桜バーガー 1
コンビニで買った冷たいいちごオレを飲みながら
帰る帰宅路
もう太陽は大きく傾いていて
辺りがオレンジ色に染まる
気づいたら家の前
でもひどく長く感じた
いつも通り同じ道を歩いて来ているのに
永遠に続くと思わされる道だった
『…ハァ』
小さいため息が出た
ガチャ
「あら、お帰りなさい」
母がいつも通り出迎えてくれた
でも心にぽっかり穴があいたような気分だった
翌朝―
目覚めが悪い
頭がガンガン痛み
怠い
一応熱を測ろう
ピピピピ
『………』
37.2゜
微熱……
微熱だから学校に行く用意をした
『…………』
学校につく頃は頭痛はおさまった
朝のみんなの挨拶も今は耳に入ってこない
「雪凪ー♪
おっはよー♪」
その声だけが、やけに心に響いて
それだけで心が軽くなる
「昨日はごめんなー
送ってやれなくて
日直でさー仕事押し付けられてたんだよー」
『……』プイ
「Σ(゜д゜lll)
ひどいぞ」
『……』ジー
「んだよ
そんな見んなって」
言いながら大和は頬を赤くしながら
そっぽを向いた
「美桜〜(≧∇≦*)
おっはよー♪♪」
ドン
そう言いながら杏梨は抱きついてきた
『……(重い)』
「あーっ!!
美桜今重いとか思ったでしょー
ってなんであんたがいるの?」
「はぁー?
俺がいちゃ悪いかよ」
「うん」即答
「泣かされてーのか」
「美桜行こー」ガン無視
「って!!おいっ!!
待てって!!」
そんな朝の日常会話も最近は嬉しい
キーンコーンカーンコーン
あっという間にお昼休みになった
「美桜ー♡♡
購買行こー(o>ω<o)」
『……』コク
「あっ!!なにこれ!!」
杏梨が指すのは購買の横にある学校の掲示板
杏梨の目線の先には……
本日発売!!!
春にぴったりのかわいいバーガー!!
桜バーガー!!
桜の葉を使ったパフに桜の塩漬けとハンバーグの相性抜群!!!
380円!!
どうぞお買い求めください!!(^^♪
「(*゜▽゜*)」
『(・ω・)』
『……(絶対ま「絶対美味しい!!」ず……そ…う)』
「ちょっと私買ってくるね!!」
杏梨はそのまま戦場とかした購買へと姿を消した
そんな人混みの中1人の生徒に目がいく
『……御園くん』
思わず口にした
ハッ!!
恥ずかしくなり口を隠した
でもそんな今にも消えそうな空気を漂う声は
大和の耳には届かない
届くはずがない
その声は購買のおばちゃんに注文する生徒の声にかき消される
届くはずがないのに…………
「ん?」クル
大和がこちらを見た
「(*゜▽゜*)」
手を振りながら無邪気な笑顔を見せる
『…………』
美桜は下を向いた
その行動が気に入らなかったのか大和がこちらにくる
「無視すんじゃねーよ」
少し低い声だけどなんとなく優しさを感じる
『……』
下を向いたまま
「おいっ!!」
『……』
「おいっ!!
聞いてんのか?」
『……』
「〜!!
上を向けって!!」グイ
大和の大きな手が美桜の顔を包み込み上に無理矢理向かせる
『…ッッ!!』
頬が暑い
バシッ
大和の手をひっぱたいて美桜は階段をかけ登った
『ハァハァハァ』
1階から4階までダッシュできたからしんどい
少し息を整えてからクラスに入った
「もー!!
美桜!!先に帰るなら言ってよね!! 」
『………』(・□・;)
そう言って頬を膨らませる杏梨のうでの中には溢れんばかりのパンがあった
その中にちゃんと桜バーガーも....
「さっ!!早く食べよ!!」
ウキウキしながら座る杏梨
さっき息を整えたはずなのにまだ心臓が
ドキドキしてうるさい