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第1話 雑用初出勤!

初めて投稿させていただきます。お手柔らかにお願いします


ここはとあるギルドの拠点の館。所属メンバーは全員女性


「今日からだよね?募集した人が来るの」

「新しい雑用のこと?そういえば今日だったかしら、次は続くと良いわね」


夕日が差し込むリビング、金髪の活発な『聖騎士』アリアがクッキーを食べながら聞き、テーブルの向かいに赤髪の偉そうな『聖女』フレアが答える。


「冒険者協会から紹介の若い男って聞いたけど、イケメンかしら?」

「そいつまだ来ないの?お腹空いた」

「…」


今リビングに来たピンク髪の妖艶な『追跡者』フィル、青髪の無表情な『魔砲士』ルルカ、銀狼族の寡黙な『剣士』リサ。この個性豊かな5人がギルド『清浄の暁』の全メンバー


今彼女達の関心は新たな雑用係にあった。自分の話をしてるとは知るよしもなく、1人の男が館の扉を叩く。

ーコン、コン。


小さなノックの後、少しの時を経て重い扉がゆっくりと開かれた。そこには、これから豊かなメンバーに振り回されるとも知らぬ男の訪問者ーー()()ルクスの姿があった。


「初めまして『清浄の暁』の皆様!今日から住み込みで働かせて頂くルクス12歳です。精一杯頑張りますのでよろしくお願いします!」


扉の先には、背丈ほどの大きなカバンを背負った小柄な銀髪の少年。年は確かに十二かそこらの可愛い顔。奴隷身分を表す、左小指の第一関節から先が無く。大きな瞳が不安げに揺れ、しかし懸命に笑みを作って5人の女性を見ている。


一拍の沈黙が落ちる


「はぁ⁉︎子供じゃないの!これが新しい雑用係?嘘でしょ?まあいいわ。ダメならすぐ追い出すだけよ。さっさと入りなさい土埃がはいるでしょ」


呆れたようなため息をつき、視線を外す。それを見たアリアが慌てて立ち上がり、ルクスの元に駆け寄る。膝を折って目線を合わせ、柔らかな笑顔を向ける。


「ようこそ、ルクス君!私はアリア。荷物重かったでしょ?お腹空いてない?お水持って来ようか?」

「あら...思ったより可愛い子が来たわね、食べちゃいたいくらいのね?」


気付けばフィルもアリアの背後から現れ、ルクスの顎に細い指を添え愉しげに紫眼を細める。


「小さいね。ご飯作れるの?あと私の部屋の掃除と、洗濯と、書類の整理と、あとー」

「.....。」


ルルカが呟き、リサは狼耳をピクッと動かすと、一瞬ルクスに視線を送り逸らした。


「まずは何から始めましょうか?」

「見て分からないの?全部よ全部、この有様をどうにかするのがあなたの仕事よ」


フレアが指差す先には、いつからあるのか食べかけの皿の山、埃だらけの廊下、至る所に脱ぎ捨てられた下着や服たちが散乱していた。


「ごめんね、みんな忙しくて...」

「お腹空いた、冷蔵庫の中身全部腐ってるから街の市場で買ってきて」


アリアが謝り、ルルカが抑揚の無い声で言い、ポケットから銀貨数枚をルクスの足元に投げる。


「分かりました。食事は作って持って来たのですぐに用意しますね。」


ルクスはカバンを降ろすと、中から丁寧に布で包まれた保存容器をいくつも出す。リビングにほのかに温かい手料理の香りが広がる。


「あら、気が利くわね。美味しかったらご褒美あげるわ」

「問題は味よ、この子にちゃんとした料理が作れるかしら」


フィルがルクスの耳元で囁き、テーブルに向かう。フレアは一瞬容器に目を奪われたが、すぐそっぽを向いた。


20分後綺麗な皿に料理を盛り付け、厨房からルクスが戻って来た。肉の香草焼き、サラダ、具沢山のスープが食卓に並ぶ。

部屋の空気が変わった。こんがり焼き色のついた肉、彩り鮮やかなサラダ、湯気を立てるスープの芳醇な香り。とても少年が作ったとは思えない出来栄えだった。5人が食べる


「…まあ食べられなくはないわね。最低基準はクリアよ」

「へぇ…こんな小さな体のどこにこの腕が詰まっているの。前はどこかのお屋敷にでも仕えていたのかしら?」

「おかわり」


フレアは酷評をしながらも手を止める様子はなく、フィルは首を傾げ、ルルカは既に完食し、おかわりを要求する。ルクスがすぐにおかわりを運んで来る。


「お口に合ったようで良かったです」

「合格、明日から毎日作って」


ルルカの胃袋を掴む。


「美味しいよ!ルクス君、本当にすごいよ!初日からありがとう!」

「…」


アリアが花が咲くように笑い、リサは黙々と食べているが、狼耳がピンと立ち尾がゆっくり揺れる。やがて皆食べ終わり、2階の自分の部屋に戻っていく。フィルはご褒美にほっぺにキスをくれた。


ルクスは持参した夕食の端材で作ったお湯のスープとカビの生えたパンを食べる。その後厨房とリビングの片付け、掃除を行った。それは日付けが変わる頃まで続いた。


「初日はこんなものかな」


キッチン横、与えられたほぼ物置きの自室に入る。今日の出来事をメモし、大きなバックの二重底に隠す。支給された薬剤を飲み、明日自室を片付けようと決意し埃まみれのベッドで眠った。


少年に課せられた任務の1日目が、ようやく終わった。

少年の背中にある、おびただしい数の鞭打ち跡に気付く者はまだ居ない。





ルクスレポート

・フィル、他1回


読んで頂きありがとうございます。

少しでも楽しんで頂けるように頑張ります。

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