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【推理〔文芸〕21位】霧都ヴァル・ロンドリア探偵事件簿ー怪物に戸籍のある街で  作者: 虫松
霧都大虐殺

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第8話 白亜党の解体

議員会館12階のキングの間の議場は戦場だった。


砕けた柱。

炎。

煙。


機動隊は必死に持ちこたえている。


中央。


巨大な怪物が立っていた。


ドクター・ハロルド。


人間と怪物の融合体。

魔導生命体。

赤い目が議場を見下ろす。


挿絵(By みてみん)


「素晴らしい……!」


ハロルドは笑う。


「怒り」


「恐怖」


「憎悪」


「都市の感情が」


「私を進化させる!」


巨大な腕が振り下ろされる。


ドォォォォン!!


議場の床が砕ける。


機動隊が吹き飛ぶ。


盾が割れる。


その瞬間。


アレクシスが叫ぶ。


「一時、撤退だ!」


ミレイア・オズワルド

機動隊


一斉に動く。


議場奥の階段。地下へ続く通路。


アレクシスが言う。


「黒い石碑を壊す!」


「元凶はあれだ!」


三人は走る。


12階から


一気に


地下へ。


階段を駆け下りる。


怪物の追跡


後ろから


轟音。


ハロルドが追ってくる。


巨大な身体。


だが


動きがぎこちない。


足が壁にぶつかる。


腕が柱を砕く。


「ぐ……!」


ハロルドが低く唸る。


「身体が……!」


巨大な魔導骨格。


変異した肉体。

まだ完全に馴染んでいない。


動きが重い。

階段が狭い。

巨体では小回りが利かない。


アレクシスが振り返る。


「予想通りだ」


「変異したばかりの身体」


「運動制御が追いついていない」


ミレイアが叫ぶ。


「急いで!」


三人は地下へ走る。


背後で


ハロルドが壁を破壊しながら進む。


まるで


巨大な怪物が狭い通路を追いかけている。



■■■



一方その頃


キングの間 12階議場。


そこでは


もう一つの戦いが始まっていた。


ガルム警部補。


そして


バルク議員。


巨体の政治家。


赤い顔。


狂気の目。


バルクが叫ぶ。


「怪物の街など!」


「滅びればいい!」


拳銃を撃つ。


銃声。


ガルムが盾で弾く。


火花。


バルクは突進する。


巨体。


怪力。


まるで熊。


拳が振り下ろされる。


ガルムが受け止める。


床が砕ける。


二人は睨み合う。


バルクが笑う。


「お前ら怪物が」


「人間の街を奪った!」


ガルムの目が光る。


狼の牙。


低い声。


「違う」


彼は拳を握る。


「ここは」


「みんなの街だ」


バルクが吠える。


「黙れ!!」


二人が


激突する。


拳。


肘。


体当たり。


議場の机が砕ける。


椅子が飛ぶ。


ガルムの拳。


バルクの顔に直撃。


血。


しかし


バルクは倒れない。


逆にガルムを掴む。


「終わりだ!」


巨体で押し倒す。


床に叩きつける。


ドォォォン!!


議場が震える。


しかし。


ガルム警部補が笑う。


牙を見せる。


「警察を」


「なめるな」


人狼の怪力。

ガルムが立ち上がる。

バルクの腕を掴む。


そのまま後方へと投げる。


巨体が宙を舞う。


議場中央へ

叩きつける。


ドォォォォン!!


床が割れる。


ガルム警部補がゆっくり近づく。


「バルク議員」


バルクが起き上がる。


しかし

もう拳が上がらない。


ガルムは手錠を出す。


「公務執行妨害および内乱罪で逮捕だ」


金属音。


バルク議員


拘束。


白亜党の党首が逮捕された。



■■■



その頃。


地下大広間。


中央に立つ


巨大な黒い石碑。


都市の感情が渦巻いている。


ミレイアが震える。


「これが……」


「霧都の結界を利用してる……」


アレクシスが言う。


「破壊するしかない」


その瞬間。


壁が


爆発する。


ドォォォォォン!!


瓦礫の中から現れる


巨大な影。


ハロルド。


魔導生命体。

赤い目。

狂気の笑み。


「逃げられると」


「思ったか?」


怪物が咆哮する。


地下空間が震える。


アレクシスは静かに言う。


「いや」


帽子を直す。


「ここで終わりだ」


オズワルドが叫ぶ。


「石碑だ!」


ミレイアが魔力を集中する。


光。


魔女の魔法。


石碑に衝撃が走る。


ハロルドが叫ぶ。


「やめろ!!」


オズワルドが爆薬を投げる。


アレクシスが銃を撃つ。


魔導弾。


直撃。


黒い石碑破壊


ドォォォォォン!!!


巨大な爆発。


石碑が


砕ける。


魔導文字が消える。


光が消える。


都市を覆っていた


魔導音波


停止。


その瞬間。


霧都全体で


暴れていた怪物たちが


止まる。


暴徒が我に返る。


街が


静かになる。


ハロルドがよろめく。


「……なぜだ」


魔力が消えていく。


「私の……」


「実験が……」


アレクシスが言う。


「終わりだ」


ハロルドは笑う。


静かに。


狂気の笑み。


「いや」


霧が流れ込む。


地下に広がる霧。


ハロルドの体が霧の中に溶けていく。


「いや実験は大成功だ」


声だけが残る。


「また会おう 名探偵どの」


霧が消える。


そこにドクターハロルドはいない。


霧都戦争終結


夜明け。


霧都ヴァル・ロンドリア。

街は傷ついている。

だが戦争は終わった。


黒い石碑破壊。

音波装置停止。

怪物暴走停止。

白亜党壊滅。

バルク議員逮捕。


内戦はギリギリで

止まった。


しかし。


一人だけ


消えた男がいる。


ドクター・ハロルド。


霧の街のどこか。

霧の向こうで。

彼はまだ笑っている。

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