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22:国境の町 前編

 魔法という物が大丈夫になってから数日。ボタンよりも大きい町に到着した。

 フロウ国とブルベリ国――スロヴェニアとクロアティアとボスニア・ヘルツェゴヴィナをくっ付けたような国――とを繋ぐ町、ラフレシアだ。

 道は白い石が敷き詰められていて眩しい。遠くに城壁のような石の壁が、行く手を阻むかのように立っているのが見えた。あれが国境。

「大っきいね」

 このごろ、ボタンにいた頃の気持ちが戻ってきていた。旅を始めた頃は不安が大きくて、さすがの私も悲観的になっていたのだが、この頃は元気が出ている。

 旅に慣れたせいなのだろうか。レイアさんに会ってから、調子が戻ってきたと思う。

「本当に。さすがにフラウと比べると小さいけど、フロウ国の町の中では五本の指に入る大きさね」

 サザンカが答える。

 町は人で賑わい、レンガ造りの家の前には露店が並んでいた。威勢のいい声が絶え間なく聞こえる。

「ねえサザンカ、何で国境に跨るように町があるの?」

 境町と一般的にいわれる町は、その中心を国境が通っている。このラフレシアも境町だ。

「関所の意味があるわね。出入国者の管理が大きいわね。勿論、町の外に出てしまえば壁なんて無いから余り役には立ちそうに無いんだけど、遠い昔はそんな事は無かったのね」

「それでじゃあ、何で今も残ってるの?」

「今は、法律の違いがあるのよ。ただの壁だけど、あのこちらとむこうでは、法律が違うの。そう言えば、この町は良い方ね。一部の町は、法律が違いすぎて、壁の両側で貧富の差が激しすぎてしまうの。そうなると、その町は治安がどんどん悪くなるのよ」

 感心していると、いつの間にか置いて行かれてしまった。

 人混みの中に菫さんの紫の髪を見た気がしたが、すぐに見えなくなる。

 身長17.3ピンチの私は、サザンカ達に気付かれないまま迷うことになってしまった。

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