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心の距離  作者: 桜井雛乃
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七つ目

 服従したくなるような雰囲気? いきなり何を書き出しているんだろう。なんだか、本当に先輩は先輩らしいと思う。

 賛成か、それは良かった。でも始めから、先輩は断ることなどしないってわかっていたし。余程気に入らない、死ぬほど気に入らない。そうじゃなければ、先輩は我慢してしまうと思うから。

 二人巡り会えたことにより、もう私たちは幸せを見つけた。先輩、何をそんなカッコ良さげなことを書いているのさ。本当に、先輩って人は僕を乱す。僕を乱して行くんだ。その言葉を先輩の口から聞けたら、もっとカッコいいんだろうな。


 勇気を出して良かった。やっぱり、予想通りだよ。先輩も一緒だよね、わかっているよ。

 似ている、か。確かに似ているところもあるかもしれないけれど、先輩は天才で僕は凡人。スペックには大きな違いがあるんじゃないかな。不平等だな。それでも、それによって巡り会えたのならば僕は勿論嬉しい。似ているけれど違うから惹き付け合う、納得だ。

 所々カッコ良さげなことを言う、これは先輩の戦法なのだろうか。不意打ちが得意な人なんだろうな、きっと。だからいきなり、大好きとか書き出しちゃうんだよ。


 刺激を強めていく? な、何を言っているのだろう。抑々の話、男友達と文を交換し合うなんて中々聞かない。でもそれは有り得ない話ではないし、友達なりの手紙を書けばいいんだね。

 それが物足りなくなってくると、もっと過激な手紙を送る。成程成程、さすがは先輩。いい提案だと僕は思う。

 失礼だな。確かに僕は先輩より衰えているところが殆んど。それでもね、無表情には自信があるんだから。表情を変えることが上手く出来ない、ただそれだけなんだけど。ちゃんと無表情でいられるよ、たとえ笑わないといけない場面だとしてもさ。

 そうだね。手紙を読ませることを拒めば、更に怪しまれてしまう。しかし見せてしまえば、お偉いさんな先輩が笑いものと化してしまう。実は先輩がそんな人とか言っても、普段の真面目さや冷たさを考えれば誰も信じないと思うけどね。なんにしても、先輩の愛は僕だけのものにしておきたい。

 何より、先輩からの愛の手紙を持っていれば僕は不審者確定だよ。それが先輩からのものと信じないでくれたとしても、僕は変態じゃないか。聖徳太子からの妄想恋文を抱き続けるなんて、僕の変態度が上がっている。先輩を守れば僕はド変態だ。


 何度も鼻血を出しているの? 僕の手紙で? 嬉しい事を言ってくれるね。

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