プロローグ 「また逢う日まで」
本作品の製作にあたり、世界観・物理設定の検証およびブレインストーミングの補助として一部対話型AIを使用しています。本文およびストーリー展開はすべて作者自身により作成・執筆されたものです。
またこの作品の、タイトルはいまだ未定であり、決定次第随時変更していく次第です。
加えて、本作品には性的、差別的な内容が含まれているので苦手な方はご注意下さい。
ご理解、ご了承のほどをお願いいたします。
また、事前の告知等はするつもりなのですが、タイトル変更によって当作品の検索が困難になる場合がありますので、作者名を覚えていただくか、ブックマーク等の機能を活用していただけると幸いです。
(どうしてこうなったのだろう)
遠くへといってしまった彼の姿を思い出し、漠然と考えてしまう。
(正しいと信じて疑わなかったあの日々は、間違っていたのだろうか)
頭の中で思い当たる出来事を風船のように膨らませては針をさして割り、また膨らませては針で割る。
そんなことを数分繰り返したのち、ふと気が付くと、ばらばらになったくずどもで目の前がいっぱいになってしまっていた。
床に散乱したゴムたちは、すでに色褪せてしまっていて、昔のような鮮やかさは見る影もなく、脳内にはもう膨らませることができるものは何もない。
(それとも、私たちに原因があるのではなく、単に「偶然が重なった結果の不幸」でしかなかったのだろうか?)
時代、生まれた場所、家庭環境、遺伝子、周囲の人間......
私たちに影響を与えたであろう「偶然」を可能な限り挙げ続けた。
そのいずれもが、原因であるかもしれなかったが、「可能性」という枠をでることはない。
歯車の一つとして「論理的で正当な説明」という機械仕掛けの箱に埋め込もうとしても、それらが完全にはまることはなく、箱はどこかで必ず動かなくなってしまう。
いや、わかっている。私は単にそれらしいことを考え、目を背けようとしているだけなのだ。
それらは間接的にはかかわっているのかもしれないが、直接的な要因などにはなりえない。
私たちの歩んできた道に何かしらの問題があったという事実は、どうしたって変えることができないのであり、私はそれを受け入れなければならない。
(であるならば、私たちは出会わなければよかったのだろうか?)
少なくとも、あの『』を引き起こしたのは私たちであり、私たちが出会っていなければ、こんなことは起こっていなかったのかもしれない。
しかし、そう考えると同時に、あの『』がある意味「必然」であったということも本能的に理解していた。
人間という生き物が、知恵の実を授かり、日々の生活の中で幸せを求め、前に絶えず進もうとする時点で、必ずあの『』は起こっていたはずだ。
(でも、なぜ私はこんな...)
そこまで考えて、私は思考を巡らすのをやめた。
幾たびも繰り返したからか、最近ではその議論が始まってから終わるまでにかかる時間がはじめと比べて半分くらいになっていた。
そのくせ、胸にまとわりつくどろりとした罪悪感はそのままに、短くなる時間と
反比例するように回数は増えていくのだから、何とも忌々しい。
いっそ、世界中にいる敬虔な信者たちと同じように、全知全能の神のような存在に懺悔をし、祈りをささげてみようか?
彼らみたいに何かを盲目的に崇拝してみれば、無意味な自問自答をする回数が減るかもしれないし、もしかしたら本当に問題のすべてを解決してくれるかもしれない。
自身の体の前で、額、胸、左肩、右肩の順で手を動かし十字を作る。
しかしそのあとの、祈りの言葉が出てこない。
<時間を戻してほしい>
<彼の苦しみを取り除いてほしい>
<彼とまた穏やかな日々を歩めるようにしてほしい>
<彼と...>
祈りたいこと、かなえてほしいことなどいくらでもあるというのに。
「どれほど懺悔しようと、お前が行動しない以上、お前の隣に彼が戻ることは決してあり得ない。」
「神などというものが信頼に値しないことはお前が一番よくわかっているだろう。」
私の理性がそう語りかけてくる。
そしてふと、彼の姿が頭によぎった。
他者に対する無償の愛を届ける姿
ただひた向きに自身のやるべきことと向き合い続ける姿
周りの人間の痛みを理解し、向き合い支えあおうとする姿
大きな困難の中、この人となら大丈夫だと理由もなく信じさせてくれる強い姿
そして
自責の念に押しつぶされ、どんな光でも照らすことができないと錯覚するほど深い闇をその目に宿した姿
(そうだ、私は立たなくてはならない)
何があろうと、何を犠牲にしたとしても。
すべてを正すために。
そしてなにより、彼と再び笑いあうために。
ご愛読くださりありがとうございます。
更新の頻度に関して不定期になってしまうことをご容赦ください。




