起承転結
小説を分割して考えるとき、起承転結という部分によって分割できる。
なぜ起承転結なのかといえば、結末を語るには、ことの始まりを説明する必要があり、結末と始まりを自然に繋ぐための段階として承と転が使われるからだ。
物事を語るうえで、結末は大事だ。
結末のためにその他があると言っても言い過ぎではないだろう。
風が吹けば桶屋が儲かるということわざは、起承転結そのものであると言える。
結論は桶屋が儲かるで、事の起こりが風が吹くこと。転の部分では鼠が増えて桶をかじる。残りの承に、砂埃で盲人が増える、盲人は三味線をひく、そのために三味線に張る猫の皮が必要、そして猫が減るという事柄が入る。
ことわざから分かる通り、話のおおよそは、承の部分になる。
ことわざの例えから分かる重要なことがもう一つある。
すべては、風が吹くことから始まるということだ。
風が吹かなくても猫は減ったかもしれない。だが、結果として風が吹いたことが理由になった。
結末を見た時の整合性は、最初に戻ってこそ見えてくるものであるといえる。
風が吹いた→桶屋が儲かった→理由は風が吹いたことだった
最後にスタート地点に戻り、間が繋がっていることが感じ取れること、それはとても重要だと言える。
承の部分は実際のところ必要なかったと、読者に思われてしまうということは、物語全体のバランスが崩れているということに他ならない。
起承転結のまとまりの良さは、読み終わった後の印象をグッといいものにしてくれるはずだ。