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この世に一人だけの錬金術師~物作り好きのゲーマーが家族のためにアイテム革命起こします!~  作者: 鳥助
第一章

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29.ファルスお兄様の薬の調合(1)

 机の上に並んだ素材の数々。どれも品質は100で、最高の状態を保っている。これだけいい素材が集まったのだから、きっと良い薬が出来るだろう。


「よし、やってやるぞ」


 私は素材を前にして腕まくりをした。気合は十分。あとは、目標に向かって突き進むだけだ。


「今回の調合はまずは素材から成分を抽出。その成分を【合成】して、新しい成分を作る。最後に合成した成分を【調合】して一つにまとめる。この方法でやっていこう」


 段取りを頭の中に思い浮かべ、間違いがないか確認する。この手順でやっていけば、新しい薬が完成するはずだ。


「まずはグラストの実から。どこに成分が含まれているのかな?」


【グラストの実】


・蔦に生る実


・筋肉の伸縮性を助ける成分を含んでいる


・果肉に成分が含まれている


「分かった、果肉だね。だったら、処置は簡単」


 【道具召喚】ですり鉢を出すと、その中にグラストの実を入れる。それから【粉砕】でペースト状にした。


「じゃあ、いつも通りに水に入れて、成分抽出だ」


 ペーストになったグラストの実を水入りの容器に入れ、混ぜ棒を入れるとかき混ぜ始める。同時に【成分抽出】を発動させた。


【???の水】


・微量の筋肉の伸縮性を助ける成分が抽出されている


「あっ、出てきた! もしかして、これはそのままで上手くいく?」


 さらに、【成分抽出】の魔法を発動させていく。すると、手ごたえがあった。


【???の水】


・少量の筋肉の伸縮性を助ける成分が抽出されている


「あっ、成分が増えている! だったら、このまま進めて……」


【グラストの実の水】


・筋肉の伸縮性を助ける成分が抽出されている


「やった! スムーズに成分抽出が出来た!」


 未だかつて、こんなにスムーズに成分抽出が出来ただろうか? それくらい、スムーズに成分抽出が出来た。


「よしよし、まずは一つ目! じゃあ、次は……ミシングの葉だね」


 グラストの実の水を避け、ミシングの葉を用意する。


【ミシングの葉】


・成分の働きを高める性質を持つ


「うーん。特にどこの部分に成分があるか表示されていないから、きっと葉自体に成分があるんだろうな。とりあえず、葉を刻んで水の中に入れてみよう」


 まな板の上にミシングの葉を置くと、【切断】で葉を切り刻んでいく。そして、切り刻んだ葉を水入りの容器に入れた。それから、混ぜ棒でかき混ぜながら【成分抽出】をする。


「どれどれ、どんな感じかな?」


【???の水】


・微量の成分の働きを高める成分が抽出されている


「うん、一応成分が出ているみたい。じゃあ、もっとやっていたら、どう?」


【???の水】


・微量の成分の働きを高める成分が抽出されている


「ダメだ、これ以上の成分抽出は期待出来ない。じゃあ、お湯にかえたら?」


 【温度上昇】で水をお湯に代え、さらに【成分抽出】を施していく。


【???の水】


・微量の成分の働きを高める成分が抽出されている


「か、変わらない!? じゃあ、生のままじゃあ、無理だっていうことかな?」


 過去の調合の経験があったおかげで、すぐに違う方法を思いつく。新しいミシングの葉をまな板の上に置くと、【乾燥】の魔法をかける。すると、ミシングの葉がしわしわに干からびていった。


「まずは乾燥させてから、成分を抽出する。とりあえず、この方法を試してみてから、ダメだったら違う方法だ」


 乾燥したミシングの葉を水入りの容器に入れ、混ぜ棒を入れて【成分抽出】を発動する。さて、これでどうだ?


【???の水】


・少量の成分の働きを高める成分が抽出されている


「おっ、さっきよりも効率がいい! じゃあ、これが正解なんだ!」


 良かった! 乾燥させたのが当たりだったらしい。そのまま【成分抽出】をしていくと――。


【ミシングの葉の水】


・成分の働きを高める成分が抽出されている


「やった、成功! これで二つ目!」


 無事に二つ目も成分抽出に成功した。ここまで、順調に来ている。残りの二つもこのまま成功させたいところだ。


「次はハイリンドの種だね」


【ハイリンドの種】


・魔力を回復させる成分が含まれている


・外皮は渋みがあり、注意が必要


「なるほど、外皮の成分はいらないものがあるみたいだね。だったら【成分消去】を使って、渋みを取った方がいい」


 容器にハイリンドの種を入れると、【粉砕】で細かくする。外皮も一緒になってしまったが、これはどうしようもない。種自体小さいから、外皮だけ除去するのは難しい。


 粉砕したハイリンドの種を水入りの容器に入れ、混ぜ棒を入れてかき混ぜる。【成分抽出】を発動すれば、水の様子が変わっていった。


【???の水】


・微量の魔力を回復させる成分が含まれている


・渋みがある


「うん、ここまでは予想の範疇。続けていくと、どうなる?」


【???の水】


・少量の魔力を回復させる成分が含まれている


・渋みがある


「あっ、良い感じに成分抽出されている! これは成功しそうだ!」


【ハイリンドの種の水】


・魔力を回復させる成分が含まれている


・渋みがある


「うん、成分はちゃんと抽出された。だけど、渋みが邪魔。【成分消去】を使えば……」


 【成分抽出】を止め、今度は【成分消去】を発動させる。間違って有効成分を消さないように、細心の注意を払って……。


【ハイリンドの種の水】


・魔力を回復させる成分が含まれている


「やった、成分消去が成功している! これで、ハイリンドの種からの成分抽出も成功!」


 これで、残るのは一つだけ。だけど、気は緩めない。最後までしっかりと間違いないようにやる。


「最後はウリックの根か……」


【ウリックの根】


・血の循環を促進する成分が含まれている


「うん、特に特記事項はないかな。あとは、抽出方法なんだけど……。とりあえず、生からやっていくべきか」


 まな板の上にウリックの根を置き、輪切りに切っていく。それを水入りの容器に入れ、混ぜ棒でかき混ぜながら【成分抽出】をした。


【???の水】


・微量の血の循環を促進する成分が含まれている


「うん、ここまではいつも通り。ここから先、どうなるか……」


 さらに【成分抽出】をしていくと――。


【???の水】


・微量の血の循環を促進する成分が含まれている


「ダメか……。じゃあ、熱を加えたら?」


 水でダメならお湯だ。【温度上昇】で水をお湯に代え、さらに【成分抽出】を施していく。


【???の水】


・少量の血の循環を促進する成分が含まれている


「おっ、変化が来た! これはお湯で正解かな?」


 どうやら、お湯で当たりみたいだ。さらに、【成分抽出】をしていった。


【ウリックの根の水】


・血の循環を促進する成分が含まれている


「最後の成分抽出、成功ー!」


 これで四つの素材から成分を抽出し終えた! 今までの経験が役に立って、かなりスムーズに終わらせることが出来た。


 となると、残った作業は【合成】と【調合】。初めて行う【合成】、上手くいくだろうか?

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