方向性の明示
なろうにおいて、方向性がはっきりと示されていることは大きな強みであると言える。
話の節々から作者の目指したい方向がはっきりと伝わってくるタイプの話は、文章力が低くても比較的評価されやすい。
逆に方向性が見えにくいものは、文章力が高くても、ついて行けない読者が多くなって評価されにくい。
方向性というのは「可愛い女の子は全員主人公のもの」程度で問題なく、ハーレムものが評価されやすいのは方向性が明確なのも理由の一つとして考えられる。
逆転劇や復讐ものも最終地点が明示されているため鬱々としたシーンが続いても読者はついていける。しかし逆転場面を読めないと前振りへの期待がさっくり打ち捨てられてしまうため、一番打ち切りが嫌われるタイプの話でもある。
内政ものは領地を盛り立てるという目的は明確だが、盛り立てるための手段という持ちネタの数をしっかり把握しておかないと、恋愛で話を濁すことになり、読者離れを招く。内政ものはゴールが難しい。冒険ものも同様だ。
主人公の成長物語は、一見方向性が見えづらいが、安定した文章力があれば長く楽しめる。日常や主人公の心理描写をしっかり描く必要があるので、読みやすい割に上手く書くには難易度が高い。
もう少し具体的に考えてみる。
まず第一に善悪の方向性。
善で悪を征する方向と、悪で悪を征する方向。もしくは悪があくまでも悪として得をする方向。
ダークなヒーローが途中でただのいい人になってしまうと、色々と台無しになる。
次に愛の方向性。
主人公は基本的に誰からも愛されるという方向と、主人公は基本的に誰からも嫌われるという方向、そして主人公の事を好きな人も嫌いな人もいるという方向。
総嫌われは、総愛されに途中で変わることもある。好きの反対は嫌いじゃなく無関心であるという話もあることだし、総嫌われと総愛されは、場合によってはイコールで繋がる。
問題と解決の方向性。
一つを解決したら次の問題を提示されるという問題が一つずつやってくる方向、問題がひとつずつ積み重なって増えていき最後にバッと解決する方向。
後者はエンディングが上手く決まると爽快な終わり方になる。前者は単純な流れなので短編慣れしている人には書きやすいかもしれないが、終わるきっかけが難しい。
恋愛の方向性。
主人公が好きな相手の愛をGETすべく努力する方向、主人公が相手からアピールを受けて揺れて揺れて落ちる方向、主人公が相手からのアピールを切って切って切り捨てまくる方向、主人公が好きな相手達に愛をアピールするも切られ切られ切り捨てられ続ける方向。
恋愛の矢印は明確な方向性になるので、初めの部分は描きやすい気がする。
タイプもいろいろ、方向もいろいろ。
でも分かりやすい方が読みやすい。




