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ダイバージェンス・フィーネ  作者: 黒陽 光
Chapter-01『天翔ける白き翼の魔導騎士』
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第八章:騎士決闘/02

 ――――稲妻とともにその姿を現した、オレンジ色のナイトメイル。雪城風牙の駆る魔導騎士……天雷。

 ファルシオンに正対するその騎士の姿を、フィーネとフレイア、そして担任教師エイジ・モルガーナの三人は、コロシアム内の管制室からじっと固唾を飲んで見つめていた。

「これが、奴のナイトメイルか……」

「……そうです、これが天雷。あの子に……風牙に仕える魔導騎士です」

「いつ見ても圧倒されますね、彼の天雷には」

 現れた天雷の姿を、フィーネとフレイアは神妙な面持ちで、エイジは普段と同じ涼しい顔で見つめている。

 ――――天雷。

 ウェインに見せて貰った資料で姿形こそ知っていたが、しかし実際にこうして目の当たりにしてみると……言葉では言い表せないような、圧倒感のようなものをフィーネは感じてしまう。

 先に述べた通り、天雷はオレンジ色の鮮やかな色合いのナイトメイルだ。

 しかしファルシオンのように翼が生えているわけでもなく、ジークルーネのようにマントを靡かせているわけでもない。シルエットこそ研ぎ澄ました刃物のように鋭角的で、スラッとした細身なものだが……先に挙げた二騎に比べると、かなりシンプルな印象だ。

 だが、シンプルな見た目だからこそ……何というか、底知れぬものを感じさせる。

 そんな天雷の外見で一番目を引くのは、やはり左腕の甲にある大きな弓だろう。

 その名は『ライトニングアロー』。弓といっても手に持つんじゃなく、腕に直接生えているといった感じだ。今でこそコンパクトに折り畳まれているが、しかし展開すればそれなりの大きさになるに違いない。そして……その威力も凄まじいはずだ。

「さて、ここでお二人に質問です。ウェインさんか雪城さん、どちらが勝つと思いますか?」

 フィーネがそんな天雷をじっと見つめていると、横からエイジが突然の質問を投げかけてくる。

 勿論フィーネは「当然、私はウェインを信じています」と即答する。だがフレイアの方は難しい顔で「私個人の心情は、ウェインさんに勝って欲しい気持ちはあります」と少しだけ言い淀み、

「しかし……私の目から見る限りですが、どちらが勝ってもおかしくはありません」

 と、やはり神妙な表情で続けてそう、率直な意見を述べた。

 それを聞いたエイジは「そうですか」とニッコリ笑い、満足げにうんうんと頷くと。改めて二騎の方に――管制室のモニタ越しに見えるウェインたちの方に向き直りつつ、頭に着けたインカムのマイク部分にそっと手を添わせる。

「では改めて、お二人にルールを説明します。といっても守って頂きたいことは多くありません、単純なことのみです。模擬戦に際してこのスタジアムの範囲外に飛び出さないこと、そして……お互い死なない程度に加減すること。守って頂きたいのはこの二点のみです」

 エイジはマイク越しにそう二人に簡単なルール説明をすると、コホンと咳払いをして。そして小さく息をついた後、戦いの火蓋を切って落とす号令を下すのだった。

「ではお二人とも、善き戦いを。――――戦闘開始(ファイツ・オン)!」





(第八章『騎士決闘』了)

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