Ep.1 誕生
目を開けるとそこにはぼやぼやしてた。え?何??目も良く見えないし、体もうまく動かせない。でも、キラキラしてるのはわかる。周りもざわざわしているみたい。声をかけてどーなっているか教えてもらおう。
「えっえーん」
はい?今のもしかして私の声??私、病気で死んで赤ちゃんになっちゃったの~?!
ぼやぼやした目が見えるようになり、耳も聞こえるようになってきた。まだクリアには見えないし、聞こえないけど、生まれたてならそのうち見えるようになるんだと思う。
「王妃様、おめでとうございます。可愛い王女様です。」
ちょっと待って、え??そして王女ですか?侍女か産婆かわかんないけどそれっぽいひとが言う。
「王妃よ!よくやった!ゆっくりやすんでくれ。」
えーっと、『王妃よ!』なんて呼ぶから王様かな...?私のお父さんだよね...?
私は侍女さん?から王妃様?に引き渡される。
え、めっちゃ美人さん...けど、なんか見たことある顔…白銀の髪に紫の目...?
嘘...嘘だよね...私が前世でプレイしてた『恋の扉が開くとき』通称恋トビの悪役王女?!
絶対嫌...死にたくない。『生きている』を最後まで楽しみたい...
眠たくなってきちゃった...赤ちゃんだもんね...
―――――――――
目を覚ますとそこはベビーベットで、可愛い『ゆめかわ』って言葉が本当にあう、ユニコーンとか、お星さまとかがぐるぐる回っている赤ちゃん用のモビールがあった。そっか、しんで転生したんだっけ...
「あ、スノードロップ。おきたのね...」
隣のベッドで寝ていた王妃様が言う。『スノードロップ』っていうのは私の名前だ。これで確定した。やっぱりこれは『恋トビ』の世界だ。
『恋トビ』は、中世ヨーロッパみたいな世界観の学園の乙女ゲームだ。魔法だってもちろんある。ただ、魔法は、例外をのぞいて、貴族や王族しかつかえない。しかし、ヒロインの『ユリ』は、大陸にある4つの国の内のひとつ、『プランティア王国』の平民でありながら、癒しの力があり、その才能を認められて学園に入ってきた。後に、その力で、魔王を封印する。そして、聖女とよばれるのだ。
私は、4つの国のうちのひとつ、『アイセクル王国』の第一王女だろう。私には、兄がいるはずなので、王位の継承はないだろうけど。私は、王女だ。基本、王族は魔法が強い。しかし、原作の私は魔法も、勉強も全然だめだった。まあ、あの性格だからかもしれない。スノードロップの辞書に『努力』はなかっただろうから。
原作のスノードロップは、そんな感じで、魔法も勉強もダメダメだったから、攻略キャラたちも所属している生徒会に入れなかったのだろう。しかし、自分は入っていないのに、生徒会に入った『ユリ』をものすごく恨んでいた。そして、いじめ、さらには、殺人未遂まで起こしてしまう。最後には、悪事がばれて、断罪だ。そして死ぬ。
あれ...?死、回避できる?私、まだ赤ちゃんだし、いじめも殺人もしてない!いや、シナリオの強制力とかあるのかな...でも、前向きに考えなくちゃね!絶対’’死’’を回避して、今度こそ幸せ掴むんだから!!




