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黒マントの男
「ここ、ちょっとおかしい」
ミミが言った。
「え?」
俊はミミの方を見た。
「この、建物、時空が歪んでいる」
その家に入る二人。
空間が歪む……、
舞踏会の会場。
しかし、そこには誰もいない……、
「出てこい!スイーターマン!」
俊が叫ぶ。
静まりかえった、会場に、不気味な声。
「ひひひ……俊……お前、目が見えたか……計画通りだ」
「計画……?何のことだ!」
俊がその声におじけづかずに、叫んだ。
「とし……お前は、勇気ができただろう?」
「……?」
「それを、打ち砕く……ひひひ」
「なっ……なにを……」
俊がそう言うと、ミミが俊を手で制した。
「貴方たちの企みは、なに?」
「ひひひ、私たちの望みは……」
黒いマントの男が出てきた。
「世界を暗黒に……希望もなく……絶望する、ひっひっひ」
「俊……」
ミミは俊にしがみついた。
「ミミ?」
「怖い……俊は?怖くないの?」
「うん、僕は大丈夫だ、ミミ」
俊は、そう言うと、キッ、と黒マントの男を見た。
「僕が、おまえを倒して、終わりにしてやる!」