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コンピテンス4  作者: G.j.jijo 沼里泰行
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葛藤3



「みんなが揃っているから紹介したいんだって」



「仕方ないわね、敵地に乗り込んで向こうの陣容も知っておかなければならないわ」



「説子、何よそれ」



「あの綺麗なヴォーカルの人もいるんでしょう」



「そりゃ、勿論いるわよ」



「わかったわ、行ってやろうじゃないの。洋子がんばろ!」



「説子、目的はあくまでも仲良くすることよ、忘れないでね」



「わかってるって、本当に洋子は人がいいんだから。今から支度をするわ」



「ありがとう、じゃあ13時にJR品川駅改札口の時計の前にいるから」



「わかった、じゃあ後で」




JR品川駅高輪口は京浜急行の改札と隣接していて沿線には学校があり、学生の利用者も多い。特に京急は羽田空港と直結しており、品川プリンスホテルやSINAGAWA GOOSに代表されるビジネス向けのホテルと相まって、観光客やビジネスユースにも使われるという特色がある。



洋子は品川駅の改札を出て、目の前にあるアナログの大きな丸い時計の前に立った。時計は約束時間の15分前の12時45分を指していた。洋子の服装はミッキーのキャラクターが描かれている白地のTシャツに、鮮やかなブルーのミニスカート。そして表情はほんのちょっぴり緊張をしていた。




そこへ大介が笑顔で現れる。



「洋子、お待た。説子はまだ来てないのか」



「うん、でも約束の時間には来ると思う」



「急な話で悪かったな」



「うん、大丈夫。でも、意識しないようにしてるんだけど、やっぱり緊張する」



「当然さ、最初は誰でもやりずらいさ。でも、俺は恋の駆け引きはしない。洋子もそうしてくれ」



「うん、わかった。私も何か楽器に挑戦してみたいんだけど」



「本当か?」



「だってせっかくバンドに参加するんだもん、やりたいわよ」



「じゃあ、まず声を出していこう。歌は楽器よりハードルが低いし、それに説子だってカラオケが好きじゃないか」



「うん、いいかもしれない。私も歌が上手くなりたいもの」



「大きな声を出すってめちゃめちゃ気持ちがいいんだ」



「楽しみだわ」



そこへ白地に赤いボーダー柄の綿のワンピースを着た説子が、人混みの中から改札を出てきてすぐに2人を見つけ近づいてきた。



「ごめん、待った」



「まだ約束の時間になってないわよ。どうでもいいけど夏らしいカッコね」



「あら、そうかしら。私は普通だけど」



「いいとこ見せたいのかな」


「大介、私たちがライブ見たこと忘れてるの。メンバーはどんな人か覚えてるんだから」



「好みのタイプがいたのか」



「演奏している姿はかっこよかったけど、普通にしてたらただの人でしょう。よくスキー場で出会った彼と都会であったら全然かっこよくなかったって話と同じだわ。だからこういうとき私は期待しないの」



「はは、みんな気さくでやさしいから説子だってすぐに仲良くなれるさ」



「みんなっていったって、残りはドラムとキーボードの人しか男性はいないじゃない。太っているからドラムの人は問題外!」



「説子のために痩せたらどうする?」



「そのときはそのときよ。でも気持ち的にぐっとくるのは確かね」



「そういう風に意思をしめされると結構女って嬉しいものよ。ねえ、説子」



「うん、だけどタイプじゃないとただの迷惑」



「説子、彼氏は欲しくないのか」



「そりゃ欲しいわよ。でも苦労するのは嫌、誰かさんみたいに」



「おっと、空模様が悪くなる前にみんなが待っているから行こうか」



「大介、私たち本当に行っていいの?」



「もちろんさ洋子、みんなで歓迎してくれる」



「でも、音楽って辛いこともあるでしょう」



「そうだな、取り組み方次第かな。難しいといえば難しいし。でも、そんな苦労を一瞬で忘れるほど音楽は素晴らしいものだよ」



「わかったわ、大介について行くから」



「うん、洋子ありがとう」







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