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第202話 いざ、深い魔のダンジョン

稚内駅に着いた俺とキューンはそこから少し歩いてスマホで位置を確認していたランクFの未踏破ダンジョン、通称深い魔のダンジョンへと向かっていた。


その道中スマホの着信音が鳴る。


ピリリリリ……。ピリリリリ……。ピリリリリ……。


スマホの画面をスワイプして、

「はい、もしもし」

電話に出る。


『おい、佐倉。お前SSTに入らないって本当かっ?』

電話の相手は海道だった。


「なんだよいきなり……SST? 悪い、SSTってなんだったっけ?」

『はぁ? スペシャルスキルチーム略してSSTだろうがっ』

「あー、長澤が言っていたやつか。警察と一緒にスキルを使う犯罪者を捕まえるってやつだな」

『わかってるじゃねぇか。それで佐倉はそいつに参加しないって聞いたぞっ』


……また面倒くさい奴から電話がかかってきたもんだ。


『佐倉お前、まだ金稼ぐつもりかっ。世の中のために働こうって気はねぇのかよ』

「うーん、そうだなぁ……」

『おれたちはSSTに参加するぜっ。お前も参加しろよっ』

おれたちというのは神代や長澤、水川たちのことだな、きっと。


『佐倉、お前もう一億も稼いだんだろっ』

「ていうか俺単純にダンジョンが好きなんだよ」

『なんだそりゃ? いいからお前もSSTに入れよ、犯罪者を逮捕できるんだぜっ。なっ楽しそうだろっ』

よほど俺をSSTとやらに引き入れたいのか海道は強く迫ってくる。


「あ~そうだなぁ、気が向いたらな」

『気が向いたらってお前――』

「俺これからダンジョン入るからまたあとでなっ」


しつこそうだったので話の途中で俺は電話を切ってしまった。


『マスター、今の声の大きい人誰?』

キューンが首をかしげ訊いてくる。


「あー、聞こえてたか。海道っていって何かというと電話してきて俺をイベントごとに誘ってくる奴なんだよ」

『へー。じゃあその海道って人もおいらと同じでマスターのことが好きなんだねっ』

「いや……それはないと思うぞ」

海道が俺を好きだって……おえっ。考えただけで気持ち悪い。


『電話切っちゃってもよかったの?』

「いいんだよ。あいつ自分勝手だから少しくらい相手の気持ちになってみるのも悪くないさ」

『ふ~ん。あっ、マスター。あれじゃないっ? 探してたダンジョン』


キューンが小さな手で前方を指差した。

キューンの指差す方を見るとたしかにダンジョンの出入り口があった。


「おおっ、あれだあれだっ」


畑の中にどーんと大きなダンジョンの出入り口が見える。

俺たちはあぜ道を通ってそのダンジョンの出入り口へと向かう。



スマホで確認して、

「ああ、間違いない。ここが深い魔のダンジョンだ」

キューンに伝える。


「ここでレベルを上げながらダンジョンクリアを目指すぞ」

『うん、わかった。じゃあマスター、早速行こうよっ』

「ああ」


ピリリリリ……。ピリリリリ……。ピリリリリ……。


『あれ? マスター、電話鳴ってるよ』

「いいさ。どうせ海道だから」


ダンジョンに入れば電波が届かなくなるから静かになるだろう。


俺は未だなり続けている着信音を無視するとキューンとともに深い魔のダンジョンに足を踏み入れるのだった。

『Sランクパーティーを追放された鍛冶職人、世界最強へと至る ~暇になったおっさんは気晴らしに作ったチート武器で無双する~』

という小説も書いているのでせめてブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m

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― 新着の感想 ―
[一言] 着信無視がピンポイントに面倒事のフラグの可能性w
[気になる点] 着信で名前見ないのは絶対海堂じゃなくて後で困るフラグなんじゃ…… [一言] 『佐倉お前、まだ金稼ぐつもりかっ。世の中のために働こうって気はねぇのかよ』 「お前が無私無償でSSTに協力…
[一言] (๑╹ω╹๑ )せめて着信の名前くらい見ましょうね。
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