1-3”同級生”という科学
彌汲孝弘と臣子道彦は幼馴染である。
その遊びと手加減は最古の時代背景から遺伝子を経て関係を持ったとされる。
ブレトルとインシュビ―自体が親子でなく、その魂と意志を巡りながらこの、世界線畏怖なるジパン・バルラーの世界へと辿り着いた。
それは、如何なる生命で在ろうとも、宇宙からの贈り物として受け取ったに違いない。
◇
「なぁ、俺達もう10歳になっちゃったな!」
「あとちょっとで誕生日。僕達は小学4年生だね」
成績優秀と言われた二人。孝弘は力を引継ぎ、道彦は頭脳を引継いだ。お互いがその”才”を競う頃、それぞれの両親達は仕事や家事、育児に付き合いなど足に車を付けた状況である。
このように我が子が成長する姿を目にするのも親にとって褒美となるに相応しい。
「道彦、今日の授業は何をしたの?」
「うんと、科学と生命と数式に社会とバルラー語かな」
「お前達は同級生になってまだ3年を迎える。孝弘とな・・・」
「うん。同じ学年になっても僕達は友達だからね」
臣子家では道彦の誕生日を迎え、その成長を見守ることを約束していた。一方、その意志は生命学理論に沿った、かつての姿を彷彿させるような出来事が起きていた。
それも神・マーズの言葉に従うような意志を持ちあわせていた様である。が、孝弘も同じくして親だった頃と異なり、子供として大人の道を進んでいた。
あくまでいち、学生としての成長を褒め称える両親を前にしてだった。
「孝弘、キミは道彦君と同じ学級で生命の道を進むように成長をするのだろう。だからその頂きを、かつての自分の様に慕うのだから、全く恥じる事はない」
「父さん、つまらない話はいいよ。それと道彦は何だか俺と違う意見ばっかりだもんなぁ~」
「あら、そうなの?でも、それは普通の事だと意識すればいいの。考え方や思い様の異なる自分を再生しているの・・・と、母さんは思うのよ」
「ちぇ、勝手に決めなくていいよぉ・・・」
「ふふ、キミは将来、科学者の道を選ぶかもね・・・道彦君と”そっくり”に――」
孝弘の父である治具流は常に大統領秘書として、生命に対する研究についてその思考を張り巡らせる。”ジパン”という世界に横行する内に、自らの思考を意志を詩集として書き留めているが、息子の孝弘と同級生となった道彦にも生命とは何か?と尋ねる事が在り、特に道彦からは憧れの要素が掴まれているので、同級生という形式を取りながら孝弘と共に遊びと手加減を繰返していた。
それも――、
「――だから”生命学理論”っておじさんは言うけど、僕達は虹色のシャボン玉のように膨らんで飛んできたって、聞いた事があるよ?」
「また、父さんは”詩集”と言って預言書を作っていたんだな。俺達は最初から最後まで授業と勉強ばかりで、体育にもめげずに頑張るんだ」
「だって、食べなくちゃ生きていかなくちゃ、僕達はその役割を全うできないんだよ?それに他に真波ちゃんや、拓斗君、ジールちゃんも同じ生命だったらしいから、おじさんの言う事は正しいはずさ」
「何か、大人の会話みたい・・・」
春に入学したばかりの子供達が同級生として異なる道を進もうとしている。
それは生命の形式として同じなのだが、遺伝粒子の放出がその体を通してまるで、脳が波長を変化させている様でもある。
それぞれが同じ友を得るのでなく、異なる友を引き寄せているのだと、彼等は自慢するが、孝弘と道彦の場合は時を刻まれてズレた関係でもあった。それも最古からすれば数億年という時の違いなのに、畏怖はたった数ヶ月の違いであり、同じ場を以って成長を続けていたのである。
――独創と独論による闘いと絆によって生まれ変ってきたのだろう――、と。
―――
「そういえば、道彦って俺の隣に座っているだろう?なんか時のズレが感じられるんだけど。俺、父さんの話聞いて居たら普通じゃない言葉を言っている気がするんだよなぁ・・・」
「治具流おじさんはいつも、『遠い過去から現在へ辿り着いた』と言っていたね。僕は孝弘君と違った場所に居るから、だからズレを感じているんだと思うよ?」
「空間って、変な気分だなぁ・・・ところで道彦、お前は体育の授業中に勉強ばっかりしてるせいで運動が遅れているみたいだぞ?」
「君の体力が強いせいさ。僕は勉強しないと親になれないってお母さんから聞かされていたもの。体育よりも・・・でも、それも勉強だから・・・ま、いいか・・・」
二人は時に宇宙を眺める天体望遠鏡のような意見を繰り出す。魂と意志が変容を繰返し、その肉体を異なるものへと組み替えられると、その記憶は常に引継ぎ続け、蓄積される事を意図したように、生を受け、”同級の立場”として成長を続けていたのである。
彼等は「どこから辿り着いたのだろう」という理念と概念に囚われつつも、その時代のズレだけは叶わない未来を創造し続けるのだから・・・。
「もう、秋かぁ、」
「早いね。ジパンじゃ受験の方を選ばなくちゃ次の学年に上がれないから、テストするしかないんだよね」
「父さんと母さんから聞いた話だけど、昔は受験じゃなくてテストして採点されたら、その点数ごとの授業を受けさせられると聞いた事がある。それは厳しい道だとか言ってたなぁ・・・俺、逃げたい。でも、体育なら立ち向かうよ」
「ははは、孝弘君らしい言い分だねぇ~」
「道彦、お前も体育がんばれよ!」
「あ、勉強しなくちゃ!」
「待てよぉ~」
「あ、追い付いた・・・さすがに速いね!」
「お前がサボるからだぞぅ?」
それは時に徒競走の様に激しい論争であった。子供の成長は時に従って同じ道を辿る事も神・マーズは許した。それは天使の赦しと異なる意志を尊重しての事である。
時が刻々と進むうちに彼等も成長と変化を遂げると約束してくれた。
◇
「俺達、また同級生として学校通うんだ!」
「そうだね。小学5年生で11歳になるから、また同じ道を歩くんだね!」
「あいつら、仲いいよなぁ~」
「だって生まれてすぐの幼馴染だもの。それは仕方ないよぅ」
「孝弘と道彦は将来、同じ道に向かうんだろうなぁ・・・」
このようにして、
遊びと手加減による生徒の話が続いていたのだった――




