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この世に一人だけの錬金術師~物作り好きのゲーマーが家族のためにアイテム革命起こします!~  作者: 鳥助
第三章

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85.素材採取の探索

「アマリアお姉様、避けて!」


 声を上げると、アマリアお姉様の体が横に飛んだ。すると、そこにいた猿の魔物の姿を正面に捉えた。


 すぐさま、ショック玉を放つ。勢いよく飛んだショック玉は魔物に当たると、大きな音を立てて破裂した。


 その衝撃で頭が吹き飛び、魔物は倒れて動かなくなった。


「よし、戦闘終わり!」


 今回の戦闘も問題なく終わった。このショック玉の威力が凄くて、魔物を瞬殺出来るのが強い。


「アマリアお姉様、見た? 魔物は私のショック玉で一撃だよ!」

「本当に頼もしいわね。でも、決して前に出たらダメよ。今のように私が前に出て、魔物を引き付けてからね」

「分かってるよ。アマリアお姉様がいるから、私の攻撃アイテムが効力を発揮するんだ。だから、ありがとう」

「ふふっ、お礼言われるのはいいわね。じゃあ、先に進みましょう」


 私たちはそう言って、山道を歩き出した。斜面を上るのはきついけれど、子供のころから森を駆け回っていたおかげで足腰が強いからなんとか上れる。


 すると、木々が減り、岩肌がむき出しの場所にやってきた。


「やった! ここが中層?」

「そうみたいね。ほら、あんなに上ってきたのね」


 アマリアお姉様が振り向くと、森が遠くに見えてくる。その奥には、どこまでも続く草原が広がっている。もう、こんなに上ってきたなんて信じられない。


「なんか、高いところに上るのは気持ちいいね」

「そうね。……ルイとこうして冒険に出るの、本当は楽しみにしていたのよ」

「そう言う割には、冒険に出るのに否定的だったみたいだけど」

「理性と本能がせめぎ合った結果よ」


 そう言って、困ったように笑った。私もアマリアお姉様と冒険に出られて嬉しい。その内、家族で冒険に出るってことも可能になるかな? その為にも、今回の素材採取は成功させないとね。


「それで、ルイの求める素材はどこにあるの? その辺りに転がっているの?」

「その辺に転がっているものもあるけれど、岩を崩して採掘した方が当たりを引けそうなんだよね」


 資料によればメリネルト鉱石は赤茶色の土灰石の内部にあることが分かっている。だから、赤茶色の岩肌を見つけて、そこを掘削すればいい。


 他の属性石は濃い灰色と白い斑点が特徴的な白粒石の内部にあるらしい。そこを掘削すれば、現れるということだ。


「掘削って……つるはしとかもってきたの?」

「一応持ってきたけれど、それよりも便利な物があるんだ」

「便利な物? まかさ、ショック玉で崩す気じゃ……。それは危なくない?」

「ううん、ショック玉は使わないよ。使うのは錬金術の魔法」

「えっ? それはどういうこと?」

「見てて」


 不思議そうに首を傾げるアマリアお姉様の目の前に一つの石を出す。そして、その石に向かって錬金術の魔法を発動させる。


「【粉砕】」


 すると、固い石がボロボロになって崩れ去った。


「こ、これは……」

「調合する時に使用する魔法だよ。これさえあれば、固い岩肌も崩せるってわけ」

「錬金術ってこんなに便利なのね!」


 調合する時にしか使わないと思っていた魔法。だけど、調合以外にも使えることに閃いた。これさえあれば、簡単に掘削出来る。


「じゃあ、中層を歩き回って、素材のある地層を探そう」

「周囲の警戒は任せて。魔物には後れを取らないから」


 そして、私たちは中層の探索を始めた。ごつごつとした岩肌を歩きながら、目的の地層を探す。


 その間、何度か魔物が襲ってきた。だけど、アマリアお姉様の索敵能力で相手が攻撃を仕掛ける前に、こちらから先手を取れている。


 流石はアマリアお姉様。お陰で私は探索に集中でき、そして――。


「アマリアお姉様、見て!土灰石があった!」


 中層を歩いていると、とうとう赤茶色の石がある地層を見つけた。駆け寄って、早速鑑定をしてみる。


【土灰石】


・赤茶色をした石


・メリネルト鉱石を含む天然石


「うん、これで間違いない」

「ようやく見つかったのね。じゃあ、これから掘削作業?」

「そうだね、始めようと思う」

「だったら、私は周囲の警戒をするわ。ルイは掘削作業に集中して」


 そういって、アマリアお姉様は周辺の警戒に出かけた。お陰で、こちらの作業に集中出来そうだ。


 土灰石に向き合うと、手をかざす。そして、【粉砕】の魔法を発動させた。すると、目の前の土灰石が次々と砕けて地面に落ちていく。まるで、砂の城を手で崩していく感覚だ。


「凄い。これなら、すぐに掘り起こせそう」


 錬金術の魔法は便利だ。こんなことにまで使えるんだから。私は集中して、掘削作業をしていった。


 そして、掘り進めて一メートルほど。手を止めて、地面に転がった石を見る。見た感じ、メリネルト鉱石はなさそうだけど……。こういう時は鑑定だ!


【土灰石】


【土灰石】


【土灰石】


【土灰石】


【メリネルト鉱石】


「むっ、反応があった!」


 すぐさま、反応があった石を手に取る。表面についている石を【粉砕】で砕くと、中から白っぽい灰色の石が出てきた。


「これが、メリネルト鉱石! ついに、採取出来た!」


 ようやく、一つ目の素材を採取した! 嬉しくなってその場で回転した。


「まだ一つ目だ。まだまだ掘って、素材を手に入れよう!」


 素材は一つじゃ足りない。失敗した時や他の調合に使うかもしれないから、大目に採っておいて損はないだろう。


 私は岩肌に向き合うと、また掘削作業へと入っていった。

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