キューラ・トロス
サガンとユラは少しずつ打ち解け合いながら首都までの道のりを歩いた。
1時間もしないうちに、首都についた。
「こっちだよ」
サガンはユラの手を引いた。少し歩いていくと、パンの良い匂いのする建物の前についた。
「ここがトロスって人の家?」
「うん。」
サガンは扉の前に立ち、コンコンとノックした。
「はーい。今行きまーす。」
ガチャっと扉の開く音と共に現れたのは、大柄な男性だった。マカンの恩人である、ルーク・トロスだ。
「…サガンか。お父さんはどうした?一緒じゃないのか?」
「うん…あ、これ…。」
サガンはマカンから預かった手紙をトロスに渡した。
「ん?手紙…?」
トロスは手紙を受け取り、手紙を確認した。読み終わると、トロスは言った。
「一旦中に入ってから話そうか。」
トロスに案内されるまま、サガンとユラはトロスの家へと入って行った。
(あいつもだいぶ勝手なことするようになったな…。)
トロスは手紙を見ながら思った。
「さてと、早速だが、君たちにはしばらくの間、この家で過ごしてもらう。」
案内されたテーブルに座った直後、トロスが話し始めた。
「ん?どうゆう事…?」
サガンは聞いた。
「これから君のお父さんは仕事に行くんだ。しばらく戻ってこないから…お父さんが迎えにくるまでの間だけここで預かって欲しいと言われたんだ。」
「そうなんだ…わかった!」
サガンとの会話を終え、トロスはユラの方を向いた。
「で、君は…。」
ユラは自分のことと、村の状況を話した。
「…なるほどね。」
トロスは少し考えてから口を開いた。
「ユラもしばらくこの家にいると良い。マカンはきっとやり遂げるから。」
ユラはゆっくりと頷いた。
「あ、サガン、一つ言い忘れてた。サガン、君は首都にいる時は『キューラ・トロス』と名乗りなさい。」
「何で…?」
「大人の事情。」
「わかった…。」
※以下、サガンを『キューラ』、トロスを『ルーク』と表記する。
《マカンの手紙》
ルーク・トロスへ
この手紙は、俺の身に何かあった時、トロスさんに届くようになっています。多分そちらにサガンが居ると思います。大変身勝手ですが、しばらくの間、サガンを泊めていただけないでしょうか。俺はこう言った手紙を書くのが苦手で、あまり上手く書けませんが、この手紙から意図を読み取っていただけると幸いです。最後に、サガンの名前が、おそらく騎士団に知られています。偽名などをつけて頂けると助かります。
次回「3日後の深夜」




