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喧嘩の始まり


 ネハたちが返り討ちにされたことを知り、ムラサメはデーモンブレス、クチアと戦う決意を固めた。翌日、トベルートのギルドの車がムラサメたちを迎えにきた。ムラサメたちが車に乗り込んだのを確認した運転手は、咳払いをしてこう言った。


「では、デーモンブレスアジトまで向かいます。私自身戦闘能力がないため、離れた場所で駐車することになりますが」


「それでいい。あいつらとの戦いは俺たちに任せてくれ」


「了解です」


 運転手は言葉を返した後、運転を始めた。


 走る車の中、ムラサメは<イビルアイ>を発動していた。そのことを察したリミスは小声でムラサメの耳に近付いた。


「ねぇ、どうして<イビルアイ>を使っているのよ?」


「ロマクの騒動を思い出してくれ。あいつがワルザーに情報を流したせいで、俺たちがアジトに向かっていることがあいつらにばれた。今も同じ状況だ。クチアたちは俺たちがくるのを察している。だから、部下に待ち伏せを命じた可能性がある」


「しっかり考えているのね。いつもエロいことばかり考えているもんだと思ってたわ」


 真面目な雰囲気のムラサメを見て、感心したソワンがこう言った。ムラサメは呆れた表情になり、ソワンの方を向いた。


「俺だって状況を考えるよ。いつもエロいことばかり考えてるわけじゃねーって」


「はいはい」


「それよりも、ちゃんと見張りをお願いね」


 リミスがムラサメにこう言った直後、ソワンはリミスに近付いた。


「大丈夫よリミス、私があなたを絶対に守るから」


 そう言いながら、ソワンは自身とリミスの間に座るムラサメを押しのけた。


「お前の巨乳で俺を押すなよ……嬉しいけど、<イビルアイ>が使えねーって」


 ソワンの胸に押されたムラサメは、小さくこう言った。




 数分後、車はウターンとトベルートの間にある荒野で停まった。


「ここから北にある洞窟が、奴らのアジトです」


 運転手の言葉を聞き、ムラサメは<イビルアイ>を発動したまま北の方角を見た。ムラサメの目には、複数の魔力を持つ人影が映った。


「ああ。あいつら、俺たちがくるのを待ってたみたいだな」


「奇襲もなかったしね。どうする? 一気に攻め込む?」


「いや、<イビルアイ>の催眠で相手を操って混乱させる。混乱させてあいつらを叩く」


 ムラサメはリミスにそう答えて車から出たが、ソワンはため息を吐いてこう言った。


「敵のボスは捕まった仲間を簡単に殺すような奴よ。あんたの<イビルアイ>で催眠状態にさせても、きっと殺すわ」


「その時は俺がブチ切れて……クチアっつったっけ? 敵のボスを半殺しにする」


 この時のムラサメの声音を聞き、リミスは一瞬だけ恐怖を感じた。ムラサメは本気で怒っている。本気で敵を半殺しにするつもりだと、リミスは察した。


「ん? どうしたんだリミス? 化け物を見るような目で俺を見るなよ」


 ムラサメはリミスの視線に気付き、こう言った。その時のムラサメの目と声がいつも通りだと察し、少しだけリミスは安心した。




「クチアさん。あいつらがアジト近くに到着しました」


 部下の連絡を聞き、クチアは笑みを浮かべてモニターを見た。外にある隠しカメラの映像には、歩いているムラサメたちの姿が映っていた。


「やっと喧嘩が始まる。よし、ここでお前たちに命令をする」


 クチアの言葉を聞き、部下たちは一斉にクチアの前に集まった。


「今のお前たちの力、魔力ではあいつらを倒すのは不可能に近い。この前のギルドの戦士の襲撃でこちらの数は減ってしまった。いいか? この時のために仕掛けた罠を活用するんだ。いくらあいつらでも、罠にかかれば状況が悪くなる。その時にあいつらを襲うんだ」


「了解!」


「あいつらを倒した時は、剥ぐなり斬るなり痛めつけるなり何でもやっていい。だがしかし、ムラサメと名乗った猫女だけは俺が相手する。他二人のそれなりに良い体つきの小娘はお前たちが好きにしていい。だから、ムラサメには手を出すな」


「了解!」


 部下たちは返事をした後、ムラサメたちを倒しに向かった。クチアは牢獄にいる両手両足を拘束されたバルバとクアロを見て、微笑んだ。


「そんな顔をするな。いずれ、三人の仲間が増える。フフフ……楽しみにしているんだな」


 と言って、空のワインボトルにワインを注いだ。




 デーモンブレスアジト前。ムラサメは<イビルアイ>を使って入り口周辺を見ていた。


「敵はいた?」


「動きはあったが、一部は途中で動きを止めている。罠があるかもしれないな」


 ムラサメの返事を聞いたソワンは、魔力を開放した。


「だったら、私の<ホワイトバース>で凍らせるわ」


「罠が凍る物だったらいいんだけど。中には落とし穴もあるかもしれないし」


「ムラサメ、一度落とし穴に引っかかったからね」


 この前の失態のことを言われ、ムラサメは体のバランスを崩して転倒した。


「おい、それを言うなよ。恥ずかしいじゃないか」


 ムラサメは顔を赤くしてリミスにこう言ったが、ソワンは笑みを浮かべていた。


「あらまぁ。<イビルアイ>と言うちゃんとしたスキルがあっても、抜けがあるようね」


「うっせ! それより先に行こう」


 と言って、ムラサメは先に進んだ。


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