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闘技大会 その3

レイは油断なくカイゼの一挙手一投足を観察する。

降参を促したがあきらめている様子が全くなかった。


ただ魔導書も破壊しMPも0にした。

ここから逆転されるとは思ってなかった。


そんな中カイゼが思わぬ行動に出た。


杖を地面に突き立てたのだ。そして…

「黒より黒き漆黒の翼よ、嵐を巻き起こす漆黒の翼よ、大地よ!その魔力を巡らせよ!顕現せよ!漆黒の翼よ!」


(詠唱だと!?MPは奪っているしはったりのはず!?)

レイはそう決めつけ時間を稼ごうとしているであろうカイゼに全速力で向かっていく。


ただその予想は外れたようだ。

カイゼが詠唱を進めるほどにまるで杖から突風が吹いているかの用だった。

そして詠唱を終えたときに風のバリアがカイゼの身を隠しレイは思わず顔を覆う。


風が収まりカイゼの居たほうを見てみたがそこにカイゼの姿はなかった。

(――どこへ行った?)

その答えはすぐにわかることとなった。


「我、天より出でし者のなり」


その声につられ上を見上げた時その光景にレイは驚愕する。

「な…なんなのよその姿はー!」

なんとそこには漆黒の翼を携え空を飛ぶカイゼがいたのだ。


「私もオリジナルスキルを作ってね【黒唱詠翼(ノワール・アリア)】って言うんだ。

 さぁここからが本番だよ!【ヴァリアブルワンド】」


カイゼは空を飛び杖を直剣に変形させ縦横無尽に攻撃してくる。


(まずい…まずい!なんだよあの反則スキル!空なんて私も飛びたいよ!あー…ガーゴイルまた討伐しに行かないとじゃん。)

動体視力補正がある中ですら盾で受けるのでギリギリだ。

昨日ガーゴイルと戦った時以上にカイゼの動きは無駄がなく攻撃してくるのだ。

加速しながらの攻撃は盾で受けても吹き飛ばされそうになり徐々にHPを減らされていた。

理の再記述(リライト)】を使用したことでレイのMPはすでに0になっていてトリニティ・ブレイドを展開して攻勢に出ることもできない。


そんな中でもレイは考える

(そもそもMPを0にしたのになぜまだあんなことができるんだ。…詠唱で大地の魔力を巡らせるみたいに言ってたな…ドワンさんも確か大地と魔力が…みたいなこと言ってたね。)

そうしてレイは一つの結論に行きつく。

(もしかして地面から魔力を吸収して防具や杖に貯め込んでる?それならば飛んでいる間は回復ができずにいつかは限界が来るはず)

あくまでそれはレイの中では仮定であったが正解であった。

それならば勝の目がまだあるとレイは考えさらに集中を深める。

今やハッキングも複雑な剣の操作もいらなくなり、すべての集中を攻撃を凌ぐことに集中する。


そして動きに迷いがなくなったことはカイゼも感じ取っていた。

(もしかしてこっちの魔力の種に気づいたのかな?)

このまま凌がれてはそう遠くないうちにこの漆黒の翼は効力を失い地上へ墜ちてしまう。

そうなれば回復まで時間がかかるし今度こそ打つ手なしになってしまう。

(あれを使えば勝てるかもしれない…ただ耐えられたらこっちも動けなくなるリスクが…いやこのまま耐えられたらそもそもダメなんだ。やるしかない!)


レイはその行動を見ていた。

カイゼが空中で静止したのだ。

(…しのぎ切ったか…あのレベルの大技はそんなすぐには使えないはず、降りてきたところに畳みかける。)


しかしその考えは違った。


カイゼは手を天に掲げ

「嵐よ!雷よ!我が身に宿し!力となれ!」

空中に魔法陣が展開される。


(ここでさらに詠唱!?しかもあの魔法陣…確か手袋に描いてあったやつ。)


轟音が鳴り響き空から【ライトニング】の比にならない雷がカイゼに落ちる。


――レイが最後に見たのは何かが高速で移動する姿だった。動体視力補正がある中ですらその姿をはっきりととらえることができなかった。

そしてHPが0になる前に背後から声が聞こえた。


「――紫電一閃!」


わずかに見えたその姿は雷を身に宿し漆黒の翼を携えた魔法使いの姿だった。



――決着っーーーー!


実況の叫びに息をのみ戦いを見ていた観客の大歓声がコロッセオに響いたのだった。



そしてリスポーンしたレイはカイゼと握手をするのだった。

「いやー完敗だね。てかなんだよあれ!反則だろ!」

「ふっふーん、勝つのは気持ちいいね~、まぁこれから表彰みたいだし終わったらね。」

そうカイゼにドヤ顔をされ表彰式へ行くのだった。


観客の前に呼ばれたのは上位3名のプレイヤーだった。

「あっブライトさん!3位おめでとうございます。」

「ありがとう。次は負けないと思っていたが決勝を見てそんな考えはなくなったね。この後いろいろ聞きたいくらいだ。」

「そ、そうですね。今日はちょっと疲れたのでまたの機会で…」

「そうだな、こうして強者としりあえただけでも収穫だったさ。またあったときにはよろしくな。」


そうしてインタビューを受けそれぞれこの結果についてコメントを行い景品を受け取り闘技大会は終了するのだった。


閉会式も終わりカイゼと合流する。

「これからどうする?」

「そうだね、今日は疲れたしログアウトして一緒にご飯行かない?約束もあるしさ!」

「いいね!いい店紹介しなかったら怒るからね!」

「よしじゃあここじゃログアウトできないし町でログアウトしていこうか!」


そうして町に出た2人がログアウトできたのは多数の質問を何とかかわし1時間以上たった後だったのだ。



---

黒唱詠翼(ノワール・アリア)

ガーゴイルが得意としていた創造する力を使用したオリジナルスキル

燃費がかなり悪いなどの欠点はあるが詠唱が必要な点がカイゼ的には一番の弱点だと思ってる。

なぜならテンションが上がった影響で考えた詠唱が冷静に考えると恥ずかしかったから……


紫電一閃

雷をまとって高速で相手を切りつける。

雷をまとうのは手袋の魔法陣の効果。

もはやどっちが主人公なのか…

Kaizeはテンションが上がってるい影響で口調もちょっとおかしくなったます。

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