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残酷な結果


 数日後、ネハたちが戻らないことを気にしたトベルートのギルドは、デーモンブレスの近辺を調べるようにと戦士に命じた。


「どうして俺がこんなことを……」


「仕方ねーだろ。暇だったんだからさ」


 二人の戦士はぐだぐだと話をしながらアジト周辺を歩いていた。今の実力だと、デーモンブレスの団員にすら勝てる自信がないと思っている二人は、敵に出くわさないように、身を隠しながら歩いていた。


「敵はいるか?」


「いない。魔力も感じない」


「適当に歩いて、適当に報告しようぜ。俺ぁ怖くて怖くて」


「怖いのは俺も同じだよ。だけど、裏ギルドより怖いギルドの役員になんて言われるか……」


「うへぇ、そんなこと言わないでくれよ」


 そんなことを話していると、一人の戦士が異臭に気付いた。


「なんか臭くねーか?」


「モンスターのウンコか?」


「ウンコじゃねーよ。それよりももっと気が悪くなるような臭いだ……」


 周囲を見回しながら話をしていると、一人の戦士が悲鳴を上げた。


「どうした? 女々しい声を出しやがって」


「あ……あれ……」


 戦士が指さす方向を見て、もうひとりの戦士も驚きの声を上げた。彼らが目にしたのは、バラバラにされたネハとガイッサの死体だった。


「あの剣と杖はネハとガイッサの武器だ」


「おい、じゃあバルバとクアロは?」


「と……とりあえず報告しようぜ!」


 ネハとガイッサの死体を見つけた二人は、急いでトベルートのギルドに連絡をした。




「ふぃー、楽な仕事だったなー」


 そう言いながら、ムラサメはあくびをし、依頼の報酬をリミスとソワンに渡していた。リミスはムラサメの顔を見て、呆れてため息を吐いた。


「なんかやる気がなさそうに見えるわね」


「ゴブリンとイノシシのモンスターを何回も相手にしたからな。あいつら、動きが単純だからわかりやすいし、簡単に<イビルアイ>の催眠に引っかかるから……」


「それだけあんたが強くなったってことよ」


 そんなことを話していると、ギルドの役員が慌てた声でムラサメを引き留めた。


「ムラサメさん! 今、トベルートのギルドから連絡が入りました!」


「デーモンブレスのことだな」


 ムラサメは表情を変え、急いで役員の元へ向かった。


「トベルートのギルドが片を付けた……わけじゃなさそうだな、その慌てようで分かる」


「状況を何となく把握したみたいですね。でも、一応話しておきます。デーモンブレス討伐に向かったネハ、バルバ、ガイッサ、クアロさんのパーティーがやられました」


「返り討ちにされたってことか。生き残ったのは?」


「ネハさんとガイッサさんが亡くなりました。残る二名は、行方不明です」


「バルバとクアロって人が女性だったよな? 捕まった可能性があるな」


「おそらく」


 話をしていると、後ろにリミスとソワンがやってきた。


「そろそろ私たちの出番ってわけ?」


「相手は予想以上に強そうね」


 リミスとソワンの言葉を聞き、ギルドの役員は頷いた。


「皆さんも今後のことについて把握したようですね。明日、トベルートのギルドが車で迎えにくるとのことです。皆さんに、デーモンブレス討伐を任せたいと」


「分かった。こっちが売った喧嘩のようなもんだ。俺が行かないと」


 と言って、ムラサメは依頼を承諾した。




 デーモンブレスアジト内。捕まったバルバとクアロは全裸にされ、天井からぶら下がっている拘束具に両手の自由を奪われていた。両足にも自由を奪うために拘束具が使われていた。


「あへ……あへへへへへ……」


 バルバの視線は定まっておらず、舌を出しながら不気味に笑っていた。クアロの両目は半開きで、かすかに息をしているだけで身動きすらしなかった。そんなバルバとクアロを見て、クチアは右手に持つワイングラスを揺らした。


「乱暴に犯され、愛する者も奪われ、精神が壊れた女戦士の姿を見るのは実に愉快だ」


「へへへ。実にその通りですねぇ」


 横にいる部下は笑みを浮かべながら全裸のバルバとクアロを見つめた。クチアは横目で部下を見て、微笑みながらこう言った。


「今は俺以外誰もいない。独り占めするなら今のうちだぞ?」


「え? いいんですか?」


「俺にはあとで上物が届く」


「上物? ああ、あのムラサメとかと言う猫女のことですね」


「そうだ。だから、お前がやりたいようにやっていいぞ」


「へへへ! それじゃあ遠慮なく!」


 会話を終え、部下は嬉しそうな声を上げてバルバとクアロの元へ向かった。しばらくして、バルバとクアロの悲鳴が響いた。その声を聞きながら、クチアは心の中でこう思っていた。


 そろそろあの猫女がこのアジトに乗り込んでくるだろう。ネハとか言うギルドの戦士のせいで雑魚が大半殺されたが、まだ俺の手下には強い奴がいる。それに、アジトの罠も再び設置した。フフフ……これなら仲間を引き連れて攻めにきても、あいつらに勝てる確率はない。勝つのは俺だ。このクチアだ。


 そう思いながら、クチアはワイングラスの中にあるワインを一気に飲み干した。それと同時に、バルバとクアロの悲鳴も止まった。楽しみを終えた部下はクチアの元へ戻り、空のワイングラスにワインを注いだ。


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