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再び最悪な状況


 クチアを倒すため、ムラサメたちはデーモンブレスのアジトに乗り込んだ。敵はアジト内で待ち構えていると察したが、どんな行動をしても戦いになる。そして、敵は自分たちがいることを知っているとムラサメは考え、堂々と歩いていた。


「それにしても、堂々と歩くわね。少しは隠れるとかしないの?」


「無駄だよ。どんなことをしても、あいつらは俺たちがここにいるってことを知ってんだ。だったら、敵の姿を出させるためにわざと堂々と歩くしかねーんだ」


 ムラサメの返事を聞き、ソワンは呆れてため息を吐いた。


「そんな簡単に敵が姿を見せるかしらねぇ」


「案外見せるかもしれねーぜ」


 ムラサメが笑みを浮かべながらソワンにこう答えた直後だった。何かの音を耳にしたムラサメは急いでリミスとソワンに抱き着き、角に隠れた。


「何すんの⁉」


「敵がいたの?」


 怒るソワンだったが、冷静なリミスの言葉を聞いて我に戻った。


「敵?」


「ムラサメは猫女。私たち人より耳がいい」


「ああ……」


 ソワンが納得した直後、発砲音が響き、無数の弾丸が放たれた。


「あいつらアサルトライフル装備してやがる。面倒だなー」


 ムラサメはそう言うと、敵の攻撃が止むのを待った。しばらくして銃声が聞こえなくなったのを耳にしたムラサメは敵に姿を見せた。


「あ! やっと現れやがった!」


「急いでリロードしろ! あの猫女を倒すぞ!」


 デーモンブレス団員は急いでアサルトライフルのリロードをしたが、その前にムラサメが<イビルアイ>を使い、団員の目を見た。ムラサメの目を見た団員は、体中の力が抜けたせいか装備していたアサルトライフルを落としてしまった。


「よーしよし。このまま俺にアジト内の地図を渡せ。持ってなかったら教えろ」


「はい……分かりました」


 催眠にかかった団員はゆっくりと動きながらムラサメたちに近付き、地図を渡した。その後、リミスとソワンに地図の確認を任せたムラサメは、団員にこう聞いた。


「この周辺の罠について教えろ」


「はい……この先の道に、別の通路に繋がる落とし穴があります」


「落とし穴ね。どんな特徴があるんだ?」


「それは……」


 団員が言いかけた時、ムラサメは魔力を感じて後ろに下がった。リミスとソワンは急いで魔力のバリアを張り、ムラサメをバリアの中に入れた。その直後、団員の体が破裂した。


「爆発した……」


「クチアかこのアジト内にいる誰かのスキル……あるいは魔力を使った技ね」


「自分の仲間を犠牲にして、俺たちを倒そうとしたのか。命のことを考えないクソ野郎だな」


 ムラサメは周囲を見回し、大声で叫んだ。


「おい、クチア! テメー卑怯なことしてんじゃねーぞ! 男なら真正面から俺たちと戦えや! それか、卑劣なことをしないと勝てない下劣な卑怯者ってわけか? だとしたら、テメーは心底腐った野郎だな! 覚えてろよ、テメーはギッタギタにしてやるからな!」




 隠しカメラでムラサメの姿を見たクチアは、小さく笑っていた。


「下劣な卑怯者……か。あいつはバカだ。戦いに卑怯も何もない。勝利こそが正義だ」


 と言って、ワインを飲んだ。その後、近くにいるワインボトルを持った部下の方を向いた。


「罠を作動させろ」


「でも、近くに味方がいますが……」


「あいつらの戦力を分断させるのを優先させろ」


「分かりました」


 部下は返事をし、スイッチを押した。




 ムラサメたちが歩いていると、突如上から音が聞こえた。


「な……何だ?」


 ムラサメが動揺すると、突如上から天井の一部が落ちてきた。ムラサメたちは悲鳴を上げながら、落下してくる天井を避けた。


「あ……あぶねー」


「これも、敵の罠かしら?」


「かもな。ソワン、無事か?」


 ムラサメにこう聞かれ、ソワンはすぐに傷がないことを伝えた。だが、周囲を見回してあることに気付いた。


「リミスは? リミスはどこに行ったの⁉」


「参ったな。殺気の天井の落下で分断されちまったか」


 そう言いながら、ムラサメは<イビルアイ>を使った。魔力探知で、リミスの無事を調べるためである。


「とりあえず、リミスの魔力を探知できた。強さも変わってない。無事だから安心しろ」


「安心できないわ! すぐにでもリミスと合流しないと!」


 リミスと分断されたことで、焦ったソワンは拳で落下してきた天井を殴った。だが、天井はかなり分厚く、ソワンの拳では壊れることはなかった。ムラサメは急いでソワンに近付き、羽交い絞めをして動きを止めた。


「落ち着け。リミスは無事だ。魔力も探知できたし、もし敵と遭遇しても今のリミスなら余裕で倒せる」


「黙りなさい! リミス! リミス! 今助けに行くからね!」


 かなり動揺しているソワンを見て、ムラサメはため息を吐いた。


「仕方ない。ソワン、俺を怒るのはあとにしてくれよ」


「は⁉」


 怒りの表情で、ソワンはムラサメの方を振り向いた。その時、ムラサメはソワンの顔に近付き、キスをした。いきなり口づけされたため、ソワンは一瞬動きを止めてしまった。


「な……何すんのよォォォォォォォォォォ⁉」


 ソワンは怒声を発しながら、ムラサメにドロップキックを浴びせた。


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