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「おい、一体全体どういうことだ?ボイコットか?全員自殺希望か?あぁー?」
食堂で新入生を待つ伊崎は腕の時計に目を向けながらまだ残っているタバコを握りつぶした。
もう既に3分は経っているはずだが、食堂には一人の生徒の姿もみえない。
「まだ後2分あるじゃないっすか。もう少しのんびり待ちましょう。ホントせっかちというか、短気というか。」
伊崎の後ろで椅子に座りながらメスでミカンの皮を剥く白衣の男性‐枡川悠里‐は綺麗に剥けたミカンを一つずつ口の中に放り込んだ。
「後2分後に指切り落とされると思えば早く来るもんだと思ったが…指だけじゃ足りねぇみたいだな…。」
伊崎は新しいタバコに火をつけると、美味しそうに煙を吐いた。
「おー怖い怖い。まぁ、それにしても1人も来ないのは珍しいっすね。もしかして、みんな死んじゃったとか?」
「みかん食いすぎて頭にまで甘皮張っちまったか?あ?脳みそごと削ってやろうか?」
「あははー先輩こわーい……その前に全身の皮削いで標本にするっすよ?」
枡川はニコニコと笑みを絶やさず、手にあるメスを伊崎に突き付けた。
「怖ぇのはどっちだよクソが…。」
伊崎はため息と共に煙を吐くと、近くの椅子にドカッと座り、時計に目を向けた。
「まぁあり得ん話だが、枡川の言うこともあながち間違ってはおらんぞ。」
背後から聞こえた声に二人は振り向き目を見張った。
「珍しいっすね…貴女がここに来るなんて。」
「こんなとこに、一体何の用だ?…学長様よぉ。」
二人の後ろにいるのは、黒のゴシック服に身を包み、長い金髪を靡かせる少女であった。




