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この世に一人だけの錬金術師~物作り好きのゲーマーが家族のためにアイテム革命起こします!~  作者: 鳥助
第三章

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87/98

87.最後の素材

 アマリアお姉様が周辺の安全確認に行った後、私は岩と向き合っていた。白粒石に手を掲げると、魔法を発動させる。


「【粉砕】!」


 すると、目の前の白粒石がどんどん削られていった。岩が崩れ、足元に溜まっていく。しばらく、削っていくと手を止めた。


「さて、この中にあるかな?」


 しゃがみこんで、削られた石を確認していく。一つずつ手に取って、属性石が出ていないか見ていく。


「うーん、これじゃないし……これでもないし……」


 手に取るものは全部石。属性石のようなカラフルな石が見当たらない。そう簡単には見つからないか。そう思って、石を避けていくと――赤い水晶のような石が現れた。


「あっ、これって! 鑑定!」


【火石】


・火属性の力が備わっている


「やった! 一つ目を見つけた!」


 ようやく、一つ目だ。だけど、思ったよりも小さい。


「うーん……。これだけだと素材として不十分かも。もっと、たくさん集めて調合に使えるようにしなくっちゃ」


 使えるようにするためには量も必要だ。一応これは取っておいて、どんどん掘り進んでいこう。


 再び立ち上がると、岩に向かって手を翳す。そうして【粉砕】を使って、どんどん穴を掘り進めていく。


 しばらくすると、また足元に石が溜まってきた。しゃがみこんで、一つずつ確認していく。


「えーっと……あっ! これ、火石じゃない!?」


 石をどけていくと、赤い水晶の石が見つかった。鑑定をしてみると、火石と出た。これで、二つ目の火石だ。そう思って火石を見ていると、違和感を覚えた。


「さっきのとちょっと違うような……。えーっと、さっきのと見比べて……」


 【素材保管】から先ほどの火石を取り出す。二つを見比べていると、その違いが分かった。


「あっ! 今取った方が色が濃い! ……この違い、何か理由があるのかな?」


 ……気になる。そういうのを調べるにはやはり鑑定を使うっきゃない。鑑定は私の意思で知りたい内容が変わっていく。ここで知りたいのは、色の違いだ。


「鑑定ちゃん、色の違いを教えて」


【火石】


・火属性の力が備わっている


・色が濃いほど、含まれた力が強くなる


「なるほど! 色の濃さって強さの違いなんだ!」


 これは良いことを知ったぞ。ということは、色の濃い石を使った方が効果が大きくなるということだ。


「じゃあ、今取ってきた火石の力の強さを教えて」


【火石】


・品質:79


【火石】


・品質:84


「これで品質84かぁ……。ということは、もっと上を目指せる? ……ううん、どうせなら品質100を目指したい!」


 最高級の素材を見つける。そう思ったら、俄然やる気が出てきた。素材の選別、やればやるほど沼っていく行為。久しぶりに極める時が来たか!


「四属性の石、品質100を目指すぞ!」


 ◇


 それから、素材の選別が始まった。


 一日中、岩を掘り続ける。魔力が枯渇してフラフラになりながらも、魔力が切れるまでひたすら続けた。砕けた破片の中から素材を拾い上げ、ひとつひとつ品質を確かめる。


 違う。また違う。


 何度繰り返したか分からない。同じ動作を、ただひたすらに続ける。


「これは……品質95。こっちは……品質98……」


 額から汗が滴り、視界がぼやける。そんなになるまで頑張っているのに、中々品質100は集まらない。


「まだ、まだだ……品質100じゃないと許さない……」

「えっと……ルイ? もう、そんなに素材が出てきたんなら、いいんじゃない?」


 後ろからアマリアお姉様の声がする。けれど、私は首を横に振った。


「いや、品質100じゃないとダメ! ここからが勝負なんだから!」

「そ、そうなの……?」


 呆れと心配が混じった声。それでも、手は止めない。


 掘る。選ぶ。捨てる。ただそれだけを、延々と繰り返す。気づけば、日が沈み、また昇り――。


 一日が経ち、二日が経ち、三日、四日。


 途中で何度も心が折れそうになった。どれだけ掘っても、あと一歩届かない。99にすら届かない石が続いた時は、思わずその場に崩れ落ちそうになった。


 それでも、やめなかった。やめた瞬間、ここまでの苦労が全部無駄になる気がしたから。


 そして、五日目。もう何度目かも分からない採掘のあと、手に取った石を確認する。


「……え」


 息が止まる。震える手で、もう一度確かめる。


「品質……100……?」


 信じられない思いで呟いた瞬間、胸の奥から一気に熱がこみ上げた。


「や、やった……!」


 思わずその場に座り込む。力が抜けて、しばらく立ち上がれない。


「とうとう……品質100の属性石が集まった……!」


 手の中で、それは静かに輝いていた。今まで見てきたどの石よりも、澄んでいて、力強い光。何度も見惚れてしまう。


「くぅー……この時の為に頑張ったかいがあった……」


 ボロボロになった手で、それでも大事そうに握りしめる。


「これで……最高級のアイテムが作れる!」

「ようやく、見つかったんだね。良かったわね、ルイ」


 いつの間にか隣に来ていたアマリアお姉様が、優しく微笑む。


「うん……!」


 短く頷く。その一言に、五日分の全てを込めた。


「アマリアお姉様が付き合ってくれたからだよ。本当にありがとう!」

「ルイが努力したお陰でしょ? じゃあ、そろそろ帰る?」

「うん!」


 後は家に帰って調合だ! 絶対に最高級のアイテムを作ってやる!

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新連載!

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この世に一人だけの錬金術師~物作り好きのゲーマーが家族のためにアイテム革命起こします!~

コミュ障クラフターの私、引き継いだ能力が異世界では規格外すぎて無自覚に無双してしまう件~地味に暮らしたいだけなのに、なぜか注目されて怖いんですが~

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