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ダイバージェンス・フィーネ  作者: 黒陽 光
Chapter-02『金色の姫騎士』
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第七章:乾坤一擲、この想いよ届け……光り輝く聖剣に乗せて

 第七章:乾坤一擲、この想いよ届け……光り輝く聖剣に乗せて



〈フレイア、今のって……〉

「っ、風牙……」

 ――――雪城風牙が、天雷が撃破された。

 エイジの告げたその号令は、当然フレイアの耳にも届いていて。信じたくはなかったが……しかし真実であることは明らか。自分が確実な劣勢に立たされたこと、何よりも彼が倒されたことに……動揺したフレイアは眉をひそめて、ひどく苦い顔を浮かべていた。

「よそ見してる場合じゃねえだろうがぁぁぁっ!!」

 だがそんな彼女の動揺が収まるのを待つわけもなく、ウェインは更なる猛攻を仕掛けていく。

 縦一文字、袈裟懸けに逆袈裟懸け、ザンッと振り回す鋭い横薙ぎの一閃に、隙を見ては織り交ぜる鋭い刺突。

 振るわれるバトルキャリバーの斬撃は重く力任せで、それでもパワーダウンの影響から未だ立ち直っていないからか、先程までよりはずっと軽いものだったが……それでも、フレイアの勢いを削ぐには十分すぎた。

「くっ……このままでは!」

 そんな彼の斬撃を避けて、時にバスターライフルの銃身で受け流しながら、フレイアはどうにかしのぎ続ける。

「待たせたな、ウェイン!」

「おうよ、やったじゃねえかフィーネ!」

 そうしている内に、風牙を撃破したフィーネも合流してくれば、戦いは二対一の状況に。

「仕上げだ、私に合わせろ!」

「おうよ!」

 フィーネが超高速かつ変幻自在の機動戦で翻弄し、それにフレイアが惑わされた隙にウェインが力強い一閃を叩き込む。

 時にアレスターチェーンで手足を絡め取り、時に飛び上がったウェインが急降下で斬撃を繰り出して。そんな互いに息の合った二人の、完璧なコンビネーションで仕掛けてくる猛攻を前に……たった一人で立ち向かうフレイアは、段々と追い詰められていってしまう。

〈フレイア……このままじゃボクたちも!〉

「分かっています! ですが……なんでしょう、この強さは……っ!?」

〈まるでテレパシーで繋がり合ってるみたい……隙が無さすぎるよ、いくらなんでもっ!〉

「だとしても、私は……負けない、負けられない――――ッ!!」

 互いに一切の言葉を交わさぬままに、完璧な連携を見せる二人。

 そんな二人に翻弄されながら、思わず弱気になりそうになる自分を奮い立たせたフレイアが打つのは、起死回生の一手。

「舞い刻みなさい! ライトニング……ダガァァァッ!!」

 全力のプラーナを身体から解き放ったフレイアの周りにパッと現れるのは、金色に光る無数の光刃。

 その数は二桁や三桁では効かない、少なくとも四桁……下手をすれば数万という数の膨大な光刃だ。

 それは、以前にも見せた光属性の攻撃魔術『ライトニングダガー』に相違ない。

 だがあの時とは違い、注ぐプラーナの濃さも、生み出した光刃の数も段違い。まさに手加減抜き、これがフレイアの本気のライトニングダガーなのだ。

 バッと振ったフレイアの左手に従い、現れた数万もの光刃が一斉にウェインたちに向かって襲い掛かる。

 鋼鉄すら紙切れみたく切り裂く光刃が、四方八方から二人に向かって飛び掛かっていく。

〈ウェイン、これは危険です……!〉

「言われるまでもねえだろうが! ――フォトンシェード、全開だぁぁっ!!」

〈こんなの浴びたらひとたまりもありません、お姉様っ!!〉

「避けるしかあるまい……やってみせるさ!」

 そんな降り注ぐ数万ものライトニングダガーを、ウェインは光のバリア……フォトンシェードを張って防御。逆にフィーネは持ち前の俊敏さを活かす形で、激しい機動を繰り返すことで巧みに回避してみせる。

 そう、例え本気のライトニングダガーでも二人を倒すことはできない。

 だがこれでいい。二人の勢いを削ぎ、分断させられたなら……それでいい!

「デュランダル!」

〈分かってるよフレイア! リフレクター・フルマニューバ! ボクも全力で行かせて貰うよっ!!〉

「銃身が焼き付いても構いません! マキシマムチャージ……フルオートで撃ちます!!」

〈いっけぇぇぇぇ――――っ!!〉

 二人がライトニングダガーに対処する間に、距離を取ったフレイアは周囲に全てのミラーリフレクターを展開。そして構えたバスターライフルを連射する。

 まるで機関銃のような勢いで連射するビームを、小刻みに動く全てのリフレクターが反射し……拡散し、跳ね返して放つ。

 一発のビームが十発に、十発のビームが百発に……。

 そんな勢いで反射し拡散させたビームが狙う先は、当然ウェインとフィーネだ。

「んだよ、こんな芸当まで出来んのかよ……!?」

〈これだけ撃っても、まだビームのエネルギーが持つとは……〉

「バケモンだぜ、アイツも大概……!!」

 ライトニングダガーをしのぎ切ったのも束の間、今度はあっちこっちから襲い来るプラーナビームの豪雨に身を晒すウェイン。

 時に回避機動で避けて、時にフォトンシェードとプラーナウィングで防ぐ中。しかし未だパワーダウンからは完全に立ち直れていないファルシオンでは全てを防ぎ切ることは叶わず、ただでさえボロボロの身体に次々とビームが命中。更に重いダメージを蓄積させていく。

「ウェインっ!」

〈お姉様、こちらとて危険です……心配なのは分かりますが、今は!〉

「大本を叩くのが優先、そんなことは分かっているっ!!」

 焦りながら、フィーネは降り注ぐビームの雨の中を掻い潜ってフレイアの元に突撃。スピードを生かした一撃離脱の斬撃を仕掛けていく。

「やはり貴女は潜り抜けてきますか、フィーネさん……!」

 それを、フレイアは回避しつつ射撃を継続。ミラーリフレクターを巧みに操りながら、遠くのウェインと近くのフィーネ、二人に対する同時攻撃を続ける。

「流石だなフレイア、私は少々お前を見くびっていたらしい!」

「それはこちらの台詞です! これを掻い潜ってくるなんて……何者なんですか、貴女っ!!」

「私はフィーネ・エクスクルードだ! それ以上でもそれ以下でもないっ!!」

「っ……ええ知っています、知っていますとも! 貴女が居てくれたから、私は……っ!」

「ああそうだ! 私には覚悟があるっ! お前は……お前はどうなんだ、フレイアぁぁっ!!」

「覚悟……覚悟なら、もう出来ています! 私は、私は――――風牙ぁぁぁぁぁっ!!」

 戦いながら、昂ぶった感情のままにフレイアは叫ぶ。遠くで横たわる彼の名を。

 そんな彼女と刃を交わしながら……フィーネはフッと微かに、表情を緩ませていた。

「いいですか風牙、一度しか言いませんからよく聞きなさい!」

「んえ? なんだよ急に、俺っちもうやられてんぜ?」

「いいからっ!」

「お、おう!?」

「雪城風牙っ! 私は……私は、貴方のことが好きでした! ずっと昔から……子供の頃からずっと! 貴方が好きだったんですっ!!」

 二人と熾烈な激戦を繰り広げながら、突如として叫んだフレイア。

 胸の内に秘めていた思いの丈を、洗いざらい全部ぶちまけるような少女の叫び声。

 だが、それを突然聞かされた当の本人はというと。

「………………へっ?」

 遠くで横たわる撃破された天雷、それと融合していた風牙は……唐突すぎる出来事にきょとんと目を丸くして、ただ固まるのみ。

「……なんだ?」

〈我々は黙って聞いていましょう、というよりも口を挟む余裕がありません……!〉

 ウェインもウェインで突拍子もない言葉に戸惑うが、しかしフレイアが仕掛けてくる反射攻撃を捌き切るので精いっぱいで、とてもじゃないが話に首を突っ込める状況ではない。

 そんな中、フレイアはフィーネと真っ向勝負をしながら……尚も叫んでいた。十数年間も秘めてきた想いを、全てぶつけるように。

「……ずっとずっと、好きだったんですっ! 私自身も気付かなかった、でも分かってしまったんです! 私は……私はいつだって、気付けば貴方のことばかり考えていた! 辛いときや悲しいとき、どうしようもなく胸が苦しいとき……頭に浮かんでいたのは、いつだって風牙の顔でしたっ!」

「そうだ、その調子だフレイア……私にも聞かせてくれ、お前の想いをっ!」

「でも私たちはお互いに家柄があった! しがらみがあった! 私はシュヴァリエ家の跡取り娘で、風牙は雪城コンツェルンの後継者だったから……だから私は、無意識の内に……その気持ちを押し殺してしまっていました。貴方はただの幼馴染でしかないと、そう思い込むしかなかった! 風牙はずっと昔からのお友達で、それだけだと……思っていたんです!」

 ――――――でも!

「でも……違ったんです! 押し殺せば押し殺すほど、私は苦しかった……あの決闘の時だって、フィーネさんに夢中な風牙を見ていたら……胸が張り裂けそうなほどでした! そして風牙がウェインさんに負けて……何故だかホッとしていた私が居たんですっ!

 不思議でした、そんな気持ちになったことが。でも……フィーネさん、貴女が気付かせてくれたんです」

 ガキン、と銃身とレイピアの刃とで鍔迫り合いをしながら言うフレイアに、フィーネもまたフッと微笑みを向け返す。

「……ええ、気付いてしまったんです。私自身にも分からなかったこの気持ちに、風牙への想いに!

 でも気付いたところで、伝える覚悟は……勇気なんて私にはなかった。でも……でも今、私は決めました!

 ――――――雪城風牙っ!」

「はっ、はいいいっ!?」

「私は貴方をお慕い申し上げています……ですから、例えどんなことがあっても! 私が貴方を守ってみせる……貴方を縛る全てのものから、たった一人の貴方を奪い取ってみせる! その覚悟が私にはあります! 誰がどんな邪魔をしようと……この想い、きっと成し遂げてみせるのだという覚悟がっ!!」

 遠くの風牙の名を呼び、想いを叫び。ガンっとフィーネを蹴って距離を取ったフレイアが、ガシャンとバスターライフルを彼女に向けて構える。

〈よく言った、フレイアっ! だったらボクも……全開だぁぁぁっ!!〉

 そうして構えたバスターライフルの周りに、全てのミラーリフレクターが集まってくる。まるで銃身を包む加速器のように、射線に沿って六枚のリフレクターが展開する。

「貴女が気付かせてくれた、背中を押してくれた! だからお見せしましょう……私の全力をっ!!」

〈フォトンバスターライフル・ファイナルウェーブ! やっちゃえ、フレイアぁぁぁぁっ!!〉

「リミッター・カット! オーバーチャージ……シュートッ!!」

 右の人差し指がトリガーを引き絞り、銃口から最大出力のプラーナビームが迸る。

 そのビームを、周囲に展開した六枚のリフレクターが瞬時に反射し最大増幅。そうして放たれるのは、今までを遙かに凌ぐ超強力な一撃。

 トリガーを引いた瞬間、限界を迎えたバスターライフルが火を噴いて破裂するほどのパワーだ。

 そんな恐るべき一撃が、フレイアが全力で放つプラーナビームが直撃すれば……いくらジークルーネでも、タダでは済まない……!!

〈お姉様っ! 回避は……間に合いませんっ!!〉

「ちぃぃっ! 踏ん張れルーネ、ここが正念場だ……フォトンシェード、全開だぁぁっ!!」

 この至近距離、回避は間に合わない。

 瞬時にそう判断したフィーネはミラージュレイピアを投げ捨てて、即座にフォトンシェードを両手で展開。渾身のプラーナを注ぎ込み、全力で防御態勢を取る。

 その直後――――最大出力のプラーナビームが着弾。真っ正面からぶつかり合ったフォトンシェードの光のバリアが破れることはなかったが、しかしその猛烈な勢いに押されるように……フィーネは彼方へと吹き飛んでいってしまう。

「ぐぅっ!?」

「フィーネっ!!」

 どうにか防ぎ切ったものの、しかし吹き飛ばされたジークルーネは遥か彼方の高層ビルに激突。ビル壁に背中を叩きつけたフィーネが、苦悶の声を上げながらその場に崩れ落ちる。

 それを見たウェインが思わず叫ぶが、しかし次の瞬間にフレイアはもう彼の方を向いていて。

「まずはウェインさん、貴方からです……!」

 静かに呟くと、破裂したバスターライフルを投げ捨てる。

「しまった――――ウェイン……っ!」

 ハッとしたフィーネは声を上げるが、しかし今の一撃を防ぎ切った負荷が相当に大きく、すぐには動けそうにない。

 そうしている間にも、距離を詰めたフレイアはウェインとの交戦を開始。一気に猛攻を仕掛けて彼を追い詰めていく。

「舞い刻みなさい! ライトニングダガー!!」

 バスターライフルを失った彼女が、再び放つのはライトニングダガー。無数の光刃が襲い掛かる中、捌き切れなかったいくつかの光刃がファルシオンの真っ白い鎧を深く抉り、傷付ける。

「ぬぅぅぅ……っ!?」

〈この数、この至近距離……避け切れない……!〉

「貴方やフィーネさんのおかげで、私は私自身の気持ちにようやく気付くことが出来ました。ですから……お二人には、本当に感謝しています」

 ライトニングダガーに翻弄されるウェインに呟きながら、フレイアは彼目掛けて鋭い飛び蹴りを敢行。ガァンっと腹に直撃させた飛び蹴りで一気に彼を吹き飛ばすと。

「…………だからこそ、今ここで貴方を討つ!」

 凛とした声で堂々たる叫び声を上げれば、フレイアはパンっと両手を身体の前で合わせた。

 両手に渾身のプラーナを注ぎ込み、チリチリと光がスパークする手と手の間から現れるのは――――長く分厚い、騎士の聖剣。

 それは、まさに聖剣だった。

 大型の両刃剣で、形はバトルキャリバーとよく似ているが……しかしより大きく長く、分厚い刀身の大剣だ。

乾坤一擲(けんこんいってき)! カーディナルソードで勝負です……!!」

 両手の間から生み出したその聖剣の柄を、ガッと右手で握り締める。

 フレイアの切り札たる聖剣、その名は――――『カーディナルソード』。

 そのカーディナルソードを片手に、フレイアはダンッと地を蹴ってウェインとの距離を詰める。

「っ、ヤベえ……っ!!」

 ウェインは即座に回避を選択。背中のプラーナウィングをはためかせてバッと天高く飛翔する。

「逃がしません!」

 ……が、フレイアは三角飛びの要領で高層ビルの壁を蹴って飛び上がると、上空に逃げたウェインの懐へと強引に飛び込んだ。

「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 そうして懐に飛び込めば、フレイアは振り上げたカーディナルソードで一閃。縦一文字の斬撃を彼に浴びせる。

「うおおおおおっ!!」

 間一髪のところで、ウェインはバトルキャリバーでそれを防御。

 だが刀身に伝わる彼女の斬撃があまりにも重すぎて、その衝撃のあまり体勢を崩したウェインは……そのまま地面に落下してしまう。

「まだぁぁぁっ!!」

 しかしフレイアは攻撃の手を緩めることはせず、地面に降りたファルシオンをそのまま追撃。落下の勢いをつけた縦一文字斬りをザンッと彼に叩きつける。

「ぐぬ……っ!」

「隙あり! そこだぁぁぁぁっ!!」

「しまっ――――ぐああああっ!?」

 また自身の剣で防いだウェインだったが、しかし瞬時に刃を返したフレイアはザンッと斬り上げる逆袈裟斬りを閃かせる。

 流石にその二の太刀までは防ぎ切れず、重い斬撃をモロに喰らったウェインはそのまま上空に叩き上げられてしまった。

〈今だよ、トドメだフレイア!〉

「――――――フラッシュバインドッ!!」

 上方に吹き飛んだファルシオンに向かって、フレイアはバッと左の手のひらを突き上げる。

 その瞬間、突き上げた左の手のひらがパァァっと黄金の光を放ち……するとどういうわけか、ファルシオンは空中で突如としてその動きを止めてしまう。

 まるで見えない何かに縛り上げられたかのように、空中で……静止してしまったのだ。

 ――――『フラッシュバインド』。

 先程も見せた光属性の拘束魔術。手のひらから放つ特殊な光波でギュッと相手の動きを封じる、フレイアの得意技。

 だが、さっきとは状況がまるで違う。迷いを捨てて覚悟を決めて、剣を握り締め一対一の戦いに臨んだ彼女は……間違いなく、決着を付けようとしている――――!!

「コイツは……ヤベえぞ……!!」

〈しかし、逃げる術はもう……!!〉

 フラッシュバインドの光波に拘束されながら、苦悶の声を上げるウェインとファルシオン。

〈ウェイン、ファルシオン兄様っ!!〉

「いかん……ウェイン、逃げろぉぉぉっ!!」

 それを見て、ジークルーネとフィーネが叫ぶ。

 だが――――間に合わない。例えジークルーネが最大速度で駆け抜けたとしても……もう、間に合わない……!!

「お覚悟を…………!」

 キッと目を細めたフレイアが、決着をつけるべく己が剣に渾身のプラーナを注ぎ込み……その刀身を、黄金に光り輝かせた。

 そんな眩い金色の輝きを放つ聖剣を構えながら、フレイアはバッと天高く飛び上がる。

 飛び上がったフレイアは――デュランダルは輝く太陽を背に、両手で握り締めたカーディナルソードを振り被り、そして――――。

「デュランダル! ファイナルジャッジメントッ!! ――――はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 そのまま勢いよく飛び込んで、振り下ろしたその剣で――――ファルシオンを、叩き斬った。

 ――――『デュランダル・ファイナルジャッジメント』。

 黄金に光り輝く聖剣で叩き斬る、デュランダルの最強にして最後の切り札。

 その一閃でファルシオンを叩き斬った後、ダンッと着地し、剣を振り抜いたままの格好で残心するデュランダル。

 ……そうして残心すること、数秒。

 残心を解いたフレイアがバッと剣先に空を切らせた瞬間、

「…………マジ、かよ……――――」

 フラッシュバインドの拘束を解かれたファルシオンが、力なく地面に向かって墜落していった。

 ドスンと地響きが鳴って、大きな土埃が舞い上がる中……堂々たる姿で仁王立ちするデュランダルの背中の向こうで、動く影などあるはずもなく。

『……ファルシオン、行動不能。ウェイン・スカイナイトさんの――撃墜を、確認しました』

 僅かな静寂の後に響くのは、非情な宣告。仮想都市フィールドのスピーカーからただ一言、ファルシオンの撃破を告げる……エイジ・モルガーナの号令が響くのだった。





(第七章『乾坤一擲、この想いよ届け……光り輝く聖剣に乗せて』了)

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