最近落語を聴かなくなりました
気がついたらここ数年落語を聴いていませんでした。
あれ?十年くらい聴いてないかな?
いえ、CDとかでは聞いてますけど。
それ以前は新宿の末広亭に月に二回は行ってました。
私は膝替わり(トリ:その日の最後の出演者、の直前に出る人を指します)によく出演する、独楽の曲芸をしてらした方の大ファンでした。
何度観ても飽きません。毎回ほぼ同じことをするのに。
間の取り方が良くて、最後に踊る姿が綺麗で。
その方が亡くなられた時は寂しくて、一時足が遠のいたくらいです。
世界にたった一人しか居られなかった柳昇師匠も居なくなって…志ん朝師匠が亡くなって。色気があって踊りも歌も本当に素敵な噺家さん。志ん生を継ぐの、待ってましたのに。それからあの方もその方も。
…それで行かなくなったんですね。
「お直し」も「芝浜」も。
志ん朝師匠のが一番好きでした。
柳昇師匠の新作は柳昇師匠でなければ。
CDは持っていますけれどDVDもありますけれど。
基本、
落語は生で聴くものだと思っています。
客席の雰囲気でマクラが変わり、ときには時事に触れ
アドリブを入れたり、他の噺を絡めたり繋げたり。
それを感じることが出来る寄席が好きなのです。
末広亭に行くのは本当に特別です。
前座さんの軽い噺から始まって二つ目の噺、
落語の合間に漫才、手品、曲芸。
前座からトリまでおよそ四時間。
とても贅沢な時間の使い道です。
でも長い分だけに出演する方が好きでないと。
特にトリが楽しみでなければ。
実際に一度だけですが、ある落語家さんがトリで出演した時、マクラのあまりのつまらなさに途中で席を立って帰ったことがあります。
前から五、六番目の真ん中に近い席でしたから目立ったはずです。しかも家人と二人。
立ち上がった私たちを見た落語家さんが嫌そうな顔してましたけれど、こちらはもっと嫌でした。せっかくお金払って聴きに来たのに。
でも、こうして書いているうちにまた寄席に行きたくなってきました。
あの頃若かった落語家さんたちも皆良い年齢でしょうし。
末広亭は遠くなってしまったから、横浜のにぎわい座にでも行ってみようかなあ。
やっぱり私はホール落語や独演会より寄席の方が好きなんです。