序章
世界は突然、月夜と昼に分けられた。
この星の周りに鏡と遮光版が展開されたとか、地軸の角度が変わったとか、様々な噂が流れたが誰も正確なことはわからなかった。
14日間の月夜が続くと15日目には太陽が現れ、24時間大地を温める。そして、また14日間月夜が続く…
この世界からは新月と満月が無くなった。
同時に世界は冷えていった…
生態系は徐々に構成員の交代を始めた。衛星軌道上のソーラーパネルと送電用軌道エレベーターのおかげで月明かりの乏しい数日間でさえ闇に包まれることはなかったが、エネルギーは圧倒的に不足し文明は少しずつ後退していった…
世界の激変から数年して、人類に奇病が発生した…
下半身から硬化が始まり、それは全身に拡がり意識のあるまま動けなくなった。皮膚は変色し木造彫刻のようだった。
人々はそれを「木変病」と呼んだ。
原因は不明で、当初は感染症ではないかとの噂が広まり、発症者のみならず、家族もろとも焼き払われる殺人が各地で発生し、数カ月で人類は多くの命を失った。
寒冷化、農業の衰退、による食料不足、そして奇病の発生…
いくつかの政府機関はその機能を失い無法地帯と化し、高緯度地域と熱帯地域は居住が不可能となり国家自体が消滅した。
木変病は世界を覆いつくし人類の命運は尽きかけていた。
薄暗い荒野をオレはよろよろと歩いていた。空腹のせいだ。だけど、不思議と不安は無かった。そう、オレには声が聞こえていた。「探しなさい、本を探しなさい」「本はお前のよく知っている場所にあるから、諦めないで」
声は優しく温かった、久しぶりの声だった。だからなのかオレは心地よかった。
足元は砂地で不安定だったが、オレはよろめきながらも確信を持って歩き続けた。
「そう、方向は間違っていない。お前自身の感覚を信じて、探しなさい」「探しなさい、本を探しなさい」「本はお前のよく知っている場所にあるから、諦めないで探しなさい」
辺りが明るくなった…
目を閉じると同時に…オレは目を覚ました。
お袋と妹のユナが固まって動かなくなったオレの家で……
この作品は事前の入念な構成はせずに主人公の設定だけで始めます。下書き後のチェック・修正も1回しか行わない、かなり乱暴な作りです。「かわいいの王国」の取材が上手くいってなくて止まっているので、自分に「喝」を入れる目的もあります。週1回の更新を予定しています。
様々なツッコミお待ちしております。




