう一戦くらいする!?」

「上がらないなーとは思ってましたが、直前でしたか…」

「ハルめっちゃ戦ってたもんなー」

「その針腕輪あるし、試す意味でもちょっと外の魔物と戦ってみれば?」

「針腕輪…?」

「針が散りばめられた腕輪っぽい」

「リオくんのネーミングセンス…」

「ごめんて…」

「でも実際に使ってみるのはいい案かも」

「そうですね。MPもまだ余裕ありますし、近辺で戦ってみますか」

「リオくんとナズも行っといで。こっちもあとちょっとじゃん」

「そうだな、僕も投擲が上がりそうだし」

「あたしは鞭かあ。全員牽制ばっかにならん?」

「ハルが攻撃できるから大丈夫だろ」

「てか基礎レベルもあとちょっとじゃん。次のダンジョン行く前に上がるといいけど」

「うーん、確かに。初日にレベルアップしてHPとMPが減った状態になったまま進むなんてやりたくない」

「そっか、レベルアップするとHPとMP20くらい増えるもんね。そしたら20減った状態で進むのか。確かにやだな」

「全員レベル7にしときたいですね。私がちょっと遠いですけど」



そんな感じで、少しカーくんを走らせ、魔物がいそうな場所に移動した。

そこでウベルスやスライム、たまにヂュン(雀?)相手に戦い、スキルレベルが上がった。ていうか誰だよこんな名前つけたの。可愛くねえな。

投擲が4になって『射程強化・微』が派生、鞭術が5になって『強撃・微』が派生、短剣術が4になって『耐久消耗減少・微』が派生した。

ハルが『耐久消耗減少・微』を覚えた時に男らしいガッツポーズしてたので、これが一番嬉しかったのかもしれない。この子、美少女の自覚あるんだろうか。

アキ兄さんは一旦不参加だ。いつでも手助けできるように控えてたけど。

何か後方兄貴面してた。



「あとは、アキ兄さんとリオ兄さんとナズ姉、スキルレベルアップしそうですね」

「あー、料理と無機物干渉と被服のスキルな。これ戦闘あんま関係ないし、カーくんの中で地味に上げるか」

「基礎レベルどうする?三人ともあとちょっとじゃん」

「どうせ森に採取行くだろ。ハーブとかキノコ目当てで。そん時に魔物と戦えばよくないか?」

「それもそうか」



ハーブやキノコは地球産のは召喚リストに出たらしいけど、この世界特有のものはまだ出てない。

なので定期的にアキ兄さんは採取に行きたがるのだ。ちょっとの違いだけど、気分によってそのちょっとが大事。これが飲みたい食べたいが出る、というのが言い分だ。

料理は全面的に任せてるので従っておく。

まあ確かに微妙なクセがあるので、それが恋しくなることは確かにある。

次の目的地は例の食材が大量にドロップするダンジョンの予定だ。そこに着くまでにレベルは何とか出来ればいいだろう。

ここは初心者用ではあるけど、食材ドロップがありがたいので結構人気のダンジョンらしい。



「…絶対、テントの出番、ある気がするなあ…!」

「セーフティゾーンに冒険者いそうだよな」

「完成できる?」

「それは問題なし!でもなあ…カーくんにどうにかして移動できる方法とかがさっぱりでさあ…」

「つか、結界的な力の方が重要じゃないか?テントどうにかされたらヤバいし僕ブチ切れると思うぞ。ナズとラテが頑張って作ってくれてるやつだし」

「リオくんも骨出したのに…」

「それは召喚でポンと出したからいくらでも代わりはある。でも幕はそうじゃない」

「うーん…」



カーくんの中に入って、全員で考える。

今日中に考えなきゃいけないものでもないけど、日を跨いだところで思いつくかなあ…



「テントからカーくんへの移動は何とかなるかもだけど…」

「そうなの!?」

「リオ兄さん、空間転移できそうなんですか?」

「いや、無理。だから反則技だけど…ラムの空間魔法で移動出来たらって思ったんだけど」

「ぷ?」

「…あ!そういえば空間魔法持ってた!」

「忘れてた!」

「カーくんの中に何か目印になるようなもん置いといたら転移…出来ないかなって」

「あー、どう?ラム………できる!?え、カーくんの中、オッケー!?」

「え、いけそうなんですか?」

「そもそもカーくん自体が結構な魔力の塊みたいなもんだから、何もなくても移動できるって。アイテムボックスから出してさえいればいいみたい」

「マジか」

「カーくん、デフォルトだと私達以外には見えないんですよね。人前でも堂々と出してしまって問題ないのでは?」

「隠密かけるとラムにもわかんなくなるから、空間魔法で転移するまではかけないで欲しいみたい」

「なるほど」

「ラムさえ誤魔化すんだ…隠密さん優秀すぎて」



想定以上の結果だった。

空間魔法がどれだけMPを使うか、それを負担に思わないか。

そのあたりでラムが嫌がる可能性もあった。だから自信を持って提案できなかったんだけど…



「…じゃあ、実質、テントを守る何かさえあれば問題なしか?」

「うん、門番的な…防犯ブザー…無理か。やっぱ結界かなあ…でも誰もそれっぽいスキル持ってないよなあ…」

「門番…人形とかあれば、リオ兄さんのスキルの『自動行動・微』が…いや、駄目ですね。そんなゴーレムみたいなこと出来ませんか」

「さすがに無理だなあ。ゴーレムをテイムすれば別なんだろうけど」

「ゴーレム、カーくんに撤収せずにテントを守るの…?それは可哀想じゃ…」

「ゴーレムって配下作るようなスキルなかった?それ使えればって思ったんだけど。部下に任せる、みたいな」

「あー、あった気がしますね。配下干渉だか命令だか、そんな」

「まじか。じゃあゴーレム、テイムする?どこにいるか知らんけど」

『あるじさまは駄目ですのー!』

「ぴぷー!」

「うえ!?」



おお、ラテとラムからストップが。

でもこれは「自分以外をテイムして欲しくない」という意味の抗議だろう。

ゴーレムのテイム自体に反対してるわけじゃない。



「大丈夫だよ、ラテ、ラム。ゴーレムをテイムするとしたら…できるなら僕がやるから。特にアイアンとかなら僕のスキル範囲だろうし、いける気がする」

「…そうか、無機物干渉なら、ゴーレムって相性いいかもしれませんよね」

「まあ僕に従魔術が発生するかは賭けだけどな。魔法関連多分絶望的だから。でも従魔術なくてもテイム自体はできるだろうし」

「うーん、確かに…?」

「そっか、従魔術スキル持ってないテイマーだって多いみたいだし、問題ないのか」

「『対話』とかの恩恵はないだろうけど、そもそも無機物干渉スキルで会話はできるしな」

「あー、なるほど…ん?どうしたラム?」

「ぷぴ、ぴーぷ」

「え、何とかなるかもしれない…?何か、ラムがちょっと時間欲しいって」

「え?」

「その、テントの見張りだか結界?もしかしたら何とかなるかもって言ってる。確実じゃないっぽいけど」

「まじで?」



どこまで有能なんだこのスライム。

まあ何とかできるアテがあるなら、ひとまずこの話はここまでにしようか。


次のダンジョンまで、あと5日くらいカーくんを走らせれば着くはず。森の採取もあるだろうから、プラス1~2日ほどか。一週間くらいかな?

多分レベルは上がるだろ。ひとまず、夕飯まで自由時間になった。

僕は運転してナズとラテはテント製作だ。

アキ兄さんはスライムゼリーを何とか食べれる状態にまで出来たらしく、おやつを作るとふんすふんすしていた。明日あたり出てきそうだ。

ハルは何か記録したり前に書き留めていた紙の束を漁っている。スキル関係の何かを見てるのかもしれない。もううろ覚えのもあるしな。

ラムは何かを考えてるのか、今提案しようとしたことを挑戦しようとしてるのか…何かもぞもぞぷるぷるしてるようにしか見えない。

ラテが言ってたけど、ラムに念話は生えてないそうだ。やっぱりラテは覚えやすかったんだろう。


カーくんをしばらく走らせたところで晩御飯ができたとアキ兄さんの声が聞こえた。

即座に全員が集まる。と言っても、ハルは元々座席で作業してたので、片付けただけだが。

ナズとラテは扉を開けて作業してたので聞こえたんだろう。



「そうだ、料理スキルが9になったよ!」

「お、おめでとう!そういやあとちょっとだったもんな」

「何か覚えました?」

「『発酵』だって。パンづくりに超役立ちそう」

「いいな、時間短縮できるじゃん」

「酵母もなー。あと、召喚に、豆が増えました!」

「豆?」

「大豆とか?」

「あー、発酵使えるようになってるし納豆とか味噌作れそう」

「でも味噌あるし、そこまで必要じゃなくね?」

「カーくんの標準装備ですね。ほんとカーくん優秀すぎて…」

「そうだけど、枝豆とか黒豆とか…あと、カカオ豆があるんだよ!」

「は!?」

「チョコか!?」

「そう!」

「チョコ…!?牛乳もあるし、ミルクチョコも…え、最強では…!?」

「あとコーヒーもなー」

「最高」



なるほど、これはドヤるだけのことはある。

コーヒーとチョコとか、現代では当たり前のようにあったけど、こっちではないもんな。

似たようなものはあるかもしれないけど。

うわあ、テンション上がる。



「コーヒーメーカー、コーヒーメーカーが欲しい…っ!次レベルアップしたら僕の召喚に出ないかな…!」

「いや出ないと思うよ、まだ。…複雑じゃん、コーヒーメーカーとかさ」



ナズの指摘が刺さった。

うん、複雑な構造のものはまだ召喚に並んでない。

そもそもそれがあるならテント完全体があるよな。



「リオくん、紙のフィルターはあるよな?後でまとめてくれないか?」

「100枚くらいでいい?」

「そんなにはいらん」

「コーヒー好きなのリオ兄?」

「そこそこ?いや、飲み物の種類増えるの単純に嬉しいし、カフェラテ飲みたい」

「あ、カフェラテは確かに!あたしも飲みたい!」

「ラテが仲間になってからずっと飲みたかったというかラテに飲ませたかった…って、蜘蛛ってコーヒーいけんのかな?」

『?ラテですのー?』

「お茶もハーブティも牛乳も普通に飲んでるから大丈夫だと思うよ」

「あー、なるほど。これは確かに。ちょっとコーヒー頑張るか」

「ぷぷぴぷー?」

「あ、ごめん、ラムはちょっと…ラム酒は飲んだことなくてな…」

「ぴーぷぅ~…」

「ら、ラムが落ち込んだ…!ごめんな、俺が酒飲めないばっかりに…!」

「リオ兄、リオ兄飲んだことないの!?一回も!?ホントに!?成人して4年なら一回くらいない!?味だけでもわかんない!?」

「ごめん、ない!マジで酒には縁がなくて一回缶ビール飲んだのと日本酒一杯飲んだくらいしか飲酒してない!」

「禁酒でもしてんの?」

「単純に酒に興味がなかったんだよ。飲んだのも付き合いみたいなもんだったし」

「うーん、これは仕方ない。召喚にいつか出るのを待つしかないかー。一応食べたことないのも出るはずだし」

「でもアキ兄の召喚にお酒出るかな?料理酒はともかく」

「わからん…」



スキル保持者が未成年だからなあ…

料理に使える酒ってことで出るのはあるかもだけど。赤ワインとか?こればっかりはわからない。

若干グダったけど、アキ兄さんの召喚は増えたし、メニューもより充実しそうだ。今でも結構充実してるけど。

うーん、これは本格的にキッチン拡張した方が…?今手狭だろうしな…飲み物だってすぐ入れれるように出しておきたいこともあるだろうし。

今全部アイテムボックスに入れてて、都度出してるっぽい。面倒だろ絶対。文句言ってないけど。



「明日とか、このあたり色々いじったり考えたりしてみるよ。ゼリーも作れそうだし、コーヒーゼリーなんかも作れるかも」

「おー」

「料理スキル…素晴らしすぎる…」

「ぴぴぷー」

『ご飯、いつも美味しいですのー』

「アキ兄さん拝んどこう」

「やめれ」

「じゃあ、アキ兄さん好きだよ」

「ありがとう?」

「拝まれるくらいなら言葉を受け取る方を選びましたか。私も便乗します。アキ兄さん、大好きです」

「あたしも大好き!」

「ぴぷぷ!」

『わたくしもアキ様大好きですのー』

「過剰摂取!でもありがとう!」



…そういえば、ラムは何か話したいことがあったんじゃなかったっけ?

特に何も言ってきてないみたいだけど。

まあ、話したくなってからでいいか…?


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