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余命二年と宣告されたのでマイナースキルを授けられた私は聖獣と共に寿命を集めながらスローライフを楽しみます!  作者: 相木ふゆ彦
第一章 新しい命

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第6話 アンネリーゼ、挑戦と出会い①

 とんでもない夢を見た。

 なんと、異世界に転生して神様のお告げにしたがって寿命を集めるっていう夢。

 あーあ、ほんとだったらよかったの、に……?

 

 見慣れない天井。自由に動く体。

 呼吸器のついてない口元。

 

 ゆ、夢じゃなかった……!!

 ほんとに転生したんだった!

 

『むにゃむにゃ……アンネリーゼ、それは岩だよ……食べちゃだ、め……むにゃ』

 

 聖獣コハクよ、なんの夢みてるの……?

 聞いたところで、変な話に決まってるな、うん。

 

 浄化で顔を洗い、なんとなく物足りなくてココノアの石鹸でも顔を洗う。

 コハクを撫でまわしたいけど、起こすのも可哀そうだもんね。

 私は、ベッドからそっと降りるとスマホを開いてみた。

 ToÐoリストは……。

 

 ①魔力ポーションを作る。

 ②食品を錬成する。

 ③収納魔法(生)を使う。

 

 ①は、簡単だよね。昨日の流れで違うポーションを作るだけでしょ? 畑に材料があるとみた。

 うっ……③が難しい。

 コハクを出し入れじゃ、だめかな?

 あとで、やるだけやってみよう。

 

 食品の錬成かぁ……。

 パンは……まだエヴァリディアス様が用意してくれたのが数個あるな。

 痛まないうちに食べなきゃ。

 

 一応、錬成じゃない料理の基礎レシピも入ってるな。

 オムレツに、ポトフ、シチューに煮物まである……あとは錬金術で錬成しろってことだね。

 お味噌汁は、大豆を手に入れてから挑戦だ!

 

 まずは、ジャムだね。

 ②に当てはまるし。

 砂糖は大きな袋いっぱいにあるし、果物を探してこよう。

 

 寝てるコハクを置いて……そっと玄関を開ける。

 家の周辺なら、問題ないよね……?

 家の柱時計は、まだ六時になっていない。

 意外に早起きしたみたい。

 

「くだものーくだものー」

 

 さすがの異世界も、オレンジが森に生えてたりしないよね。

 探すのは、野イチゴ系のベリーだー!

 

 森の中で鑑定を始めると、アキネという名前を見つけた。

 スマホのレシピを急いで確認する。

 あってた! やっぱり魔力ポーションの材料だ。

 

 あとは、魔力水と月光草になってる。

 月光草は、畑にしっかりあったからこのアキネという花も取ろう。

 うーん、けっこうあちこちに生えてるね。

 本当はベリー系を漁りにきたのに、そこそこアキネがあるものだから摘んでしまう。

 

「って、入れ物がないんじゃん!!」

 

 空間収納は生ものしか入らないし、なにか入れ物を探してくればよかった。

 そもそも、素手で果物持って帰る気だったの?

 

 まだまだ健康な体に浮かれて、準備を忘れてしまってるね。

 ツタとか拾ってカゴに出来るかなぁ。

 両手にアキネをいっぱい持って、私はいったん家に戻ることにした。

 

「――!」

 

 なにか、聞こえた気がする。

 男の子の声、みたいな……?

 

「あのー! 誰かいますかー?」

 

 声を張り上げながら、私はアキネの花を抱えて進む。

 でも、エヴァリディアス様がバトル展開があるって言ってたっけ……。

 

 魔物? モンスター? とか、もしかしていたりする……??

 戦うのはコハクの専門って言ってたし、いったん、戻ろう!

 うん、そうしよう!

 いくら幸運が100あったとしても、危険のほうが高いに決まってる。

 

「え……どっちからきたっけ……」

 

 森の中は、背の高い草や木で覆われている。

 無心でアキネを取りすぎた!

 

 落ち着け、私。

 摘まれたアキネの花があるほうを、たどればいいだけ。

 

 ザザザザザ!

 

 草むらが激しく動く音が、近づいて来た!

 やばいやばい、逃げないと……!

 

 アキネの花をこぼしながら、私はもうなりふり構わずに道を戻る。

 せっかく転生したのに、ここで死んでたまるかー!

 

「助けて!」

 

 え?

 男の子が、草むらから転がり出てきた。

 

 お互いに、びっくりして見つめあう。

 思わぬ状況で、第一異世界人、発見。

 空色の髪は少し長くて、藍色の瞳に少し前髪がかかってる。

 

 紐で、なにかのカードを首からさげていた。

 十二歳くらいかな。

 端正な顔立ちと、可愛いが両立していて、将来じゃなくてもモテそうな顔だ。

 

「あなたは――」

「逃げなきゃ! 追われてるんだ!!」

 

 え、逃げてる?

 ものとり? 誘拐?

 そこで私は閃いた。

 

「ここに入って!」

 

 空間収納(生)の出番だ!

 大きく広げると、男の子一人は簡単に入れそうな広さになった。

 きょどきょどする少年を、なんとか押し込むと私は走り出した。

 

 あの子だけ危険なのか、私も危険なのか分からない。

 でも、家に帰ればあの家は大丈夫な気がする。たぶん。

 なにせ、エヴァリディアス様作だし。

 

 追いかけてくる音は、かなり大きい。

 もしかしたら、複数の大人かもしれない。

 

「待て!! 小僧!!」

 

 大きな声がして、思わず私は耳をふさいだ。

 見つかっちゃった! 

 どうしよう!?

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な、なんだ?何が追いかけてくるの?ピンチ!逃げ切れるのか?
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