頼れる仲間
リミスが合流し、クチアとの戦いは一気にムラサメたちの有利に傾いた。ムラサメに殴り飛ばされたクチアは地面に体を打ちながら転がっていた。そんな中、クチアは笑みを浮かべていた。
ダメージを受けたが、あいつらとの距離を取った。今しかない。
そう思った直後、クチアはゆっくりと上半身を起こし、周囲を見回した。ムラサメが走って迫っているが、ムラサメの足の速さは戦いを始めた時よりも走る速度が落ちていた。
あの速度なら、余裕がある!
クチアはそう確信し、急いで服の胸ポケットにあるチョコを取り出し、口に入れた。
「あ! あいつなんか食いやがった!」
ムラサメは大声でこう言った。リミスは急いで<フワフワタイム>を使って瓦礫を飛ばしたが、クチアはチョコを飲み込んで笑みを浮かべた。
「遅い!」
そう言って、クチアは迫ってくる瓦礫に触れた。その直後、瓦礫は爆発した。
「クッ!」
「フハハハハハ! 残念だったな! 十分な魔力を補充したわけではないが、貴様らを殺すには十分すぎる量だ!」
高笑いをしながら、クチアはムラサメに迫った。
ムラサメは魔力の源がカロリーであるとリミスから教わっていた。ムラサメはクチアが今口にしたのが、高カロリーになりように作られたチョコであると推測した。
まずい、魔力を回復された!
ムラサメはすぐに<イビルアイ>を使って催眠しようとしたが、クチアは催眠状態にならなかった。
「残念だったなぁ‼ もうお前の催眠で操られることはない!」
そう言うと、クチアは猛スピードでムラサメに接近し、ムラサメの腹を右手で殴った。殴り飛ばされたムラサメは床の上を転がったが、それに対してクチアは構えてこう言った。
「このままこの場所をお前の墓標にしてやる!」
「どういうことだ……おいマジか⁉」
クチアの言葉を聞いたムラサメは、嫌な予感がした。その直後、ムラサメの嫌な予感は的中してしまった。
ムラサメはこう考えていた。クチアはあらかじめ、この部屋の柱や天井などに手を触れ、爆弾にし、この場所で戦いになった際に状況を覆すために爆発を起こすと。その考え通り、クチアは部屋の天井や柱を爆発させ、周囲に瓦礫を飛ばし、砂煙を発した。
「うおわァァァァァァァァァァ‼」
ムラサメは落ちてくる瓦礫や柱の破片に当たりつつ、大量の砂煙のせいで戦えない状態になってしまった。まだダメージが残っているソワンも、砂煙に飲まれたムラサメを救うことはできなかった。
「あいつ……こんなことを」
「ソワン、捕まった二人の回復をお願い」
と、リミスはヒアラを手にしてこう言った。リミスが戦いに行くと察したソワンは不安心を抱いたが、ムラサメのリミスを信じるという言葉を思い出し、リミスの言う通りに動いた。
クチアは咳き込むムラサメに近付き、笑みを浮かべていた。ムラサメはクチアの気配を察し、左手で殴ろうとした。だが、先ほどの爆発で落下した天井の一部がムラサメの上に落下した。
「が……あが……」
「奇跡は俺に味方したようだな」
「俺の運が悪かっただけだよ。悪人に奇跡は起こらない」
ムラサメは左肩を抑えながら、苦しそうにこう言った。その言葉を聞いたクチアはイラっとしたが、その直後に大きな瓦礫がクチアの顔面に向かって飛んできた。
「ぶっばぁ……」
「だから言っただろうが、悪人に奇跡は起こらないって」
ムラサメは鼻血を流しながら倒れるクチアを見て、ため息を吐きながらこう言った。その直後、リミスがムラサメに近付いた。
「無事のようね」
「命はな。左肩はやられたが」
「分かった。こいつは私が追い込んでおくから、ソワンの元に戻って」
「あいよー」
と言って、ムラサメはソワンの元へ戻った。クチアは立ち上がろうとしたが、その前にリミスはソワンを振るってクチアの左足に深い切り傷を作った。
「あがッ‼」
左足を斬られたクチアは再び転倒した。その時、クチアは右手の近くにある石ころを手にし、<リトルリベンジャー>で爆弾にした。これで反撃を試みたが、その前にリミスはヒアラの剣先から小さな火の矢を発した。
「なっ⁉」
突如飛んでくる火の矢を見て、クチアは一瞬だけ動きを止めてしまった。小さな火の矢は、クチアの右腕を貫いた。
「アガァッ‼」
「悪いけど、もっとあんたに痛い目を見てもらうわ。あんたがやった鬼畜外道の行為、許すわけにはいかないから」
と言って、リミスは無理矢理クチアを立たせた。
「クソガキが……クソガキが! 調子に乗るんじゃねぇぞ!」
怒り狂ったクチアは、広いっていた爆弾化した石ころをリミスに向かって放った。だが、クチアがそう動くと考えていたリミスは、対処法を練っていた。
「悪人に奇跡は起こらない。ムラサメの言ってた通りね」
と、リミスはこう言った。リミスに向かって飛んでいく石ころだったが、突如石ころは何かで弾かれたように飛んでいく方向を変えた。
「はへ?」
<リトルリベンジャー>を使って爆発させようとしたクチアは、石ころが飛ばされた方向を見ていた。石ころは、クチアの方に飛んでいた。
「一度、自分で作った爆弾の威力を、その身で味わったら?」
クチアから距離を取っていたリミスは、大声でこう言った。その直後、石ころは爆発した。
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