第7話 キングの間
爆破。
重厚な扉が吹き飛ぶ。
煙。
瓦礫。
機動隊が雪崩れ込む。
盾。
銃。
魔導ライフル。
そして先頭に立つ男。
ガルム警部補。
その後ろに
アレクシス・グレイヴン
ミレイア・ルーンベル
オズワルド・ハーゲン
彼らの目の前に広がるのは
巨大な円形議場。
キングの間。
その中央に二人の男が立っている。
白亜党の党首 キング
白いスーツ。
冷たい笑み。
バルク議員。
彼はゆっくり拍手する。
「素晴らしい」
「警察も探偵も」
「ここまで来たか」
その横に立つ
白衣の男。
静かな笑み。
狂気の瞳。
ドクター・ハロルド。
議場の奥。
地下へ黒の碑と続く魔導装置。
そこに立つ巨大な装置。
黒い碑には魔女文明の遺産。
表面に刻まれた魔導文字が
不気味に光っている。
ミレイアが震える。
「……あれ」
「街の感情が全部…」
「吸い込まれてる…」
ハロルドが笑う。
静かに。
ゆっくり。
「そうだ」
「都市とは実験場だ」
魔導装置に手を置く。
「人間も怪物も」
「感情に支配される」
目が狂気に輝く。
「だから面白い」
議場が震える。
石碑が光る魔導文字が暴走する。
紫の魔力。
都市全体の怒り。
恐怖。
憎悪。
それらすべてが石碑に流れ込む。
ハロルドは言う。
「最終実験だ」
「私はついに」
「証明する」
彼は笑う。
狂気の笑み。
「人間と怪物」
「どちらが上かではない」
声が低くなる。
「融合すればいい」
ガルム警部補が叫ぶ。
「やめろ!!」
しかし
遅い。
ハロルドは魔導装置に両手を突き刺す。
魔力が彼の体へ
流れ込む。
変異
骨が軋む。
肉が膨張する。
白衣が裂ける。
血。
魔力。
肉体が変形する。
背中から黒い魔導骨格。
腕が巨大化する。
皮膚が黒い魔導紋様に覆われる。
顔が歪む。
人間と怪物の融合
魔導生命体。
そのすべてが混ざる。
巨大な怪人が立つ。
三メートルを超える体。
魔導結晶の角。
赤く光る目。
ハロルドの声が響く。
「これが究極だ」
議場が震える。
「これが」
「人類の進化!!」
怪物が咆哮する。
魔力の衝撃波。
機動隊が吹き飛ぶ。
怪物ハロルドが動く。
一歩。
床が砕ける。
機動隊が撃つ。
魔導ライフル。
銃撃。
しかし
弾が弾かれる。
ハロルドが腕を振る。
一撃。
機動隊が吹き飛ぶ。
盾が砕ける。
装甲車が壁に叩きつけられる。
兵士が叫ぶ。
「化け物だ!!」
ハロルドは笑う。
「そうだ」
「私は化け物だ」
「だが」
巨大な拳が床を叩く。
爆発。
「未来の化け物だ」
ガルム vs バルク
その混乱の中。
バルク議員が拳銃を抜く。
「警察は」
「ここで終わりだ」
銃声。
ガルムが盾で弾く。
バルクは叫ぶ。
「人間の街を取り戻す!」
ガルムの目が光る。
牙を見せる。
「街は」
「誰のものでもない」
彼は拳を握る。
「守るものだ」
二人が激突する。
人狼の怪力。
政治家の狂信。
議場で殴り合いが始まる。
アレクシス vs ハロルド
怪物ハロルドが
ゆっくり
アレクシスを見る。
「久しぶりだな」
低い声。
「私の最高の弟子」
アレクシスは静かに言う。
「あなたは」
「恩師だった」
帽子を直す。
「だが」
「今は事件の犯人だ」
ハロルドが笑う。
「論理の探偵」
「まだ信じているのか?」
巨大な腕が振り下ろされる。
爆発。
床が砕ける。
アレクシスが避ける。
ハロルドは言う。
「世界は」
「論理では動かない」
拳が叩きつけられる。
「感情だ」
ミレイアが叫ぶ。
「アレクシス!」
怪物ハロルドが議場中央に立つ。
魔導生命体。
都市の怒りを吸収した
霧都最強の怪物。
そして
アレクシスは言う。
静かに。
「違う」
帽子を深くかぶる。
「あなたは一つ」
「見落としている」
ハロルドが止まる。
「何?」
アレクシスが言う。
「魔法を論理で解体する」
議場に静寂が落ちる。
そして霧都最大の決戦が始まる。




