第九話 村での日々1
本作品の製作にあたり、世界観・物理設定の検証およびブレインストーミングの補助として一部対話型AIを使用しています。本文およびストーリー展開はすべて作者自身により作成・執筆されたものです。
またこの作品の、タイトルはいまだ未定であり、決定次第随時変更していく次第です。
加えて、本作品には性的、差別的な内容が含まれているので苦手な方はご注意下さい。
ご理解、ご了承のほどをお願いいたします。
また、事前の告知等はするつもりなのですが、タイトル変更によって当作品の検索が困難になる場合がありますので、作者名を覚えていただくか、ブックマーク等の機能を活用していただけると幸いです。
「......き...さい。....ダレ...起きなさい!....ダレル起きなさい!」
大きな声とともに体をゆすられて、だんだん意識が覚醒してくる。
早く起きなければと思いはするが、体を包み込むお布団のぬくもりに後ろ髪をひかれ、二度寝の構えに入り始める。
「こらっ、二度寝しようとしない!」
今は俺の回想パートだから少し待ってほしい。
(ここは一度、無視を決め込み籠城をするのが得策だな。)
...ともかく、「春眠暁をおぼえず」とはよく言ったものだと思う。
実際、今の俺もなんの躊躇もなく二度目の「夢の国への旅行」を決行しようとしているし。
(何ならそのまま運命の相手と抱き合いながらこの人生を終えるというのも理想の選択のように感じる。)
そんな風に恋人との蜜月の日々を想像していたら、「いい加減にしなさい!!」と、とうとうフェイラの我慢に限界が来たのか、俺の掛布団が無残にも引きはがされた。
途端に俺を包んでいた熱のカーテンはどこかに消えてしまい、それと入れ替わるように外界の冷気がまとわりついてきて全身を震わせてくる。
親の都合によって愛人と離れ離れになってしまったロミオとジュリエットの気持ちを身を持って体感した俺だったのだが、ここで原作同様「おお、おふとん!」などと戯言をいうことはしない。(というかできない)
すでにフェイラは般若のような形相をしており、これ以上のおふざけが命に関わるであろうことを容易に察せられるからだ。
生命力の塊である彼女から飛び出る「喝」は俺を泣かせるのには十分すぎる威力を持っており、あまりの怖さからショック死するのではと思うレベルである。
原作ロミジュリのなかで悲しき恋人二人組は命を落とした末に結ばれていたが、俺にはまだ心中できるほどの覚悟は備わっていない。
(というか布団に命はないから俺だけ無駄死にするだけでは?)
そんなこんなで、目が覚めた俺は彼女と一緒に朝食を食べる。
献立は、主食の黒パンに副菜として豆と野菜のポタージュをすえた布陣であり、家庭の温かみを感じる内容となっている。
「おいしい?」
「まあまあじゃ...」「まあまあ、もしくは、普通とか言ったら怒るわよ?」
「とてもおいしいです!」
フェイラ強かったわ。
というか作ってもらったものに「普通」とかいうのはカスか。
なんなら、彼女の作ったパンは非常に柔らかくておいしく、そのうえスープで野菜も十分とれるから文句のつけようもないし。
(だけど、親の料理をほめるのとかなんか気恥ずかしくて難しいという俺の意見も理解してほしい)
ちなみに、普通の中世の黒パンは例えるなら黒いダイヤモンド(命名は俺が皮肉を込めて付けた)のようなものであり、歯ごたえ抜群すぎて一口三十回以上噛むことを人々に強制するという、栄養士もびっくりするくらいの健康食品となっている。
そうなれば味も当然激マズで、そんな世界に生まれていたなら現代の美食家と呼ばれた俺の肥えた舌ではご飯を食えずに餓死している可能性が高かったのだが、この村におけるパンはなぜかちゃんと柔らかいやつであり、しかもなんか普通においしいという特典付きである。
(ちなみに美食家云々は俺が自称しているだけであり、何ならバカ舌の完成形と呼ばれていたこともあるぞ。)
そもそも、中世のパンが疑似剛体になってしまった原因は、「長期保存の重要性の増加」によるところが大きい。
昔には冷蔵庫などというものは当然存在していなかったため、食料の保存が非常に困難であった。
穀物をそのまま放置していたら穀物自身の水分によって細菌が繁殖し、食料がカビだらけになって詰んでしまった町や村は数知れず、どのようにして食料を正しく保存するかが生死を分けたといっても過言ではない。
また、パンを焼くためには当然熱源が必要になるのだが、当時は薪といった燃料があまり入手できず貴重であったために、パンを焼く回数が数週間から数か月に一回になってしまい、結果として長期保存にかかるウェイトが重くなってしまったのも大きい。
そのため人々は水分自体を飛ばすために、手に入れた小麦などをすぐにパンへと変え、そのパンを強火で加熱し極限まで乾燥させることで、触感を生贄に長期保存できる食用の炭を手に入れたというわけである。
ではこの村で柔らかいパンが食べられるのはなぜかといえば、それはいわゆる「魔法」という技術によるところが大きい。
異世界転生ではもはや当たり前となった「魔法」という概念なのだが、この世界にも当然存在している。
この世界の人類は、「エルゴン」というエネルギーのようなものを放出、吸収できる身体器官を持っている。
「エルゴン」は熱や力場、電気、といったものに変化することができ、これを利用して様々な物理現象を引き起こすことができる。
そして、「エルゴン」には正のものと、負のものがあり、正のものはエネルギーを与えるものに変化し、逆に負のものは物体からエネルギーを奪うものに変化する。
具体的に言えば、正のエルゴンを放出し熱に変化させることで物体を加熱でき、逆に負のエルゴンを放出し熱を吸収させることで物体を冷やせるといった感じだ。
俺の村では、この技術をつかって氷を作り、その氷を用いて食料の冷蔵保存をしているほか、魔法によって薪を使わずとも十分強力な熱源を作り出すことができるので、長期保存をそこまで意識する必要がなく、結果として水分を保った柔らかいパンを食べることができるというわけである。
快適な世界を作ってくれた魔法に感謝だ。
朝食をとった後は、村の人と一緒に森に木を伐りに行く。
群生している針葉樹は20~30mほどと非常に大きく、普通こんなの切れないのではと思うのだが、村民たちは石の斧を使ってばっさばっさと切っていく。
しかもたった数回斧を振れば木が切断されるっていう無法っぷりだ。
この馬鹿力もさっき上げた魔法によるものであり、自身の肉体にエルゴンを流すことで細胞の代謝を強化し筋力を増加させつつ、そのうえで斧の速度を力場によって加速させることで異様な破壊力を生み出しているというわけである。
ただこの肉体の強化には大体1.3倍までという上限があり、あまりに筋力を上げすぎると自身がその速度についていけなくなったり、そもそもの肉体の耐久構造の限界によって体が動かなくなってしまうらしい。
といっても、もともとこの世界の人々の肉体が地球の人々のものよりもかなり強いというのも相まって、ばかでか大木を石の斧だけで切るとかいう珍光景が成立しているのだが。
(ちなみにフェイラに関しては、村の男性たちに引けを取らないくらい力が強かった)
自分の親が意味わかんない力で大木を切る様子をみて、俺が震え上がったのは言うまでもない。
というかあの怪力を見て、人々が彼女を「聖女」とか言っていたのってマジ?
絶対一人くらいゴリラとか思い浮かんだ人間いたと思うん...「なにか失礼なことを考えてない?」
「いいえフェイラ様そんなわけないじゃないですか。あなたの美しさがまさに聖女そのものだと思っただけです信じてください。」
即座に否定と賛美を合わせた言葉を吐き出し、そこに謝罪と懇願も混ぜ合わせるという高等テクニックを披露。
人々はこの無様な姿を見て情けないと思うかもしれないが、そもそも俺にプライドはない。
こんなところで虎の尾を踏んで死にたくはないのだ。
(というか、もしかして言った人間が消されたからその異名がないのか?)
思い至った最悪の結論に戦慄しながら、フェイラには逆らうべきでないと本能で感じ取った俺なのであった。
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人物紹介
主人公 名前 ダレル・ロゼンヴェイル
特徴 知能は高いが性格に難あり
ご愛読くださりありがとうございます。
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